勉強する中で避けては通ることができないのが「書くこと」です。
タブレットが普及して、ノートをタブレットで取っていくということもできなくはないですが、小学校・中学校では現実的ではありません。
私も、書くことを嫌がる子に出会ったことがあります。
「自分の考えをノートに書きましょう。」と言っても書くのが嫌なので、雑に文字を書いたり、そもそも書かなかったり。
そんな子にはどんな対応をしていくと良いのでしょうか?
事例1 なんとなく、書くのが嫌な子
ノートを書く場面になると、机に突っ伏して書きたがらない子がいました。
考えはもっているので、それをノートに書いて欲しいのですが、書きたがりません。
声かけをすれば、渋々書き始めるといった感じでした。
書く字の筆圧は弱く、ミミズがはったような感じの字を書きます。
事例1への対応
鉛筆の「持ち方」チェック、「環境」・「持ち物」チェック(環境調整)
筆圧が弱いのは、もしかたら鉛筆の持ち方がおかしいのかもしれません。
習字の教科書によく鉛筆の持ち方の写真が載っています。
そのページを開きながら、一緒に持ち方をチェックします。
次に書いている環境や、持ち物をチェックします。
例えば、濃い鉛筆の方が上手に書けるなら、Bの鉛筆ではなく、4Bなどの鉛筆を用意するようにします。
鉛筆の軸が細くて持ちにくい感じがしていたら、軸が太い鉛筆も売っています。
また、ノートに下敷きを入れて、そのツルツルとした感触が苦手で書けないという子もいます。
そうしたら、こんな下敷きもあります。
硬いプラスチックではなく、クッション性がある素材になっていて、ノートにはさむとざらざらした感じになって書きやすくなります。
こんな感じで、その子が書きやすい環境を整えてあげることを「環境調整」と言います。
手を変え、品を変えて、その子にあった環境を探していきます。
トライアンドエラーでやっていきましょう。
余談ですが、最近の子は全体的に筆圧が弱くなっている傾向にあるようです。
20年ほど前、私が小学生の頃、「筆箱の鉛筆」といえば、BかHBでしたが、今の子は2Bを持ってくるのが当たり前な感じです。
それだけ筆圧が弱くなったのでしょうか?
こちらの記事で一工夫されて使いやすくなった文房具を紹介しました。合わせてご覧ください。
少しずつ集中できる時間を長くできるように声かけをしよう。
集中が10分続くなら、それでまずはよしとします。
15分、20分と目標を立てて、少しずつ伸びていこうというふうにしていきましょう。
子どもが集中できる時間が増えてきたら、褒めて、どんどん後押しをしていきましょう。
今の現状を認めてあげて、さらにできるようにしていくのが大切だと思います。
事例2 ADHD傾向で書くのが苦手?
その子はADHDの診断を受けています。
授業中、ぼーっとしていることが多い。
活動前に声をかけたり、体を動かすような時間を設けるが、集中できるのは10分程度。
学力は、中の下ぐらい。
事例1のように、書くことが苦手ではなく、特性でぼーっとしてしまう感じの子への対応はどうすれば良いのでしょうか?
事例2への対応
「センサリーツール」を導入してみよう
事例1で、「文房具」を変えてみようということを書きました。
その子は、よく鉛筆のお尻の部分を噛んでいました。
その子は「噛むと落ち着く。」と言っていたので、やめさせてはいけないと考えました。
そこでこんな商品を買って、思う存分噛めるようにしました。
他にも、バランスボールに座って授業を受けるというのも一つです。
ぼーっとしてしまうので、その子に刺激を与えるようなツールを使って集中力を高めようという方法です。
こういうものをセンサリーツールと言います。
下にリンクを貼りました。こちらも読むと、色々なセンサリーツールがある事がわかります。
TOSSなどからもたくさん製品が出ていますよ。
その子が集中できるように色々試してみて、効果のあったものを選ばせて見ると変わってくるかもしれません。
こだわりが強い子で、センサリーツールがハマれば、集中力がぐんと増すでしょう。
見え方に問題があるかも
もしかしたら、見え方に問題があるかもしれません。
その子は、発音などは問題ないのですが、とにかく平仮名が歪んでしまう、鏡文字になる。
漢字の練習は何度もドリルをみては、一画一画丁寧に書くのに、違った字になってしまうという子がいたら要チェックです。
学校では、「視力検査(ランドルト環を使ってやっていますよね)」を実施していますが、あれは、遠くの小さいものがぼやけずに見れるかを確認する検査です。
それ以外のことは調べることはできません。
目から入って、像を作るときにうまくいかずに、見えにく位という場合は判定できないのです。
そういった場合は、「オプトメトリスト」という資格をもったメガネ屋さんや、病院にかかることをお勧めします。
さらに詳しく目の検査をしてくれるので、見え方が改善するかもしれません。
たとえば、見え方を改善するトレーニング(ビジョントレーニング)の方法や、ちょっと特殊なレンズの眼鏡を作ってくれるといったことをやってくれます。
こちらにもう少し詳しい説明があったので、リンクをご覧ください(富士メガネさんのHPです)
一度、「オプトメトリスト」と繋いでみるという手もあります。
簡易的に、こちらのアプリでも見え方測定ができます
親御さんに繋ぐ前に一度やってみると、客観性が増すと思います。
「読めてる?」読み書き障害をチェック
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医療機関と連携をとって
今回は、ADHDという診断がおりているので、お家の方と、子どもの気もちをよく聞いた腕、投薬という方法も取ることができます。
簡単に手を出しにくい場合もありますが、授業での様子を伝えながら、投薬する方法もあることを保護者に伝えることも一つの手です。
まとめ
今回は、書くことを嫌がる子への対応について書きました。
- 鉛筆の持ち方た持ち物をチェックして、書く環境を整えよう
- 少しずつ集中する時間が増すように声をかけよう
- センサリーツールを使ってみよう
- 見ることの専門家「オプトメトリスト」に相談をしてみよう
- 医療機関と連携を取って、投薬を考えてみよう
色々書きましたが、1回でバチっと当てはまることは少ないです。
基本はトライアンドエラー(しかもエラー多め)です。
いろんな角度からアプローチしてみて、幾つもの選択肢から手応えのあったものを引っ張り上げる。
そして組み合わせて、より良い学習経験になるように支援をしていきましょう。
他にもこんな記事を書いています。ぜひご覧ください。
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