このブログでも、何度も紹介しているPodcast番組「誰も知らないビジネスの作り方」。
今回、無理を言って「医院の中を見せてください!」とアポを取ってみたら、快諾してくれました。
こんな、どこの馬の骨かわからない人間を、招き入れてくださりありがとうございます。
社長の櫻堂さんの思いの詰まった医院を今回見学させていただきました。
今日はセルフ透析を日本で推し進めるクリニック Oasis Medicalの紹介をします。

自分の人生と人工透析の関わり
私は、人工透析患者ではありません。
ただ、知人のパートナーが腎臓が弱く、透析を受けているということを聞いたことがありました。
また、自分の住んでいる街(とても小さな町ですが)にも、人工透析をやっている病院があって、透析のために患者さんの家まで送り迎えをするということを知っていました(実際に送迎車も見たことがありました)。
こんな小さな町にも人工透析の大きな病院があるから、患者さんにとって生きるには欠かせないものなんだろう。くらいに思っていました。
でも、櫻堂さんのPodcastで、人工透析の現場はそんな軽いものではないということを知ります。
人工透析は、大体、1回4時間×週3回受けなければいけないそうです。
そうなってくると、病院がやっているのは基本平日。夜も遅くは対応してくれません。
平日に就業している人だったら、就業時間の3分の1は透析を受けていてで仕事できないわけです。
そんな人を雇ってくれる事業所ってあるのでしょうか?
それだけではありません。
透析を受けている間は、透析患者のベッドが敷き詰められている病室で寝たまま過ごさなければならないと聞きます。
そんなの、生きるのしんどいじゃん!って思うわけです。
そんななか、自分で透析をすることができる病院を経営しているとPodcastで聞いて、「すごい!ぜひ見せてもらいたい」と思って、今回、訪問するアポを取りました。
今回行った「Oasis medical」へのアクセス
場所は、山手線 田端駅の北口改札を出て、左に曲がったすぐのビル。
NSKビルというそうです。
看板はこんな感じ。「田端駅前クリニック」と書いてあります。

入口には看板もあって、すぐ場所がわかりました。

このビルの3Fが、セルフ透析の病院です。
Oasis medicalはとってもきれい
院内に入ると、きれいなホテルのロビーのようです。
とてもシックで落ち着いた雰囲気の医院でした。
実際に透析を受けるところですが、こんな感じでセットが揃っています。

上記の写真は、個室エリアです、ここでビデオ会議をしたり、仕事をするそうです。
ただ、個室なので、別途、個室料金がかかります。
普通は、パーテーションで仕切られている場所で透析を受けます。
他との患者さんとの距離が気になるかもしれませんが、個室と同じように、ふかふかの椅子や、テーブルは用意されているので、仕事でも読書でも、寝ていても、快適に透析を受けることができます。
イメージとしては、漫画喫茶の個室をもっと広々と使える感じです。
それないら安心ですね。
実際に透析をしながら、パソコンを開いて、仕事をしている方もいらっしゃいました。(朝8時なのに!)
実際に透析を受けるときは、まず、スマホで予約を取ります。
予約をした時間に行くと、看護師さんが、透析に必要な材料を準備してくれています。
そして、予約した座席について、自分で機器を操作し、透析を開始するというものでした。
看護師さんや医師が常駐していて、困ったときや、機器のエラーがでたときは対応してくれるということですが、(看護師が準備しなければならないキット以外は)基本はすべて自分でやることがこの医院の方針です。
こんな感じで、自分で用意しなければならないものは、自分で持って行くスタイルになっています。


毛布とかもあり、さながら、飛行機のファーストクラスのようです。
自分で透析をするのが心配という方も大丈夫。
できるまで、看護師さんが徹底的に使い方を教えてくれるのが安心です。
覚えきるまで大体1ヶ月ほど。
80代の方でも3ヶ月教えてもらって、すべて自分でできるようになったということでした。
エラーが出ても自分で対応できるまで、練習をしていきます。
自分で針を入れるのは怖いという方もいるかも知れません。
利用者さんの中には、自分のタイミングで針などをつけられるので、看護師さんにつけてもらうよりも、痛くないという方もいるそうです。
仕事帰りも楽ちん
病院には更衣スペースもあります。
スーツから、普段着に着替える方はもちろん、普段着で来て、透析をしてから、そのまま出張で空港へ向かうひともいるとか。
そんな活力をあたえてくれる医院にもなっているそうです。

(ぶれちゃいました)

まさに透析患者のオアシスですね。
なんでセルフでやるの?
実は、「1回4時間×週3回」は国で定められた保険請求の範囲らしいのですが、体のことを思えば、全然足りないそうです。
よく考えればそうですよね。
腎臓は、血液中の毒素を濾し取ってくれる器官です。
普通なら、24時間腎臓が頑張ってくれているのですが、透析の方はそれが、週あたり12時間しかできないわけです。
そして、残念ながら透析の機械も腎臓並みの処理能力があるわけではありません。
透析時間が十分ではないのです。
そうなると、透析時間を増やすしかないのですが、「1回4時間×週3回」を超えると、病院のシステム上、都合が悪いそうです。
また、病院側も、個別最適になるよう透析スケジュールを組めば組むほど、システムとして効率が悪いのです。
病院の採算が取れなくなるのです。
残念ながら、今までの透析は病院のシステムありきで、患者目線に立っていないシステムになっていました。
その解決策として、自分の家に透析の機械を導入して、自分の家で透析をする。そうすれば、時間にとらわれず、自分のタイミングでできる「自宅透析」もあったそうです。
ただ、透析機械が現在の価格で100万円ほど。これは買えなくないにしても、水道の配管を整えたり(1回の透析で300リットルの水を使うそうです)、重い医療機械に耐えられる床にしないといけないため、家庭で透析できる人も限られたそうです。
そこで、櫻堂さんは、セルフで透析できる医療施設を作ることで、朝早くから遅くまで透析できる病院をつくり、患者さんが生き生きと暮らせる病院を作ろうと思ったわけです。
もっとセルフ透析施設ができるといいのに・・・
よくよく考えれば、糖尿病の方のインシュリン注射を自分で打ちます。
自分で打つことで(打てるようにすることで)、生活を楽にすることができるわけです。
透析についても同じようにできれば、それほどいいことはありません。
ただ、なかなかOasis medicalのような施設は新しくできていないようです。
どこの業界でもそうですが、新しい考えやアイデアが浸透するまでには時間がかかります。
いま、alba lab(Oasis medicalの運営会社)が推し進めているのは既存の病院の一区画に、セルフ透析ができるようになる未来の実現に向けて働きかけをしているそうです。
私の住んでいる田舎の地域でも、そんな施設ができてくれれば、きっと嬉しいだろうななんて感じました。
最後に

今回は、東京 山手線 田端駅前にあるoasis medicalを訪問させてもらいました。
社長さんのビジョンがしっかりしていて、知識のない私でも、聞きいってしまうお話ばかりでした。
おいおいこのブログは教育ブログだろ!と思ったかもしれません。
もちろん、教育とも関係がありますよ。
けれど、櫻堂さんの書籍にはこんな事が書いてありました。
単に施設の設備や見た目だけを変えても、こうした患者の自立あ、患者と医療者との良い関係性がなければ、良い透析にはならないと考えます。
ロサンゼルスの施設を視察したときに、私は自由度を高める環境づくりが重要であることを学習しましたが、実はそれだけでは不十分であると今ならいえます。あのあろ、フランスやオランダの施設を視察した際に感じた「患者の自立」「患者と医療者との相互信頼」さらに「互いの深い愛情」があるからこそ効果の高い透析が可能になるのです。
ー櫻堂渉.「生命予後が劇的に改善するセルフ透析」.P133
「患者」を「生徒」、「病院」「医療者」を「学校」や「先生」と置き換えても十分つながる話ではないでしょうか?
結局ビジネスも教育も人と対峙するには一緒なのです。
より効果の高い教育や医療にするには、自立と信頼と、愛情が必要なのです。
医療という現場で実践しているOasis medicalさんのすごさを感じた今回の訪問でした。
私の勤務している地区の中学校は東京に修学旅行に行きます。
その中で、興味がある子がいれば、生徒に職場見学させてあげたいと思える魅力ある病院でした。
病院だから、どこも一緒!というわけではありません。
ビジョンを持ち、それに向かって努力する姿は、人でも、ビジネスでも一緒だなと感じました。
もし気になる方は、alba labさん(Oasis medicalの運営会社)に問い合わせてみてください。以下のXアカウント)
色々相談に乗ってくれると思います。
個人的には、対応してくださった広報の方の大ファンになりました。
丁寧な対応、そして仕事への姿勢、とても勉強になりました。
ラジオの話題にちょくちょく出てくる「広報の人」のさらなる活躍も期待しています。
ありがとうございました。

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東京にちょくちょく社会見学に行っています。修学旅行で、こんなところに行くのはいかがでしょう?








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