最近は「雑談」をテーマにした本を熱心に読み進めています。というのも、この夏休みはいろんな人に会いに行く予定が決まっていて、「そんな時、どんなことを話せばいいのかな?」と考えているからです。
今回は、河上純二さんの著書『差がつく雑談 できる人が実践している伝え方』を読んでみました。
「できる人」は、雑談のなかでどのようなことを意識しているのでしょうか? そもそも、なぜ雑談がそれほど大切なのか。本書の視点を交えながら、教育現場にも通じるポイントを考えてみましょう。
雑談の目的は「相手とつながること」

雑談には、「相手とつながる」という明確な目的があります。
初対面の人や、仕事では直接関係のない人とでも、信頼関係を築くきっかけをつくる。お互いを知り、理解し合う。そのために、相手が興味を持ってくれそうな話題を探りながら、場の空気やタイミングに注意を払い、丁寧な言葉を選んでいく必要があります。
つまり、雑談とは「相互理解のための技術」であり、相手との関係性を築く第一歩なのです。
こう考えると、雑談の重要性がよく分かりますよね。 国と国との首脳会談や、企業のトップが集まる晩餐会・会食。これらは単に美味しいご飯を食べるためだけのものではありません。本番の会議だけでなく、その前後で有効な「雑談」を交わすことで、お互いの理解を深め、仕事を円滑に進めるために開かれているのです。
会話を弾ませる究極のコツは「褒める」こと

良いコミュニケーションを取るための特効薬は、やはり「褒める」ことです。
先生方ならよく共感していただけると思いますが、褒められた時の子どもたちは本当にいい表情をしますよね。これは大人だって同じです。褒められて恥ずかしくなることはあっても、嫌な気持ちになる人はいないはず。小さなことでも、気づいた時にサラッと褒める。これこそが、雑談力を引き上げる土台になります。
私自身、雑談中も「相手のどこを褒められるだろう?」と考えていることが多いです。褒めるポイントを探しながら傾聴すると、自然と相手の話に集中できます。そして、小さなことでも褒められた相手は嬉しくなり、気分を良くしてさらにたくさん話をしてくれるようになります。
本書では、褒める技術として4つのポイントが紹介されています。
1. 「具体的な行動」を褒める
具体的な行動を褒められると、相手は自分に自信を持ち、モチベーションが上がります。
- 例:「掃除をきれいに仕上げてくれたね。ありがとう!」「宿題を忘れずに提出できているね、素晴らしい!」
2. 「努力」を褒める
日頃の頑張りや、裏での苦労を見てくれている人がいると知るだけで、人は嬉しくなるものです。
- 例:「毎日コツコツ宿題に取り組んでいるね」「縄跳びの練習、毎日がんばっている姿を見ているよ」
3. 「普段の姿勢」を褒める
「尊敬しています」「さすがです」と言われて嫌な人はいません。その素敵な姿勢にさらに磨きをかけようという意欲に繋がります。
- 例:「〇〇さんのいつも前向きな姿勢、本当に尊敬します。さすがですね!」
4. 「存在自体」を褒める
「あなたがいてくれてよかった」と伝えることで、相手の承認欲求が満たされます。子ども相手であれば、究極「毎日学校に来るだけで素晴らしい」「生まれてきてくれてありがとう」というレベルの全肯定です。
- 例:「〇〇さんが明るくいてくれるから、クラス全体が元気になるよ」
💡 効果を倍増させるワンポイント 褒め言葉を伝える時は、「頑張っているね」だけでなく、「〇〇さん、頑張っているね」と名前を添えるのがコツです。これを**「ネームコーリング効果」**と言い、親密感を一気に高めることができます。
雑談力を引き上げる「ファシリテーション力」

最近の学校現場でも、「ファシリテーション力」や「ファシリテーター」という言葉がすっかり一般的になりました。
ファシリテーション(facilitation)には「促進」や「円滑化」という意味があります。会議やミーティングで参加者の意見を引き出し、ゴールに向けて話し合いをスムーズに進める技術のことです。
教育現場においては、子どもたちの話し合いをサポートしたり、教員同士の研究授業の検討会などで活発な議論ができるよう意見を引き出したりする役割を指します。 昨今、文科省からも「探究的な学習」の重要性が示されていますが、これからの教師は「教え込む」のではなく、子どもたちが主体的に学びたくなるよう「ファシリテートしていく」姿勢が求められています。
そして、このファシリテーションにおいて、最も重要なのが「最初の問いかけ」です。
参加者が、つい喋りたくなるような問いかけを用意しましょう。
- 「最近、ちょっと嬉しかったことって何かありますか?」
このように、答えやすくて、でも少しだけ心が温かくなるような問いかけをすると、会話のスイッチが自然と入ります。大切なのは、誰でも気軽に口を開ける「安心安全な空気」を作ることです。
時間配分に気を配りつつ、発言者が「自分の言いたいことを言えた!」と満足できるように丁寧に話を引き出していく。そんな「雑談を心地よくコントロールする技術」こそ、ファシリテーションから学べる大きな収穫です。
最後に:雑談こそ、指示以上の力を持つ

教師という仕事は、「言葉」を通じて相手(子どもたち)の心を動かし、成長を促していく仕事です。
そしてその「言葉」とは、授業や指示の言葉だけではありません。日々の何気ない「雑談」にこそ、大切なメッセージが詰まっているのではないでしょうか。むしろ、一方的な指示よりも、雑談を通じて築いた信頼関係の方が、子どもの行動を大きく変えることがあります。だからこそ、雑談力を磨くことは教師にとって極めて重要なスキルだと感じています。
「子どもたちがさらに輝くような雑談とは、どんなものだろう?」 これからも、アンテナを高く持って考えていきたいです。
皆さんは、普段の雑談で意識していることや、大切にしているモットーはありますか? ぜひ、コメント欄で教えていただけると嬉しいです!

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