最近、東京に行く機会がありました。
どこを観光しようかなと思って、ネット検索をしていました。
学校の修学旅行で、国会議事堂・スカイツリー・浅草は回ります。それ以外のところでどこかいいところはないか探しました。
友人からは、「八王子に行くといいよ!」と言われました。
東京の古いベッドタウンとして、今、廃墟が人気だそうです。「廃墟巡りしておいでよ!」と勧められました。
ちょっと心惹かれましたが、都心から1時間電車で揺られないといけません。
まだ廃墟を巡るほど、東京観光はしていないはず!もう少し都心で面白いところはないかと探しました。
そしたらありました。「王子駅」周辺です。
行ってみたら、大人も子どもも勉強できるいい街であることを知りました。
王子駅こそ、修学旅行・校外学習でも行くに値する地域です。
何が良かったかを紹介します。
王子駅はどこにある?

ChatGPTさんに聞いてみました。
王子駅は東京都北区王子一丁目にあります。
東京23区の北端に位置し、北区の中心的な駅です。
📍 王子駅の位置概要:
- 東京都北区王子1丁目
- JR京浜東北線・東京メトロ南北線・都電荒川線(東京さくらトラム)の3路線が交差する交通の要所です。
- 隣の区は 足立区・板橋区・文京区などで、埼玉県にも近い場所です。
🗺️ 地図で見ると:
王子駅は以下の場所にあります(Googleマップで「王子駅」と検索すれば出てきます):
- 北緯 35.7556度、東経 139.7364度
- 上野駅から京浜東北線で約10分
- 池袋からは南北線で約12分
王子駅(東京都北区)への電車でのアクセス方法は以下の3路線が利用可能です。
- JR京浜東北線:北口改札を出てすぐ。
- 東京メトロ南北線(N16):5番出口は「北とぴあ」に直結しています。
- 都電荒川線(東京さくらトラム):「王子駅前」停留場が最寄りで、JR王子駅北口から徒歩約1分です。
こんなにアクセスがいいのに、皆さん王子駅に何があるか知らないと思います。
実はここは隠れた学習スポットなのです。
博物館といえば上野だと思うでしょう。国立科学博物館、国立西洋美術館、上野動物園など、たくさんの博物館があります。
でも、王子駅も負けていません。
むしろ王子駅こそ、施設も新しくなって、大河ドラマで有名になった渋沢栄一に縁がある、文化的なスポットなのです。
私は、王子駅で1日過ごすことができました。何があるのか一緒に見ていきましょう。
博物館が豊富
王子駅から徒歩圏内に4つも博物館があります。
王子駅周辺には、印刷や紙、そして歴史に関する施設がいくつも集まっています。
🏛️ 王子駅周辺の主な施設一覧
1. お札と切手の博物館の概要
- 所在地:東京都北区王子1-6-1
- アクセス:
- JR京浜東北線「王子駅」中央口から徒歩約3分
- 東京メトロ南北線「王子駅」1番出口から徒歩約3分
- 都電荒川線「王子駅前」停留場から徒歩約3分
- 開館時間:9:30~17:00
- 休館日:月曜日(祝日の場合は翌平日)、年末年始、臨時休館日
- 入館料:無料
🖼️ 展示内容と特徴
- 1階展示室:
- 偽造防止技術の歴史を紹介
- 偽造防止技術の体験コーナー
- 「持てますか?1億円」などの体験展示
- 2階展示室:
- 歴代の日本のお札や切手の展示
- 世界の珍しいお札や切手の展示
- 国立印刷局が製造したパスポートや諸証券の紹介
この博物館では、実際にお札や切手の製造に携わる国立印刷局ならではの、貴重な資料や体験型展示を通じて、紙幣や切手の世界を深く学ぶことができます。
また、お金が飾ってあるので、それだけでテンションが上ります。
子どもから大人まで楽しめる内容となっており、教育的な観点からもおすすめのスポットです。
国立印刷局の隣にある博物館です。
入場は無料!もし学校で見学に行くなら、国立印刷局に申し込めば、印刷局内に入って、実際に印刷している様子を見学できるかもしれません。
嬉しかったのが、中で係員さんが、丁寧に案内をしてくれたことです。
実際に国立印刷局のOBの人が係として立っています。お金にまつわる展示の内容だけでなく、国立印刷局の裏話まで教えてもらえて大変勉強になりました。
係員さんが、以下の本もお勧めしてくれました。
帰ってきて読んだら、博物館に書いてあった内容が、こちらの本にも載っていました。
むしろ作者が、博物館を取材して、本に起こしたのではないでしょうか?
博物館の方には本に載っていた資料の実物があるので、本を読んでお金の博物館に行けば、勉強になること間違いなしです!

2. 紙の博物館
- 概要:紙の歴史や製造工程、文化について学べる日本有数の専門博物館。
- 展示内容:
- 紙の手すき体験
- 古代〜現代の紙文化史
- 紙の種類や利用方法
- 開館時間:10:00~17:00(月曜休館)
- 場所:飛鳥山公園内(王子駅南口から徒歩5分)
ここは、王子製紙が運営をしている紙の博物館です。
ところで王子製紙の創業者は誰か知っていますか?
そうです、新1万円札になった渋沢栄一です。
今でも生活になくてはならない「紙」。その作成工程を知ることができます。
紙漉き体験もできます。

3. 北区飛鳥山博物館
- 概要:北区の歴史・文化・自然を紹介する地域博物館。
- 特徴:
- 江戸時代の王子のにぎわい
- 北区の地形や自然、暮らしの変遷など。
ここは、北区王子駅周辺の縄文時代から今まで地学的な歴史的変遷を見ることができます。
貝塚の展示や、縄文時代の歴史の展示もあり、地理・歴史・地学の3分野の勉強ができます。

4. 渋沢史料館(しぶさわしりょうかん)
- 概要:日本資本主義の父「渋沢栄一」の業績を紹介する資料館。
- 施設構成:
- 旧渋沢邸「晩香廬(ばんこうろ)」
- 洋風書斎「青淵文庫(せいえんぶんこ)」
- 開館時間:10:00~17:00(月曜休館)
- 場所:紙の博物館のすぐ近く、飛鳥山公園内。
こちらは、リニューアルして、まだ数年という新しい建物でした。
渋沢栄一の功績をまとめられています。NHK大河ドラマ「青天を衝け」を見てから、こちらの資料館に行くと、さらに学びが深まるのではないでしょうか?
また、渋沢栄一が実際に暮らしていた建物の中も見ることができます。
お得な共通券
渋沢資料館、北区飛鳥山博物館、紙の博物館は隣接しています。
共通券が出ているので、こちらを購入するとお得です。
落語の舞台になっている王子

王子駅周辺は落語の舞台にもなっています。
王子の狐
「王子の狐」という落語の舞台になっています。
落語「王子の狐(おうじのきつね)」は、江戸時代から伝わる古典落語のひとつで、人間を化かそうとする狐と、それを逆手に取る人間のやりとりを描いた滑稽噺(こっけいばなし)です。以下に簡単なあらすじを紹介します。
あらすじ(概要):
王子稲荷(東京都北区王子)の狐は、昔から人を化かすことで有名だった。
ある男、王子稲荷に参詣した帰り道、一匹の狐が美女に化けるところを見かける。どうやらこれから人を化かそうという肚らしい。
そこで男、「ここはひとつ、化かされた振りをしてやれ」と、大胆にも狐に声をかけた。「お玉ちゃん、俺だよ、熊だ。よければ、そこの店で食事でも」と知り合いのふりをすると、「あら熊さん、お久しぶり」とカモを見付けたと思った狐も合わせてくる。
かくして近くの料理屋・扇屋に上がり込んだ二人、油揚げならぬ天ぷらやらお刺身などを注文し、差しつ差されつやっていると、狐のお玉ちゃんはすっかり酔いつぶれ、すやすやと眠ってしまった。そこで男、土産に卵焼きまで包ませ、「勘定は女が払う」と言い残すや、図々しい奴で狐を置いてさっさと帰ってしまう。
しばらくして、店の者に起こされたお玉ちゃん、男が帰ってしまったと聞いて驚いた。びっくりしたあまり、耳がピンと立ち、尻尾がにゅっと生える始末。正体露見に今度は店の者が驚いて狐を追いかけ回し、狐はほうほうの体で逃げ出した。
狐を化かした男、友人に吹聴するが「ひどいことをしたもんだ。狐は執念深いぞ」と脅かされ、青くなって翌日、王子まで詫びにやってくる。巣穴とおぼしきあたりで遊んでいた子狐に「昨日は悪いことをした。謝っといてくれ」と手土産を言付けた。
穴の中では痛い目にあった母狐がうんうん唸っている。子狐、「今、人間がきて、謝りながらこれを置いていった」と母狐に手土産を渡す。警戒しながら開けてみると、中身は美味そうなぼた餅。
子狐「母ちゃん、美味しそうだよ。食べてもいいかい?」
母狐「いけないよ!人間は騙すからね、馬の糞かもしれない!」
特徴・テーマ:
- 人間と狐の知恵比べが面白おかしく描かれている。
- 江戸時代の風俗や、庶民の暮らしぶり、言葉づかいが感じられる。
- オチには狐の驚きや失敗がユーモラスに描かれ、**「してやったり!」**の爽快感がある。
その舞台となる、「王子稲荷社」があるのも、王子駅周辺なのです。
浮世絵にもなっています。こちらは、先ほど紹介した、北区飛鳥山資料館にレプリカの展示があります。

さらに、落語の話に出てくる「料亭 扇屋」は、まだ営業をしています。卵焼きを買うこともできます。
お稲荷さんを参拝し、扇屋さんで卵焼きを食べて、江戸の情景に考えを馳せてみるのも、乙ではないでしょうか?
花見の仇討ち
落語「花見の仇討ち(はなみのあだうち)」は、**「仇討ち」という深刻なテーマを、のんびりした花見の風景と掛け合わせて笑いに変えた滑稽噺(こっけいばなし)**です。以下にあらすじを紹介します。
あらすじ(概要):
長屋に住む4人の男が花見の趣向として、仇討ちの仮装芝居を考えた。巡礼に身をやつして仇を求める兄弟が諸国を旅した末に、花見の会場で親の仇である浪人に遭遇する。
「いざ尋常に勝負勝負!」
「敵討ちとは片腹痛い、返り討ちにしてくれるわ!」
そこへ旅の六部が割って入り、兄弟と浪人を諭す。そして皆で酒を酌み交わしてお開き、という筋書きだった。花見の当日。六部役の男が旅姿になって会場に向かう折り、三味線を借りようと親戚の元を訪ねる。ところが六部姿の男を見た親戚は「親を捨てて旅に出るのか」と説教したうえ、無理に酒につき合わせる。もともと酒に弱い六部役の男は、そのまま酔い潰れて寝込んでしまった。
そんなことは知らない巡礼兄弟役と浪人役は、花見の会場で六部を待ちわびていたが、来る気配もない。3人は仕方なく「親の仇ぃ!」と叫んでなれ合いの斬り合い芝居を始める。そこへ通りがかった武士が本物の敵討ちと勘違いし、抜刀して助太刀を申し入れる。
驚いた3人は揃って逃げだす。「おかしな敵討ちですねぇ。敵と一緒に逃げ出すなんて」と見物人が呆れる中、それを追いかける武士は叫ぶ。
「勝負は五分五分だ、なぜ逃げる!」
「勝負は五分でも肝心の六部が参りません!」
春のある日。ある町内の男たちが集まって、花見に出かけようということになる。にぎやかに弁当や酒を持って、桜の名所へと繰り出す一行。
途中でちょっとした芝居でもやって、花見を盛り上げようという話になり、誰かが「仇討ちごっこをやろう」と言い出す。
配役を決めて、**「親の仇を討つ侍」と「仇役」**になりきってチャンバラごっこを始めるが、だんだんエスカレートしていき、芝居なのか本気なのか分からなくなっていく。
最初は見物人も笑っていたが、「仇だ!」「覚悟!」と真に迫ったやりとりに、周囲の客もだんだん心配になってくる。
挙句の果てには役人まで出てくる騒動に発展。「いや、これは芝居ですよ、冗談ですよ」と弁明するが、もう収拾がつかない――という、ドタバタの結末になる。
特徴・テーマ:
- 「仇討ち」というシリアスな題材を、花見ののどかさと組み合わせることで強いギャップが生まれ、笑いが生まれる。
- 江戸庶民の陽気さ、お祭り好きな気質がにじみ出ている。
- オチでは、「やりすぎたごっこ遊びが大騒動に発展する」というパターンで、喜劇的なドタバタが楽しめる。
この舞台が、「飛鳥山公園」です。
そうです、先ほど紹介した渋沢栄一資料館のある公園です。
話では、飛鳥山の頂上で話がくり広げられます。実際に行くと、桜も植っていて、花見の名勝になっています。
当時の状況が目に浮かぶようです。
最後に

今回は、王子駅周辺にいってみたら、すごく、学校で見に行くにはいいところだぞ!と思って紹介記事を書きました。
修学旅行で自由散策の時間があったら、言ってみるにはいかがでしょうか?
池袋からも近いので、王子で勉強をして、池袋で少し遊ぶというのもルートとして面白いと思います。
他にも面白いところがないか調べて見たところ、デイリーポータルZで記事を見つけました。
「夜の王子駅」も面白そうです。

こんなディープな街、王子に足を踏み入れてみませんか?
もし他にもおすすめスポットがあったら、教えてください!
感想も待っています。

社会科のアイデアもたまーに書いています。合わせてご覧ください。
参考文献・参考HP
参考文献
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