Take time by the forelock.(幸運の女神には前髪しかない)
ー古代ギリシャの諺
「チャンスは訪れたそのときに掴まなければならない」という意味です。
以前、スランプに陥ったときの行動の仕方やメンタルのもち方について記事にしました。
それでもスランプを抜けられるか、不安なはずです。
スランプを抜けるには、行動することがとても大切ですが、最後に必須の要素があります。
それは「幸運」です。
ではお話をしていきます。
スランプを抜けるには「セレンディピティ」が最後には必要
Luck comes to those who prepare.(幸運は備えある者のみに訪れる)
ールイ・パスツール(フランスの細菌学者)
運のいい人と、よくない人、その違いはどこにあるのでしょうか?
科学の世界ではよく、予想外の事態、失敗やトラブル、偶然聞いた話をきっかけに問題を解決することがあります。
重大な科学的発見の30〜50%程度がそんな偶然で生まれたとも言われるほどです。
このような思いがけない幸運は「セレンディピティ」と言われています。
例えば、ノーベル賞の創設者であるノーベルは、ダイナマイトの開発に成功し、巨万の富を得ました。
このダイナマイトの開発も、実は失敗から生まれました。
ノーベルは不安定な液体爆弾ニトログリセリンを、安定化させようと苦労を重ねるが、なかなか成功しないなかで、保存容器から漏れたニトログリセリンが固まっていることに気づきました。
容器の周囲にあった珪藻土が安定剤として機能していたことを発見して、これがダイナマイトの製造法への契機となったのは、有名な逸話です。
もし、ニトログリセリンの近くに珪藻土がなかったら、そもそも、ニトログリセリンを保存容器から漏らさなかったら・・・。
きっとダイナマイトの開発は何年も遅れていたでしょう。
ノーベル賞もなかったかもしれません。
「セレンディピティ」が起きるには条件がある
他にも、今は当たり前になっている「ポストイット(付箋)」。
こちらも、接着剤の研究をしているときに、うっかり、粘着力の弱い接着剤を作ってしまいました。
作成時は、失敗作だった接着剤ですが、その粘着力の弱い接着剤を転用して、付箋を作ったのです。
「セレンディピティ 点を繋ぐ力(クリスチャン・ブッシュ 東洋経済新報社)」では「予想外の事態で、積極的な判断がもたらした、思いがけない幸運の結果」と定義しています。
「予想外」というと偶然みたいに聞こえますが、セレンディピティが起きるには、2つの条件があります。
- 前から発見の努力を惜しまなかった・準備をしている
- 思いがけない状況・失敗・挫折
チャンスが巡ってきた時、幸運の感度が高い人は、すぐにとびつきます。つまり、すぐ行動できるのです。
一方で、ぼーっとしている人や、他人の指示でしか動かない人はチャンスを逃しがちです。
科学者たちは、研究をし続けていたからこそ、発見ができました。
偶然の点と点を結びつけ、成功を手繰り寄せることができるのです。
もう一つ重要なのが思いがけない状況です。
失敗したり挫折したりした時こそ、そこで挫けてしまうか、それともそこから「何か糸口を見つけるか」が大きな分かれ道なのです。
スランプ脱出にも「セレンディピティ」が必要
以前の記事でも、スランプを抜けるためには、継続することや、やり方を変えてみることの必要性を書きました。
ただ、継続するにしても、やり方を変えるにしても、経験した中で、スランプを脱出するための糸口はないか探し続けることが必要なのです。
いろいろ試していく中で、ある時、セレンディピティが訪れます。
そして、今まで成長できなかったのが嘘のようにドーンと成長できるのです。
将来を予想して、点(知識や経験など)と点をつなぐことはできない。後々の人生で振り返った時にしか、点と点をつなぐことはできない。今やっていることが、将来、自身の役に立つ(点と点がつながる)と信じて取り組みなさい。
ースティーブ・ジョブス(米 Appleの創設者)
スタンフォード大学の卒業式でのスピーチ
このように、スティーブ・ジョブスも言っています。
セレンディピティのことを言っていると捉えることもできます。
今はとにかく点を打っていく。ある時、突然、点と点が線で結ばれ、成果となって現れる。
だからこそ、今を頑張りなさいと言っていると思うのです。
もし、今スランプに陥って、苦しんでいる人。成長が止まっている人。
そんな人は、この状況を嫌にならず、どうすればうまくいくか、考えて考えて考え抜いて行動をしていきましょう。
その経験の先に、きっと自分の成長が待っています。
最後に
今日は、スランプを抜け出すには「セレンディピティ(幸運)」が必要という話をしました。
セレンディピティを引き起こすには、
- 前から発見の努力を惜しまなかった・準備をしている
- 思いがけない状況・失敗・挫折
この2つが必要です。
失敗しても、腐らずトライアンドエラーを続けるその先に、成長が待っています。
さぁ、今日1日も頑張りましょう!
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