箱ひげ図が学習指導要領に入ってきて、しばらく経ちました。
箱ひげ図の指導って難しいですよね。
データの散らばり具合が「範囲」という数字ではなく、視覚的に分かるというだけ…(高校までいくととってきた標本が、妥当かを判断するのに使えるのですが)というところで、1年生のヒストグラムなんかよりもすごいって感じがしないんですよね。
今回も、google社の提供している生成AI「Gemini」を使って、データを作って、箱ひげ図を習熟できるようにしました。
Geminiに入れたコマンド
まずは、Geminiにこんな命令をして、記録を作ってもらいました。

返ってきた結果はこちら

ちなみにGeminiに、「どの選手を選ぶか」も質問したところこんな分析をしてきました。


うん。C選手選ぶよね。
僕もそうすると思う。
こちらの狙いとしては、生徒はC選手を選ぶだろうけど、「散らばりが違う」とか、「安定している」という意見が生徒から出てきて、「それを視覚化できる図を導入しよう」と伝えて、箱ひげ図につなげることをねらっていました。
実際の授業

平均値から計算する子、最小値に目をつける子様々でした。
出てきた意見は以下のとおり。
A選手を選んだ生徒
- Bよりも、記録が散らばっていないしCよりも高い記録が出ている。
B選手を選んだ生徒
- 最高値が55m出てるので、ギャンブルだけど、Bを選ぶ
C選手を選んだ生徒
- 平均値が高いCを選ぶ
- 最小値もCが低い
→これらのことからC選手は記録が安定していると言える
といった意見が出てきました。C選手を選ぶのが8割程度で、残り2割がA,B選手を選ぶ感じでした。
意見が出た後ある生徒が、
「やり投げって1回投げておわりじゃないですよね?実際の試合って何回投げるんですか?」
と聞いてきました。
実際の陸上のルールでは、3回投げて、上位8人がもう3回投げて、計6回の記録の中から一番長くとんだ記録が正式記録になります。
そのことを話したところ、「この記録だけで決めないといけないから何ともいけないけど、もっと回数を増やして、どれくらい安定して記録が出せるか知りたいね。」
といった意見も出てきました。
ここから、「ちらばりとか安定って言葉が出てきたね。ヒストグラムで表すとこんな感じだけれど、回数が少なすぎて、散らばり具合が分からないよね(ヒストグラムを電子黒板でみせる)
そこで散らばり具合が分かりやすい箱ひげ図という図があるんだけど、それを勉強してみよう。」
とつなげていきました。
今後の課題
本当は、自分たちで記録をとって、その中で箱ひげ図を使う場面が出てくるとよいのですが、なかなかいい場面が浮かびません。
啓林館の教科書でも、1年生の統計の分野では、「紙吹雪の滞空時間を比べよう」と実際に生徒に計測させて、考えさせる教材になっています。
しかし2年生では「ケータイ電話の通信速度」を比べさせて、教科書会社が作ったデータを比較する教材になっています。
それだけ、実測で箱ひげ図を使う場面を想定することが難しいんでしょうね。
なにか良いアイデアがあったら是非教えてください。

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