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「ロールモデルがいない君へ」を読んで感じた、公立中学の外国籍児童生徒のリアル ー「ロールモデルがいない君へ 6ヵ国育ちのナージャが聞くルーツが異なる12人の物語」(キリーロバ・ナージャ)を読んでー

読書

「ロールモデル」というタイトルを見て、最初は「キャリアに関する本なのかな?」と思って読み進めてみたら、良い意味で裏切られました。

この本は、様々な国にルーツを持つ人たちが、日本や海外で生きていく中で直面した苦悩や葛藤を描いた一冊です。

読みながら、私はこれまでに自分が担任してきた外国籍の子どもたちのことを思い出していました。今回は、彼らの姿を振り返りつつ、本書を読んで感じた「違和感」をメモとして残しておきたいと思います。

この本に書いてある悩みって、どこでもありそうだけれど……。

本書で語られている「日本人なのに日本人じゃないと言われる」「見た目だけで判断される」といった悩みは、日本以外の国にルーツを持つ人なら、確かに一度は直面するテーマなのだと思います。

これとは逆に、「日本人の見た目をしているからこそイギリスで苦労した」という経験を描いた、ブレイディみかこさんの『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』という本もありました。

ただ、本書を読み進めるうちに、私はある強烈な「違和感」を抱くようになりました。もちろん仕方のないことなのですが、ここに登場する12人は、一般的には「社会的に成功した大人たち」なのです。

ぜひ学校にいる「普通の外国籍の生徒」に視点を当ててほしい

本書に出てくるみなさんは、高学歴で、実家も裕福。海外留学を経験したり、様々な国で暮らしたりした経験を持つ人たちばかりです。

しかし、私がこれまでに担任してきた外国籍の子どもたちの中に、そのような恵まれた環境にいる子はほとんどいませんでした。公立校に通い、親御さんも日本語が堪能なわけではなく、出稼ぎで日本に来られたケースが大半です。家庭環境も決して裕福ではありません。日々の生活に追われ、学校や教育への関心にまで手が回らない(そんな余裕がない)ことも多く、「今日も学校に来てくれただけで奇跡」と思うことすらありました。

そうした環境にいる子どもたちは、とにかく「今を生きるのに必死」です。「自分のロールモデルが……」などと悩む暇すらありません。そう考えると、本書で語られている「ロールモデルがいない」という悩みは、ある種とても高次(贅沢)な悩みのようにも思えてしまうのです。

外国籍の児童・生徒たちは、家では母国語、学校や日常生活では日本語を使っています。しかし、どちらの言語も一定のレベルに達しないまま、どちらも拙い状態になってしまう「ダブル・リミテッド(年少者日本語教育における課題)」の状態に陥ることが少なくありません。

言葉を抽象的に捉えることが難しいため、いくら勉強を頑張っても、なかなか学力が身につかないという悪循環も起こりやすくなります。

本当に焦点を当て、救い上げるべきなのは、こうした「日々の生活や学習で、人知れず苦しんでいる子どもたち」ではないでしょうか。どうにかして彼らをサポートする方法はないものかと、強く感じます。

私たちはついつい「成功した人」の経験談や感想に耳を傾けたくなりますが、成功者の話は再現性が低いことが多いものです。それよりも、どこでつまずいたのかという「失敗の事例」を知り、「どうすればそれを回避できるか」を考える方が、ボトムアップ(最低限の底上げ)には重要なはずです。

最後に

近年、外国人労働者の受け入れ拡大に伴い、日本の外国人児童生徒数は過去最多を更新し続けています。

私たち教員は、日々そうした子どもたちを受け入れ、指導しています。「日本に染まれ」とは決して思いません。しかし、「社会に出て生きていくために必要な知識や学力は、何としてでもつけてあげたい」。そう願って奮闘している先生方がほとんどだと思います。私もその一人です。

そんな私が、本書のインタビューの中で、どうしても引っかかって頭から離れない一文がありました。

それは「先生のおせっかいで、私は勉強できるようになった。」という一文です。

教員の情熱は「おせっかい」に見えるのでしょうか。それとも、これは心からの感謝を込めて、あえて「おせっかい」と表現したのでしょうか。

少しモヤッとしました。ただこの「一歩踏み込んだおせっかいさ」こそが、日本の教育の質を高い水準で保てている理由なのかもしれません。

みなさんの周りでは、外国籍の子どもたちの指導やエピソードで悩んでいることはありますか?現場でのアプローチや感じていることなど、ぜひコメント欄で教えてください!

スーさん
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外国や、アイデンティティについて考えさせる本もいくつも読みました。合わせてご覧ください。

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参考文献

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