2023年度日本数学教育学会 全国大会(青森大会)で発表した資料を載せます。
不登校生徒への支援ということで、計画を立ててみましたが、実は上手くいきませんでした。
前年度の研究を発展的に取り扱いました。
ぜひお気づきの点がありましたら、教えてください。
発表要旨
研究のねらいと課題
文科省より「やむを得ず学校に登校できない児童生徒等へのICTを活用した学習指導について」〔1〕の通知が発出された.
ここでは,オンデマンド動画などを組み合わせて学習指導をすることで,やむを得ず学校に登校できない児童生徒の学びを保障することが求められている.
本大会の基調発表〔2〕でも,学校へ登校が困難な生徒に対しての学習支援,学習環境の提供に関する研究・実践が求められている.
課題になるのは,不登校生徒と学習をどのように共有するかである.
Zoom等を用い,学校と同じ日課で同期型の授業を行うことが望ましいが,できない場合もある.
また,長期にわたって登校できていない場合,学習進度にも差がでてくる.
そのギャップを埋める方法を検討する必要がある.そこで,以前の研究を応用することで,上記の要請に応えられるのではないかと考えた.以下ではその構想について述べる.
抽出生徒の実態(略)
研究の構想
- 授業録画をクラウド上にアップロードし,オンデマンド配信を行う.
- 1・2年の授業録画を用意し,自分で学習を選択できるようにする.
- ICTを活用して,学習に対してのフィードバックを行う.
研究の実際
(1)オンデマンド配信の構想と流れ
①授業を教室後方から録画する.
②授業録画をクラウド(googleドライブ)上に保存する.
③生徒が授業録画にアクセスできるように,googleクラスルーム上に録画を貼り付ける.
④生徒は家庭から録画にアクセスし,録画を視聴しながら,授業と同じ流れで学習を進める.
⑤googleフォーム,gmail等を活用し,学習に対して,フィードバックを行う.
研究のまとめ
現在,該当生徒が授業録画を見られるように準備ができた段階である.現段階で想定される課題は以下の通りである.
- 生徒の学習評価をどうするか
- 録画の容量が大きく,全ての録画をクラウド上に保存しておくことができない。
実践の結果は,口頭発表にて報告する.
発表資料(PowerPoint)
※個人情報に関わる所は割愛しています
指導・講評より(あとがきにかえて)
- 授業を録画して公開したことは、子どもにとって新しい復習の方法であり、子どもの使ったという反応は嬉しい
- ある学校でも、質問があったときに、youtuberの動画を紹介している。授業録画を見れるのは、youtuberの動画と差別化をはかれてよい。知識注入ではなく、学びの過程を追うことができる。
- 不登校生徒のために授業録画を用意したのはいいが、本当にニーズがあったんだろうか?該当生徒と学習に対してどうするかしっかり話すべきではなかったか?
→なかなか該当生徒とコミュニケーションをとるのが難しかった。3月くらいに生徒に提案して、生徒は「それならみたい」ということだったが、結局一人で録画をみて勉強するということは難しかった。個別の学びを保障するのはなかなか難しい。
コロナショックから4年経ち、学校でもライブ授業やオンデマンド授業ができる環境も整ってきました。
体調不良の生徒だけでなく、不登校生徒まで視野を広げて、学びを保障できるように様々な方策がでてきました。
2年にわたる授業録画を使った研究は、一度これで区切りにしたいと思います。
ぜひお気づきの点がありましたら、ご意見ください。
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