【中学校2年生 平面図形 証明 指導案】証明特有の文法を理解しよう

指導案

中2になり、初めて証明を勉強します。

この証明のプロセス、慣れないとちんぷんかんぷんです。

中3の相似の証明の単元に入っても結構苦手意識をもっている子どもが多いです。

そんなときは、「証明の言葉のきまり」と題して、1時間復習をしています。

今回はその授業を解説します。

なぜ子どもは証明問題が苦手なのか

こんなリプライをいただきました。

そうです。

その通りなんです。

けれど苦手な子は1がよく分からないと思います。

多分英語を読んでいる感覚と一緒なのでしょう。

数学教師でも、ガロア理論の証明とか何言ってるか分かんないじゃないですか!(え?分かるって?)

さて、

「ある2つの三角形がなぜ合同か説明しなさい」

と言えば、

等しい辺や角を3つ見つけだし、どの合同条件を使えば良いかまで、八割方の子は説明できます。

しかし、そこまでやって、ノートに証明を書きなさいというと途端に書けなくなる。

それは何故か。

それは、等しい辺や角と合同条件だけを羅列するだけでは証明にならないからです。

枕詞(仮定より とか 同位角だから とか)や、そのあとの言葉(1、2、3より2辺とその間の角がそれぞれ等しいので云々)が多すぎる!

いや、数学としてはとても重要なのです。

ただ、中学生にとって、

なぜそんな枕詞がいるの?

そもそも、何を表しているかよく分かっていない

子どもがほとんどなのです。(と思います)

「証明は教科書と同じように書け」と指導する先生もいます。

正しいです。

けれど、それぞれの文の意味がわからなければ、写せと言われても写せません!

理解もできません!

なので、必ず証明の構造を分解し理解させる必要があるのです。

証明の構造

一般的な証明はもっと複雑で、バリエーションに富みます。

中学生として必要なレベルでの解説だと思ってください。

青字で書いた部分が子どもにとって理解しづらいところであります。

証明の枝葉の部分であって、幹の部分ではないからです。

けれど証明は、読み手に伝わるように書く作文(国語と一緒)と考えれば、この枝葉の部分なしで理解してと言われても無理な話です。

だからこそ、青字の部分の意味を子どもにしっかり理解させて、証明の学習を進めていきことが大切になります。

実際の授業の流れ

上の問題を証明します。

仮定と結論の意味を確認します。

仮定・・・使っていいヒント(使わなければ解けないヒント)

結論・・・最後に、「だから (結論)」と書く言葉

QEDの直前以外に出てきたら❌な言葉

と確認します。

次に、

「みなさん、口頭でいいので、2つの三角形が合同になる訳を隣どおしで確認してください。」

と発問します。

そうすると

このように発言が出てきて、子どもは証明できた気になります。

まずはそれでいいのです。

いちばん大切な部分。

骨の部分は理解しています。

ここから

の部分をみんなで考えます。

「なんで、AO=COが成り立つの?」

「なんで、この角とこの角が等しいと言えるの?」

そうして、等しい理由が子供たちから出てきます。

大切なのは、等しい理由もセットにして証明に書くことです。

ここの枕詞が1番大切なのです。

ここを確認します。

大事なのは、先に先生が全て教えてはいけません。

絶対子どもはついてこれません。

クラスの理解しているところを全て出した上で、そこまでよくできていることを認めます。

そして、足りない部分を尋ね補強することで、子どもが足りない部分に気づき、体得することができます。

そして、合同を示すための3つの武器が揃ったので、

「①~③より、対応する2辺とその間の角がそれぞれ等しいから △ AOB≡△COD 」

と書けることをおさえます。

このあと、同位角などを使うこともありますが、そこの理由の書き方は出たときに指導をすればいいのです。

大事なのは幹の部分を子どもにしっかり考えさせて、枝葉の部分は子どもの実態に応じて、補強をしましょう。

表現の仕方はそれぞれの子どもで違うので、机間巡視や全体で確認が大切です。

↓机間巡視についてはこちらを見てください↓

子どもに覚えさせておきたい小ネタ

入試問題では、よく証明の穴埋めが出てきます。

その時には、実は図や問題文を見なくても解ける場合があります。

穴埋めしなければならない辺や角も対応順に書く必要があるということです。

下の図を見てください。

1文目のどの三角形の注目するかの文さえ読んでしまえば、3つの( )には何が入るのか、図なんて見なくてもわかります。

(おかげで簡単な穴埋めの証明問題を定期テストに出せませんが)

証明の見やすさと、裏技とセットで伝えることで、対応順に書くことを子どもに意識をさせたいですね。

まとめ

・教材研究では中学校で必要な証明構造を明らかにしよう
・授業では、証明する上で、子どもが言葉足らずの部分を補う形で授業を進めよう
・対応順の小ネタは、証明を上手くなるための必須要素

みなさんのテクニックもぜひ教えてください!

スーさん
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