公式をつかえるようにしてやりたいとどの先生でも思っています。
特に、展開公式は覚えないと計算に時間がかかってしょうがない、受験には必須の公式になってきます。
ただ、覚えなさいだけでは、なかなか覚えられるずに案外苦戦することも多いと思います。
教科書(啓林館)での展開公式の流れは、
$$(x+a)(x+b)=x^2+(a+b)x+ab$$
$$(a+b)^2=a^2+2ab+b^2$$
$$(a-b)^2=a^2-2ab+b^2$$
$$(a+b)(a-b)=a^2-b^2$$
となっています。
みなさんはどんなふうに授業を行っていますか?
この単元の別の授業はこちら!
$(x+a)(x+b)=x^2+(a+b)x+ab$の展開公式
早く解くからくりを探せ!
「今日は、$(x+a)(x+b)$の展開についてもう少し深く見ていくよ。
文字で言われるとピンとこないと思うから具体的な問題を作ってみよう。
Aさん、好きな自然数を2つ言って。」
と生徒に振ります。
生徒は、「2と3」とかいうでしょう。
黒板には$(x+2)(x+3)$と書きます。
他の生徒にも聞いて、3つくらい問題を作りましょう。
前時では、基本的な展開(一つずつ項をかけ合わせる方法)は学んでいるので、
「前時の復習ね、3問、先生と競争しよう。用意ドン!」
と始めます。
生徒は途中式を書きながら、展開をしていきます。
教師の方は展開公式を知っているので、途中計算なしに、いきなり答えを書いていきます。
生徒たちは毎回驚いてくれます。
そこで、生徒たちに、
「もちろん先生は、早く計算できるからくりを知っているから、これだけ早く解けるのです。そのからくりを暴いてみましょう。」
と生徒に問い返して考えさせます。
子どもの反応
様子を見ていると、子どもは結構気づきます。
「たして、かけて」という言葉がでてきたら、もう完璧です。
ある子を指名して、みんなで確認をします。
そして、一つ一つ計算したときの途中式と合わせてみることで、より理解が深まります。
確認の板書はこんな感じになります。
ここまで分かれば、他の問題もそうなっているか確認するだけです。
からくりが分かったところで練習問題に行きましょう。
$(a+b)^2=a^2+2ab+b^2$,$(a-b)^2=a^2-2ab+b^2$の取扱い
ここも$(x+a)(x+b)=x^2+(a+b)x+ab$と同じ流れで取り扱っていきます。
ただし、問題がどう変わったか(2乗を使っている)ということを押さえるようにします。
それをごちゃごちゃにすると、後々、どの展開公式を使って展開をしていけばよいのか、あやふやになってしまうからです。
どんなパターンの展開をやっているのか意識をできるようにしましょう。
残りの流れは、$(x+a)(x+b)=x^2+2ab+ab$と一緒なので割愛します。
注意
多項式の前の$a$の部分が$x$の場合
$(x+a)^2=(x+a)(x+a)$となり$(x+a)(x+b)=x^2+(a+b)x+ab$に帰着できます。
これも少し触れつつ、展開公式を応用できるように指導をしていきたいですね。
$(a+b)(a-b)=a^2-b^2について$
この公式の特異な点は、展開した時、項が2つになるという点です。
今までと同じ流れにしつつ、なぜ、項が2つになるかは押さえたいですね。
しっかり、打ち消し合っていることを基本の公式に戻って押さえましょう。
公式を一通り覚えたら
黒板の右側に公式を書き、左側に様々な問題を書きます。
それぞれの問題がどの公式を使うか確認しましょう。
どうやって判断したかを子どもに説明させて、他の子どもも判断できるようにしていきます。
注意(面積図の扱いについて)
教科書では、展開公式を面積図を使って説明をしています。
もちろん図形的理解も必要ですが、これそのものは低位の子の視覚支援につながらないのではないかと考えています。
こちらの説明は端折ってしまうことがほとんどです。
みなさんは取り扱っていますか?
ぜひ教えてください。
最後に
- 子どもと競争して、子どもの心に火をつけよう
- からくりを子どもの言葉で言わせることで、語呂と一緒に公式を覚えよう
- どの公式を使うのか判断できるように、対話をする時間を設けよう
子どもと一緒に、公式を覚えていけるような授業案を作ってみました。
感想お待ちしています。
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