以前、「休み方」について考えました。
そこでは、休むとは、単に寝たり食べたりして、体力を回復するだけでなく、旅行や運動など、体を動かしたり、趣味に没頭したりすることで、活力を得ることが大事だということでした。
休み方は大事ですが、そもそも疲れないように行動することも大切です。
「疲労学 毎日がんばるあなたのための」の本に、そのヒントがありました。
今日は、この本で学んだことをまとめて、さらに生き生きと人生を送るためのヒントを考えてみたいと思います。
そもそも疲れないような行動が大事

運動して、体力をつける。
これはとても大切なことです。
体力がつけば、体が強くなり、休みでも元気よく動くことができます。
ただ、最近は肉体がつかれるよりも、精神的に疲れることのほうが多くなってきました。
特にコロナ禍以降顕著になったと思います。
自分の仕事を思い返してみてください。
例えば、営業周り。
今までは、会社に行って営業をかけていました。
移動があるので、1日2件や3件がせいぜいでした。
ただ、パソコンでオンラインミーティングができるようになったので、移動時間が必要なくなりました。
詰めようと思えば、1日6件、7件ミーティングが可能です。
机の前に座っているだけなので、体力は使いませんが、精神的には疲れるようになりました。
うちの奥さんも、完全在宅勤務をしています。
チームの会議はすべてオンラインです。
だから、「1日PCの前で話していたよー」と良く言っています。
そのあと、「疲れたー」と寝てしまうので、体力はほとんど使っていないのですが、頭や気は使っているんだなということを感じます。
さらに昭和を考えると、移動も歩いたり、自転車だったり、圧倒的に体を使っていたはずです。
その時代は、体を使って心地よい疲労感を持てたかもしれませんが、今の疲れとはずいぶんちがいますね。
だからこそ、疲れにくい働き方、行動が大切になります。
疲労の原因は「ストレス」

では、肉体疲労が疲れの原因ではない現代において、何が疲れの原因になるのでしょう?
それは、ストレスです。
先ほど妻の話をしましたが、会議をして気を遣う=ストレスをかけているといえますね。
ストレスは精神的なものだけではありません。
最近は寒暖差が激しく、疲れやすかったり、病気になりやすかったりします。
これもストレスとみることができます。
日本医師会によると、ストレスの原因をストレッサーといい5つの分類で分けられています。
物理的ストレッサー:暑さ、寒さ、気圧差、騒音、混雑、光、振動など
化学的ストレッサー:公害、薬物、化学物質、香辛料、汗など
心理的ストレッサー:不安、緊張、怒り、悲観など
生物学的ストレッサー:最近、感染、ダニ、アレルギー物質など
社会的ストレッサー:家族関係、友人関係、人間関係など
ー片野秀樹「疲労学 毎日がんばるあなたのための」.P79
妻の会議の話だったら、心理的ストレッサーですよね。
最近の寒暖差の話だったら、物理的ストレッサーになります。
分類してみると、これだけストレッサーがあると、0にすることができないことがわかります。
ストレッサーをどう軽減していくかが大切になるのです。
軽減していく合言葉は「DRICS」です。
Distance:ストレッサーから距離を取る
Reset:ストレッサーをいったん0に近づける
Interest:ストレッサーを興味に変換する
Control:ストレッサーを自分の支配下に置く
Space:ストレッサーに余白を作る
ー片野秀樹「疲労学 毎日がんばるあなたのための」.P81
一つずつ説明をしていきます。
Distance:ストレッサーから距離を取る
さて、ストレッサーを軽減する方法。
まずは距離を取ることです。
例えば、気温差だったら、厚着をする。エアコンをつける
まぶしかったら、サングラスをかける。
聴覚過敏の人は、ノイズキャンセラーのイヤホンをつけることで、ストレッサーから距離を取ることができます。
また、人間関係も同様で、一緒にいるとストレスになる人と付き合う場面も出てきます。
必要なことは丁寧に行いつつ、心的距離をあけるという方法があります。
以下の記事でも、取り上げていますので併せてごらんください。
Reset:ストレッサーをいったん0に近づける
よくあるのが、手洗い、シャワー、入浴です。
これをやるとすっきりしますよね。
汗などの化学物質をリセットできるからです。
こうやって、不快なものを落とす、打ち消すという考えです。
歯磨きなども有効です。
人間関係のResetというと、引っ越しや仕事をやめるということになりますが、これはお金や手間などかかります。
ほかの方法を試したうえで、うまくいかない場合の最終手段として考えましょう。
Interest:ストレッサーを興味に変換する
上記の2つに対して、ちょっとこれはピンと来ないかもしれません。
例えば、掃除が苦手なら、ルンバを買って、掃除を楽にする、マンネリ化しないようにする。
散歩とかだったら、違う道を歩いてみる。
ようは、マンネリや嫌なことに対して、変化を加えることで興味が出るようにすることです。
勉強が嫌になるようだったら、クイズを自分で作ってみるという方法もあります。
Control:ストレッサーを自分の支配下に置く
自分でコントロールできないと、嫌になります。
例えば仕事が無限にふってくる。ストレスや疲労がたまり、過労になる。
なんてこともあります。
そこで、仕事を断り自分のできる量に制限するという、介入していくという方法があります。
また、仕事などには、締め切りがつきものです。
締め切りが近づいてくるとキリキリしますよね。
そこで、締め切りを自分で(早めに)設定するのも一つの方法です。
締め切りを前倒しで自分で決めて、それまでに仕事を行う。
これも達成感につながります。
もしできなくても、締め切り前なので余裕があります。
準備は成功の父であり、良質なストレス対策になるのです。
Space:ストレッサーに余白を作る
最近はプライベートでも、仕事が入ってきます。
例えば、仕事用のスマホを持つようになりました。
有給を取っていても、電話がかかってきます。
チャットやメールもあるので、四六時中連絡が舞い込んできます。
すぐ返事をしなきゃと日本人は思ってしまいがちです。
そこで、メールは1日2回しか見ない。
休みの時は、電話に出ないという風に余白を作ることも大切です。
もちろん、企業風土もあるので、よくよく確認してから、余白を取るといいと思います。
ストレスの棚卸し

さて、日々試行錯誤をして、ストレスの軽減に努めるのですが、1年のうち、どこかでストレスとの付き合い方を振り返って考えてみるのが大事です。
今年は花粉症つらかったなーとか、人間関係でこんなことが大変だったな。
このように出来事を振り返りましょう。
そして、ストレス対策したこと振り返り、次はどうしてみようかと考えることで、よりストレスがかからない生活に変えることができます。
常に試行錯誤が大事なのです。
最後に

今回は、疲れにくい体、習慣をつくろうというテーマで、まとめてきました。
Distance:ストレッサーから距離を取る
Reset:ストレッサーをいったん0に近づける
Interest:ストレッサーを興味に変換する
Control:ストレッサーを自分の支配下に置く
Space:ストレッサーに余白を作る
略してDRICS(ドリックス)がポイントでした。
そして、1年に1度振り返ることで、より自分の今のストレスについて考え、改善できる機会ができるのかな、なんて思います。

片野秀樹さんの本を参考にした記事はほかにもあります。併せてごらんください。






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