夏休みに入り、職員室にも少しゆったりとした時間が流れるようになりました。
「将来、子どもにお金がかかるよね」「大変だけど、やっぱり教員ってやりがいがある」といった深い話は、心に余裕がないとなかなかできません。
私の周りには、60歳の役職定年を迎えても担任として現場に立ち続けている大先輩がいます。元校長先生ということもあり仕事のスピードが圧倒的で、夏休みの時点で年度末までの実務が終わってしまうほどの勢いです。
それだけでなく、一つひとつの取り組みに温かい思いが込められており、細やかな創意工夫があふれています。単にキャリアが長いからというだけでなく、日々の仕事の中で挑戦と工夫を重ねてきたからこその姿なのだと感じます。
「自分もそんな仕事をしたい」と考えていたタイミングで出会ったのが、秋元祥治さんの著書『自分だからできる仕事のつくり方』でした。
教員生活も10年目となり、「自分らしいカラーをどう仕事に出していくか」を見つめ直すことが増えた今、心に留めておきたい学びをメモとして残しておきます。
「観察」することが日々の礎になる

「観察」の対象を自分の意識の外、関心を持っていないことにまで広げられるかどうかが、「オンリーワン仕事」を見つけ出せる人・出せない人を分ける境界線となります。つまり、「興味のないことにも興味をもって観察できるか」が大きなポイントになるのです。 (P.112より)
私たち教員は日常的に「これ、算数の図形に使えそうだな」「この子どもの会話、道徳の教材になるかも」と、身の回りの出来事を教育と結びつけて見る癖がついています。
本書では、その視点をさらに一歩広げ、「これってどういう仕組みなんだろう?」「この発想はどこから来たんだろう?」と、自分の関心外の物事まで深く「観察」することの重要性が語られています。
同じ「お菓子の箱」を一つ見せるにしても、デザインに着目する先生もいれば、立体としての構造に注目する先生もいます。観察のフィルターを通すことで個性が生まれ、図工や算数といった授業への応用方法も多様化していきます。
日頃から意識して情報をストックし、それを朝の会の短時間や授業の導入5分などで小さく試してみる。この「小さなアウトプット」の積み重ねが、自分オリジナルの指導アイデアを膨らませていくのだと実感しました。
観察力を磨く8つの習慣

本書の第3章では、日常の観察力を高める具体的なアプローチが紹介されています。
- 1日1初体験
- たまに本屋で30分
- コンビニはスマホ片手で
- ドラマよりCM、記事より広告
- レストランでは掛け算
- よってたかってやいやい
- 気づいたらつぶやけ
特に印象に残った習慣について、自分なりの受け止めを整理してみます。
1日1初体験
人は見通しの立つ安定した毎日を好む生き物ですが、同じルーティンの中に新しい発見はありません。 「いつもと違う飲み物を買う」「一つ先のコンビニに入ってみる」「普段通らない道を歩いてみる」といった小さな挑戦で十分です。日常に少しの変化を加えることで、脳に新しい視点がもたらされます。
たまに本屋で30分
自分の守備範囲外の情報を得るのに、本屋や図書館は絶好の場所です。普段は立ち寄らないジャンルの棚に足を運び、書籍のタイトルを眺めるだけでも、世の中のトレンドや未知の知識が飛び込んできます。
コンビニはスマホ片手で
トレンドの最前線であるコンビニでは、「なぜこの商品がヒットしているのか?」「なぜこの棚に並んでいるのか?」と仮説を立てながら商品を眺めます。疑問に思った背景をその場で検索してみることで、ヒットの理由や商品開発のストーリーという貴重な情報が集まります。
最近では、とにかく「グミ」が豊富じゃないですか?一時期自分もグミにはまりました。甘いし、小腹も満たせるから人気なんでしょうか?Podcastの「超実践的幸福論」でも「グミ」について熱く語っています。起業家の人も、こうやってトレンドを見つけに行くのです。トレンドを追うことの大切さを実感します。
ドラマよりCM、記事より広告
15秒〜30秒のCMには、現在のトレンド、人々のニーズ、魅力的なキャスティングや音楽が凝縮されています。共通項を意識して見定めることで、「今、何が求められているのか」という社会の空気感をつかむことができます。
レストランでは掛け算
繁盛しているお店の理由を「価格」「雰囲気」「接客」などの要素に分解して掛け合わせで分析してみると、多くのヒントが見つかります。
よってたかってやいやい
発見したアイデアは、積極的に周囲へ話してみることが大切です。他者の視点が入ることで自分の気づきが深まり、「多面的・多角的な見方」へと進化します。これはまさに、学校現場での授業研究会や指導案検討会と同じプロセスです。
気づいたらつぶやけ
アウトプットの相手がすぐ近くにいない場合は、SNS(Xなど)やメモアプリ(Google Keepなど)にアウトプットするのが効果的です。言語化して残しておくことが、最大のインプットになります。
Google Keepの使い方についても提案しています。以下の記事をご覧ください。

おわりに:「自分らしい見方」が独自の仕事をつくる

本書を読んで感じたのは、「自分だからできる仕事」をつくる第一歩は「自分らしい見方(観察眼)」を養うことだということです。
魅力的なアイデアを次々と生み出す人は、漫然と日常を過ごすのではなく、独自の視点を持って圧倒的な量のインプットを行っています。そして、観察したことに対して思考を巡らせ、周囲と対話しながら深めています。
学校現場では、運動会や学芸会、日々の授業づくりなど、前年踏襲だけではうまくいかない場面が多々あります。そうした時にどれだけ自分の引き出し(ストック)を持っているかが、子どもたちに還元できる価値の差になって現れます。
これからも常にアンテナを高く張り、日々の観察を楽しんでいきたいと思います。

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