サンキュータツオさんの本が面白くて、はまっています。

そこで、次に読んだ本が、「学校では教えてくれない!国語辞典の選び方」です。
小学校では、3年生で国語辞典の引き方を勉強します。
久しぶりに小学校で働くことになったので、読んでおくかーと教材研究です(というか趣味です)。
ゆる言語学ラジオでも、国語辞典を紹介する回がありました。
これを聞いて国語辞典は奥深いんだということはなんとなく知っていましたが、この本を読んでさらに辞典の奥深さに気づきました。
辞典は沼です。
沼。
この本というか、国語辞典の沼ポイントを紹介します。
国語辞典は生き物である

皆さんは国語辞典というと、学校の図書館にあったなぁと遠い記憶にあり、今はあまり辞典を開いていないという人も多いのではないでしょうか。
自分の思い出は、小学校の国語。新しい物語を読み始めると、必ず最初に「意味調べ」と先生が言うから、意味のわからなかった単語をノートに書いて、辞書を引くなんてことをしていました。
実際に、2011年ごろから、「辞書引き学習」という実践が大きな流行となりました。
辞典で引いた単語に付箋を貼るという実践です。
どんどん辞典に付箋が貼られていくので、辞典への興味が持続しやすいという教育実践です。
収集癖がある子どもなら、好きになりそうですよね。
付箋を貼ることで、どれだけ自分が辞典を使ってきたかが見える化されるので、やる気が高まるという理念でやっています。
ただ、教科書でも、この実践でも、辞典を複数読んで、言葉の意味を読み深めるなんてことはやっていません。
サンキュータツオさんは、「辞典を複数引くと、より言葉への理解が深まりますよ。」と言っているのです。
辞典の一つ一つの単語。
この注釈を書くのは人間なのです。
人間が書く以上、個性が出るのは当たり前なのです。
それを読み比べて楽しんでいるのが、サンキュータツオさん。本にまでしてしまいました。
本では、こんな例が示されていました。
【岩波国語辞典】
美しい:
目・耳・心にうっとりさせる感じで訴えてくる【新明解国語辞典】
美しい:
いつまでも見て(聞いて)いたいと思うほどの色・形や声・音などが、接する人に快く感じられる様子。
これだけ辞典によって違うんですよ。
岩波は、あっさり。
新明解になると、「いつまでもみていたい」と思うほどのものが「美しい」なんです。
ここまで書きっぷりに違いがあるのです。
中学生になると、エッチな単語を辞書で引いてはニヤニヤする男子、いませんでしたか?
一つの辞書でニヤニヤするのです。
複数の辞書を読み比べたら、さらにドキドキしてしまうでしょう!
そうやって、一つの辞書ではなく、複数の辞書で、多角的に言葉の意味に迫っていく。
辞書を使っての勉強はこんなやり方もあるのです。
推しの辞典を見つけるために

辞典の一つ一つの違いを見るためには、中身を見ても語数が多すぎて、分かりにくいです。
辞典のカラーを見つけるためには、序文を読んでみましょう。
編集方針が載っています。
岩波国語辞典だったら、「この辞書が視野に収めるのは過去百年の(一時的流行ではない)言葉の群れである。それゆえごく最近の新語・俗用にはかなり保守的な態度をとる」と書いてあります。
新明解国語辞典だったら、「辞書が、文字習得・確認のためという より低い目的を超え 言語内省のための鑑の域にまで進み、以って より高い社会的評価を克ち得るためには何ほどかの相違を持つことが重要」というように書かれています。
その編集方針を読んで、びびっと来た辞典を買うといいのです。(今回紹介した本を読めば、それぞれの辞典の努力のベクトルが細かく書かれているので、より解像度が上がります。)
最後に

世の中には、辞典を通読する強者もいます。
でも、知らない単語に出会ったり、知っている単語でも、自分の意識していないところまでの意味が書いてあったり、辞典は宝の山なのです。
それを垣間見れるだけでも1冊の辞典を隅から隅まで読むのはとても貴重な体験になります。
そんな熱い思いを載せながら、小学校3年生で辞典の単元で授業をすると、子どもたちに伝わるものがあるかも知れません。
まぁ、ポカーンとされるかもしれませんが(笑)。
是非、教材研究の一助としてどうぞ。
続刊として「国語辞典を食べ歩く」も出ています。
こちらは、実際に著者が気になった単語を複数の辞典で語釈を読み比べ、その面白さを存分に書いています。
紹介されているのは、「おでん」だったり、「ボルシチ」だったり。。。
「学校では教えてくれない!国語辞典の選び方」を読んだ後、「国語辞典を食べ歩く」を読むと、さらに理解が深まりますよ!
英語のオックスフォード英英辞典を作るのにも熱いドラマがあったとかなかったとか。
読んでみたいなぁ。。。
辞書の小説といえば、三浦しをんさんの舟を編むも有名です(覚えているということは、面白かったのでしょう。)
サンキュータツオさんの本では、高田ひろし先生の「言葉の海へ」が紹介されていました。
次の課題図書にします!




コメント