夏休みの長い時間だからこそできる自由研究。
宿題としてだされる学校も少なくなってきたということをよく聞きます。
せっかくだから、今年は好きなことに取り組んでみてはいかがでしょか。
子どもの探究心を育み、「親子の自由研究」をしてみるのはどうでしょうか?
自由研究以外の夏休みの宿題について、こちらのページにまとめました。
良かったらご覧ください。
夏休みの「自由研究」は消えつつあるけれど…
子どもの頃、夏休みの自由研究で、何をしようと悩んだ方も多いのではないでしょうか?
「宿題として、自由研究に取り組んだことはありますか?」
という質問に対し、小学生の約4割が「ある」と答えたのにたいして、中学生は8割が「ある」と答えています。
実は宿題として、自由研究が出される学校は少なくなっています。
ただ、「宿題以外で」自由研究に取り組んだことがあるかと尋ねると、小学生で約半数。中学生では4分の1の子があるようです。
時間的に余裕がある小学生は、虫を飼ったり、植物を育てたり、気になったことを調べてみようとなりやすいのかもしれません。
また、自分も「選択制にした自由研究」を課したところ、やってきた子は、ノートや模造紙にぎっしり調べたことを書いてきました。
ある子は、製本して持ってきた子もいました。
聞くと、「自分の好きなことを勉強して、親にもいろんなところ連れていってもらえて楽しかった。」
とすごく意欲的に取り組んでいる姿がありました。
興味関心にそって学ぶことは子どもたちにとっても楽しいことだと分かります。
保護者にもちょうど話を聞く機会があったので聞いたところ、
「夏休みのお出かけもかねて一緒に調べに行きました。歴史資料館とか科学館、図書館だったら、勉強につながるし、どれだけでも子供を連れていきます。」
とおっしゃってくれました。
子どもが勉強したいというなら、親も人肌ぬぎたくなりますね。
自由研究は子どもが勉強に向かうきっかけをつくるよい機会になると言えそうです。
また、親と子どもの関係づくりに一役買っています。
せっかくなので、親子で自由研究をするのはいかがでしょうか?
親子自由研究のすすめ
親子自由研究の進め方や、子どもや保護者も楽しめるテーマを紹介します
親子自由研究の進め方
- 話し合おう(子どもの声や思いを大切に)
○テーマ決め
どんなことを研究するのか、話し合ってテーマを決めます。
○やり方、計画、準備、予想
テーマが決まったら、次はそのやり方を考えていきましょう。
具体的な計画を立て、必要な物などを準備していきます。
ここで、結果を予想しておくと、まとめやすくなります。 - やってみよう!(車で出かけるなど、親だからこそできるサポートを)
○実践
テーマに合わせて、実践をしていきます。
調査、観察、インタビュー、作成、実験など、方法は様々あります。
○改良、やり直し、見直し
実際に進めていく中で、上手くいかないこともあります。
そんなときはどこが悪かったのか話し合い、もう一度挑戦しましょう。
うまくいくことだけが成功じゃないことも覚えるよい機会です。 - 結果をまとめよう
○まとめかた
ポスター形式や新聞形式尚、様々なまとめ方がありますが、「研究のテーマ、目的、内容と結果、分かったことや次にやってみたいこと」を必ず記載しましょう。
まとめるためのシートやダウンロードできるウェブサイトもありますよ。
親子でするならこんな自由研究はどうでしょう?(テーマ別)
歴史・文化
- 宝石の歴史
- 日本のお城の構造を調べよう
- ファッションの歴史
- 日本の遊びの歴史
- 英語、洋楽の歴史
世界
- 世界の料理を作りたい、食べてみたい
- 世界の学校はどんなところで、なんの勉強をしているの?
- 世界中の鉄道に乗ってみたい、日本と何が違うの?
- 国ごとに、人の性格がちがうの?
- 英文、外国の文化や特徴についてしりたい
食べ物
- みそを作っている元祖のお店はどこか
- 江戸時代や戦国時代の食べ物についてしりたい
- おいしい物、食べたいものは体に悪いは本当か
- メレンゲは、卵白と砂糖だけでどうしてふわふわになるのか
- なぜ和食文化は衰退したのか?
人間について
- 人間はどうして暑さや寒さを感じるの?
- かたいものが体に当たるとなぜ痛いのか
- 怖い夢はなぜみるの?
- 人間に甲羅や羽根がないのはなぜ?
- 虫が嫌いな人が多いのは何でだろう
- 人間が集団で行動する理由を知りたい
- なぜ人は眠くなるのか
テクノロジー
- 電話やメールは、なぜ遠くの人に送れるのか
- 自分でWebページを作ってみたい
- プログラミングでゲームを作ってみたい
その他
- 深海にいって、どういう生物がいるのか調べたい
- 全国のコンビニの売り上げの変化は?
- 野菜や果物で染物体験、絵を描いてみたい。
自由研究テンプレート集
ベネッセのサイトには、印刷して、書き込む、昔ながらの自由研究のまとめシートです。
学年別にもあって、便利ですよ。
マイクロソフト、学研ではパワーポイントにまとめるられるように、テンプレートが用意してあります。
一人一台端末の今、こちらのテンプレートを使うと便利ですよ。
保護者の協力
自由研究は子どもたちが主体的に課題を見つけ、調べ、まとめていくというのは理想的ですが、現実的には子どもだけでは難しいです。
子どもたちの好奇心というのは幅広いように見えても、やはり子供は見えているものの範囲でしかありません。
大人は遠くのものをみたり、より深く調べる方法を知っています。
そういう部分を大人に教えてもらいながら、子どもがやりたいと思っている研究を進めていくというのが、子どもが伸びる自由研究の在り方だと思います。
先に挙げた自由研究のテーマはほんとに多種多様で、大人顔負けのテーマもあります。
プログラミングと言った専門的なことは、なかなか保護者だけの力では教えられない部分もあるでしょう。
そういうものこそ、家族で話し合い、課題と方向性が定まるように計画を立てて、実現できればすばらしいです。
例えば一冊本を買ってくるだけでも違います。
スクラッチなどなら、家庭用のパソコンや学校で使っているタブレットなどからでもできます。
また、昔ながらの工作系の自由研究だったら、百均や本屋さんでたくさんキットが売られています。
そんな中から、自分がこれだと思う物を選んで、そこから興味の幅を広げていくのもおもしろいかもしれません。
自由研究の注意点
注意したいのは、ネットや生成系AIを使う場合です。
今は知りたいことを調べれば簡単に答えが出てくる時代です。
しかし、そこに子どもの学びはあるでしょうか。
大切なのは、自分たち自身の興味関心で、それまでになかった見方や考え方が出てくることです。
もしそれが、一緒かけて研究したいテーマになったらそれこそ幸せですよね。
自由研究コンクール
ちびむすドリルさんが、全国の自由研究のコンクールをまとめてくださっています。
楽しく自由研究ができたり、コンクールに応募してみたいとなったら、こちらで応募してみるのも面白いかもしれませんね
こんな自由研究もあり?「銅像に会いに行こう」
銅像から学ぶこと
駅前や公園に銅像って立っていますよね。
その地位で有名な歴史上の偉人であったり、漫画のキャラクター像であったりします。
ときには抽象的な像でよく分からないというのもありますよね。
ワンピースや、こち亀の両さんの銅像なども最近建てられました。
母子像や、女性の裸体像もありますが、いずれも何かを見ている人に伝えたいというメッセージ性を感じられるものです。
親子で銅像に会いに行くことで、そんなメッセージ性を受け止めることができます。
ただ、難しいですよね。
そこで、ある程度銅像を擬人化して捉えると学びがいがあります。
例えば、銅像の眼差しに注目して「この銅像は何を見つめているのかな?」とか、「このポーズにどんな意味が隠されているのかな?」と謎解き気分で銅像と対話すると、銅像のメッセージを受け取りやすくなります。
銅像の造形や建立の背景を考える
銅像になった動物や人物について知ることも大事ですが、ゆっくりと銅像そのものを鑑賞する時間もほしいです。
多くの銅像はよくみると、実に造形が細やかで、細部の彫刻が美しいものです。
作者が記されていることも多いので、スマホで調べてみると、面白いです。
また、建立の年代や経験も解説板に記されている場合が多いので、いかにその土地の人たちの熱意が高かったかも知ることができます。
銅像は建立までに多額の費用が掛かるからです。
この夏、身近な銅像に会いに行くという自由研究はいかがでしょうか?
例えば忠犬ハチ公だったら、こんな感じです。
世界大戦の荒波を乗り越えて、何度も復活しているのが、忠犬ハチ公の像なんですね。
自由研究のその先に(最後に変えて)
解剖学者の養老孟子さんは、昆虫が大好きです。
箱根に昆虫の標本を保存するための家まで持ってらっしゃいます。
そんな彼がそこまで昆虫を好きになったのも、小学生の頃、親のススメで近くの昆虫博士のおじさんを紹介してもらったのが始まりだそうです。
そこで見せてもらったきれいな図鑑。
その美しさから、80歳をこえる今でも、昆虫への興味が続いています。
解剖学者になった遠因にもなったのかもしれません。
親子で自由研究をすることによって、研究内容だけでなく、家族の在り方や、自分たちの生き方までも学習することができるのだと思います。
1年に一度しかない夏休み。
この大切な期間をそうした自由研究をやっていくことになれば素晴らしいですね。
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