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【特別支援・立ち歩き・発達障害・授業妨害・対処】授業で立ち歩くのはどうして?授業ではどう指導すればいいの?

学級経営・生徒指導

授業中フラっと席を立ってしまう子ども、あなたのクラスにもいませんか?

テスト中、フラっと席を立って何となくぶらぶらし始める生徒をもったことがあります。

中1にもなってテスト中にふらふらするとは…と、当時は思いました。

「何でそんなことをするの?」と聞くと、「ヒマになったんでふらふらしちゃいました。」とのこと。

もちろんやってはいけないこととその生徒は分かっていました。

けれど立ち歩いてしまうんですね。

高校入試では、受験はつきもの。

受験当日にフラフラしては、それこそ0点にされてしまうので、ゆくゆくは直していきたいところですが、どうやって付き合っていけばよいのでしょうか?

今日は、そんな子が授業に集中できるための技を紹介したいと思います。

なんで立ち歩くのか、原因を見つけよう

発達障害だから…といってしまえばそれまで何ですが、立ち歩くのにもその子なりの原因があります。

いつ、どんな時に、立ち歩くのが多いのかを見極めることが大切です。

自分が見てきた事例だと、こんなことが考えられます。

学習面で原因がある場合

  • 苦手な学習になると、立ち歩く
  • 作業的な活動の時はよいが、聞くことが中心の学習になると立ち歩く

授業が始まってしばらくは座っているが、途中から立ち歩くという場合は、学習内容が理解できず、興味関心がもてないことが多いと考えられます。

冒頭に書いた生徒は、まさしくここに原因がありました。

小学校でもなかなか授業が受けられず、中学校の授業についていくことができなかったのです。

ここをどう解決したかは、あとで述べていきますね。

環境面に原因にある場合

例えば

  • 暑い日は飛び出しが多くなる
  • 他の子がざわざわしている時にトイレや水飲みに立つことが多い

暑い日や騒がしいなどの環境要因がある時は、感覚過敏であることも考えられます。

その子が学校で過ごしやすくなるように、教室の環境を整えることが大切です。

生活面で気になる場合

  • 着替えが遅い
  • 次の取り組みへの切り替えが難しい

こんな子は授業中、立ち歩くまでは行かないにしても、ぼーっとしていて、先生の話を聞いていないなんてこともあると思います。

練習をしたり、見通しをもたせることで改善ができるかもしれません。

子どもの様子を看取るときに大切なのは、問題行動の根本は目に見えないところにあるということです。

今回「立ち歩く」という問題行動について書いています。

立ち歩く背景には、学習面、環境面、生活面、いろんな原因が考えられることがわかっていただけたと思います。

そんな問題行動のモデルとして「氷山モデル」という考え方があります。

こちらに詳しく書きました。子どもの様子を見るときにぜひ頭の片隅に入れておいてください。

子どもが集中するための手立て

子どもが集中できるようになるためにも、いろいろな手立てがあります。

学習内容を理解するための手立て

  • 言葉での指示は短く、わかりやすくする。
  • 場面によっては、絵や写真など活用し、視覚支援をする。
  • 各自の取り組みの時間を使って、A君に向けて具体的に課題を示したり、問題の量を減らしたり、個別の支援をする。たとえば、板書を全部写させず、赤の囲みのところだけを書かせる。
  • 書くことが苦手な場合はコピーを貼る、板書をデジカメで撮り、それを貼るなど、書くことの抵抗を減らす。

生活面・環境面を支援するための手立て

学級規律をしっかりしよう

  • 水飲み等で本人なりに調整している場合もあるが、その場合は自由に行かせず、「水飲みに行きます」と担任に報告してから行くなどのルールをつくる。

生活面のやりにくさを改善する作戦を立てよう。

  • 着替えなどのやりにくさは家庭にも協力をお願いし、練習をしてもらう。
  • 場面の切り替えの難しさは、前もって「次はこれをするよ」と予定を繰り返し告げ、見通しをもたせる。

ほめて意欲を高めよう。

  • 席に着くことができた時には、ほめるなどプラスの評価をすることで、学習に向かうきっかけをつくる。

子どもが勉強しやすい環境を意図的につくるのがプロの技

今までは、基本的なことを書きました。

ただ、立ち歩いてしまうのを制限するのは子供にとってつらいことです。

立ち歩いてしまう子どもというのは「勉強したいんだけど、分からない、どーしよう」、「気温が高くていやだな、リフレッシュしたいなぁ」といてもたってもいられなくなって立ち歩いてしまうからです。

授業内で立ったり座ったり動く動作をあえて入れてしまうのです。

具体的な活動はこんな感じです。

国語 音読の時間を使って

例えば、国語では、こんな活動が考えられます。

授業最初の音読で「みんなで1段落目を音読します。1回目は立って読みましょう。2回目は隣の友達と1文1文交代で読みましょう。3回目以降は座って読みましょう。全員座ったら授業を進めていきます」

と指示をだします。

これだけで、立って読む。友達と読む。という動きのある活動ができますね。

数学 学びあいの時間を使って

中学校の数学の時間で、こんな活動をしています。

「○○さんの考え、分かりましたか?全員立ちます。○○さんの考えを隣の子と話し合って、分かった子から座りましょう。」

これで、授業中に立つ機会を1回作ることができました。

立った時に、伸びしてから、話し合う生徒の姿も見られます。

普通の子でもじっと座って問題と向き合うのは難しいことです。

だからこそ、こういう機会を作ってあげることで、生徒がリフレッシュすることができます。

もし意見を聞いていなかったとしても、友達に説明してもらったり、座った後にもう一度説明聞けたりするタイミングができるので、集中力が増していきます。

問題演習でのテクニック

授業の最後や、単元の最後に問題集を解く時間をとる先生もいると思います。

その時間も、「できた子から、先生の所に持っておいで」とすることで、1回席を立つ機会を作ることができます。

ただ、この方法は、できる子からどんどん持ってくるので、できない子は座りっぱなしになってしまうこともあります。

そこで、3分しても鉛筆が進まない子を「一緒に1問考えよう」と前の黒板に集めて、解法や考える方向性を確認するといったことをします。

この2つを組み合わせれば、問題演習の時間でも席を立つ機会を作ることができますね。

技術・図工・体育では聞かせる

ただ、危険が伴う活動がある教科がありますね。

図工や技術、体育などは活動が多く子どもも積極的に活動して、目的もなく立ち歩くなんてことは少ないと思います。

ただ、話を聞いてないと大怪我の元。

聞かせなければならないところは、座らせて、先生の方を向かせてきっちり話をしましょう。

長くはなりすぎないようにだけ注意です。

まとめ

今日は、授業中に立ち歩いてしまう子の原因について考え、それに対する手立てを考えました。

学習面、環境面、生活面などの支援を考えるとともに、「あえて立ってもいい場面を作る」ことで集中力を持続できると思います。

先生方の授業スタイルに合わせて、子どもが集中力を持続できるような場面を作って、立ち歩きが減るとよいですね。

スーさん
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