毎年研究授業で、指導案を書いて授業をする先生も多いと思います。
ただ、学校や指導する人によって形式が違うこともあると思います。
また、教科によっても書き方が変わります。
今日は、今まで私が指導を受けてきた中で、こうすれば子どもの様子がよく分かると思ったことを、単まとめます。
ぜひお気づきの点があれば、ご意見ください。
指導案の1枚目 生徒(児童)観・教材観・指導観のかき方はこちらをご覧ください。
教育論文を書くときに、指導案とリンクさせると、どちらにも説得力が増します。
こちらもよろしかったらご覧ください。
単元構想って何のために書くんだろう?
単元構想って何のために書くと思いますか?
そのためには、単元構想の要素を知らなければなりません。
単元構想の要素
だいたいA4 1枚にまとめることが多い気がします。
要素として、
- 各時間における課題
- 各時間における生徒の考え
- 各時間における教師支援
の3つを書きます。
単元構想の意味
単元構想に3つの要素を載せることにどんな意味があるのでしょうか。
2つの視点から考えてみます。
授業者目線
授業者目線で単元構想を書く意味を考えてみましょう。
単元構想を書く意味は、「自分が単元をどうデザインしているか、整とんするため」です。
単元には指導目標があります。
目標を達成するために、最初に、生徒に教材をどのように教材を提示するか。
中盤で、どのような展開で、学習事項を積み上げていくか。
終盤、どのように単元をまとめていくかを構想していきます。
単元全体の流れがおかしくないか、生徒が思考するうえで飛躍がないか、授業者目線でチェックすることができます。
これは、
- 各時間における課題
- 各時間における生徒の考え
を書くこととリンクしてきますね。
そして、
- 各時間における教師支援
を書くのは、指導観で書いたことを、単元の中でどのように組み込むかを明示していくために書きます。
単元構想で、具体的な支援の方法を書いていくのです。
さらには、単元を通して貫く支援方法を書けると、一貫した教師側の支援を明示することができます。
参観者目線
参観者としては、どのように指導案を見ていくのでしょうか。
参観者は、研究授業当日1時間の授業を観るだけです。
今までの授業を観ることができないので、生徒は今どんな学習をしてきたのか、どんな力がついているのかが分かりません。
そこで、単元構想を見ることで、今までの授業の足跡が分かり、研究授業当日、授業者がどんなねらいをもって、授業をしてきたかがより鮮明になるのです。
より具体的に、授業者の授業への思いを伝えるために「単元構想」を書くということになります。
以前、筑波大学附属小学校の研究授業を観させてもらいました。
単元構想は、A4 4分の1程度しか書いていなかった場合もあります。
数学の専門の先生なら、どんな学習をしていて、今日はどのぐらいの進度かというのが分かるので、単元構想は少なくてもいいかもしれません。
しかし、様々な教科の先生に見てもらう指導案だったら、専門の先生以外が授業を観てもらうことも多いでしょう。
どの先生でも、単元の流れが分かるように単元構想を書く必要が出てきます。
単元構想の修正前と修正後
百聞は一見に如かず。
恥ずかしながら、私が以前書いた単元構想の「修正」前と、指導を受けて「修正したもの」を載せてみます。
どういうふうに変わったか、どうして変わったか、ぜひ考えてみて下さい。
単元は中学校1年生の「変化と対応(比例・反比例)」の分野です。
※ちなみに、指導を受けたこと全てを改善できませんでした。そこは、優しい目で見てください。
修正前
0629単元構想(変化と対応)修正後
【最終稿】単元構想(変化と対応)指導を受けたこと
- 課題は、教師の一方的な提供ではない。生徒が「○○したい」と思えるように、仕掛けをしていくことが必要
ー今回は授業の最初に「ブラックボックス」という課題を提示した。
―また、最初の課題が、単元に影響を及ぼすようにするとなおよい。
ー今回は、ブラックボックスで出てくる式を$y=2x$ , $y=6/x$ , $y=2x+3$ , $y=x^2$ として、本単元で扱う内容や、2年、3年で扱う内容もいれて、生徒の興味を引き出そうとしました。
- 目の前にいる生徒の、追究の見通しを具現化していくこと。
―教師の都合で付き柄次へと進んでいくのではなく、生徒の意識(生徒の思考)がつながるように、学習を構想する。
―生徒の思考が分かるように、各自の「生徒の思考」の最後の太字部分とした。
- 教師支援について、教師の意図を明確にするために「○○するために、××する」、「△△することで、○○ようにする」と書く。
ー○○は意図、△△は手だてとなる
―指導観と関わらせながら、支援を書けると良い。
最後に
今回は、指導案における単元構想の書き方を書いてみました。
- 単元の流れを整理するために書く
- 参観者に、授業者の思いを伝えるために書く
ことを意識していきます。
そのなかで、より詳しく参観者に伝わるポイントをいくつか書きました。
ぜひ、お気づきの点はご意見をいただければと思います。
よろしくお願いします。
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