投影図に限らず、図形単元では図をかくということが度々あります。(見取り図とか)
そこで、よく実物の模型を教卓に置いて、正面からみた図と、真上からみた図をかかせます。
ここで問題になってくるのが、子どもの机から教卓にある模型まで、遠かったり、近かったり、距離がバラバラ。また、机の位置が正面から見ることができず、図をかくことが出来ない子どもがでてきます。
もちろん、想像してかくのが数学です。
1人ひとつ実物を渡せるといいのですが、そこまで教具も用意できません。
そこで、ICTを使ってこんな支援の仕方を考えました。
準備物
- 電子黒板(モニター)
- 電子黒板と繋げられるビデオカメラ
- HDMIケーブル
(私はAppleTVが電子黒板に繋がっていたため、カメラはiPadを利用しました)
ビデオカメラがなかったら、普通のカメラで代用しましょう。
子どもの引っかかり
ご存知の通り、投影図は、真上から見た図(平面図)と、真正面からみた図(立面図)を合わせてかいた図のことです。
子どもが何につまづいていたかというと、「真正面」という言葉です。
普段、子どもが「真正面」という言葉をどこで聞くでしょうか。
あまり「真正面」という言葉は使わずに「正面」は使うことが多いと思います。
「ボールを正面で取りましょう。」
とか
「トイレは玄関正面にあります。」
といったところでしょうか。
この時の「正面」の意味は、
「(ボールに対して)体をむけて」とか「まっすぐ」という意味でしょう。
ちなみにGoogle先生に「正面」の意味を聞くと、
- 物の前の面。建築物などの表の側。おもて。「―から出入りする」「―玄関」
- 正しく向き合っている方向。まっすぐ前。「―を向く」「―に見える建物」
- 物事にまともに対すること。避けたりしないで、直接立ち向かうこと。「問題に―から取り組む」
(以下特殊な使い方なので略)
という意味だそうです。
対して「真正面」の意味は、
- まっすぐ正面を向いていること。また、その方向。まっしょうめん。「―に山が見える」
- 物事にまともに相対すること。まっしょうめん。「難問に―から取り組む
という意味になります。
ただ、数学における投影図における、「真正面」は、さらに意味が付加されます。
それは、「『側面や上面が見えないような位置から』まっすぐみた図」が、真正面になります。
僕のもった子の中で、正面は、斜め上から見てもよいのでは?と引っかかっていて図をかけない子がいました。
また、円柱になると立面図の長方形の上の辺と下の辺は円にそって曲線にするのでは?と勘違いしている子どももいました。
そこで、カメラと電子黒板の出番です。
支援の方法
真正面とは
「『側面や上面が見えないような位置から』まっすぐみた図」
と、子どもに説明した上で、教卓にある立体を、真正面に映せるよう、ビデオカメラを生徒に移動させます。
そのなかで、友達から
「上の面が見えてるよ、もっとカメラ下げて」
とか、
「側面も上面も見えてないよ、バッチリ!」
という言葉が出てきます。
そうすれば、どの位置からみれば真正面かわかり、子どもは、図にかけるようになります。
平面図も同様です。
電子黒板なら、そのままカメラを固定して、電子黒板上にどの辺を、図にかくのか、書き込むんで見ると良いです。
先程の円柱の立面図は長方形になることがよく分かります。
ここでのメリットは、カメラを通して、クラスみんなが同じ見え方を共有できることです。
今までのように、それぞれの子が自分の席からみた図とは違います。
だから一斉指導も楽になります。
まとめ
これってほかの場面でも応用できる気がします。
アイデアあったらぜひ教えてください!
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