先生って、会議が好きというか、話が好き。
指導案検討や、いじめや不登校の対策会議。いたずらに時間が長くなるという事ないでしょうか。
その割には、会議をやった後を方向性が見えたという成功体験が少ない、なんてことはないですか?
今回は、参加者が「会議をやって良かったと思える」にはどうするとよいか話をします。
会議をやって良かったと思えないわけ
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指導案検討、いじめ不登校の対策会議で、モヤモヤとした経験はないですか?私は結構あります。
対して職員会議には、モヤモヤしたことはあまりありません。
この違いってどうして起こると思いますか?
職員会議は、これからやること(行事、定期テスト、その他連絡事項)の伝達がほとんどです。
そこで進め方に疑問があれば、提案や改善案を出しますが、最終的には、「ではこうしましょう」という流れができて終わる事が多いです。見通しがつきます。
対して、指導案検討やいじめ不登校の対策会議は、いろいろな意見が出るものの、困っている担任からすれば、「結局どうすればいいの?」となり、会議をした意味があったのかなと思ってしまうのです。
だからこそ、大切なことは「どうなったら会議が終わりなのか明確にすること」なのです。
会議が終わりを明確にするために、しっかり言葉で加工。
え?当たり前ではないか?と思うかもしれません。
でもよく考えてみてください。
指導案検討では、どうなったら会議が終わりなのでしょうか?
指導案を検討するんだから、みんなで考えればいい!というわけではないのは言わずもがなです。
会議のタイトルに振り回されずに、もう一度見直してみましょう。
提案者によって終わりのタイミングは違ってきます。
例えば、ベテランの先生だったら、授業が頭にあるでしょう。だから、授業の筋を大きく変更するような検討をすることは少ないと思います。
指導案を読んで、読み手として分からないところを補足をしてもらって、「指導案を読み手がわかりやすいものにする」のが目標になります。
先生になって1年目の先生は、授業のイロハもわからず、なんとか指導案を作ってきている状態です。
ここに、ベテランの先生と同じように質問しまくったら、1年目の先生は困ってしまうでしょう。
そうしたらこの会議の目的は、「実際に1時間授業のイメージを授業者がもてるようにする」のが目標になってきます。
私はよく、指導案の授業を『私が』模擬授業としてやってみます。
そこで、授業を流してみて『私が』詰まるところや、イメージがつかないところは、一緒にどうすればいいか考える。私が普通に流せた部分でも、こうすればいいという気付きも出てきます。それを指導案に書き足していく。
そうする中で、1時間の授業のイメージが会議をしている仲間の頭の中に一緒にできていきます。
そうすると、検討が終わる頃には、1年目の先生の中に指導案の授業がインストールされていることでしょう。
指導案検討の検討も、対象となる授業によって変わってくるのです。
よく「60分で検討を終わりにしましょう」という提案がされることもあります。
それは、結局目的が曖昧だから、ゴールの設定を時間にしてしまうのです。
60分経って、なんも収穫がなかったら、やっぱり無駄な会議なのです。
「会議の終わりを明確にすること」 つまり、「ゴールを具体化すること」
これで会議をやって良かったという経験が増えていきます。
授業のゴールも、『〇〇できたらB評価』なんて、普段から評価項目を立てて授業をしますよね。
先生ならきっと会議のゴールの設定ができるはずです。
いじめ不登校問題の会議など、目標設定が難しい場合
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いじめ不登校対策会議のように会議の終わりを明確にしにくい議題もあります。
例えば、不登校の対策会議を例に考えましょう。
「ゲームを深夜までしていて、朝起きられずに、学校に遅刻をしてくる生徒Aがいる。ここ1週間は、ついに遅刻ではなく、欠席をするようになってしまった。どうやら保護者が、仕事で出かける日中寝て、夜中にゲームをしているらしい。担任は、どうアプローチをして良いか悩んでいる。」
こう言った場合、何をゴールにすればいいのでしょうか?
Aへのアプローチは、Aと関わる、保護者と関わる、ゲーム依存の可能性もあるので、医者などの専門家などに相談をする・・・などたくさんあります。
こういう場合は、「今から担任として、やることを列挙する。そして優先順位をつける。ダメな場合のプランB・Cを想定する」という会議のゴールにするのはどうでしょうか?
- 保護者に最近の様子を聞く
- 実際に家庭訪問をして、Aと話をする
- 保護者に、(ゲームを取り上げることはできないにしても)減らせるように話し合いができないか聞いてみる
- 保護者、A(必要なら担任も)でゲームの扱いについて話し合う
- 生徒Aが医療機関やスクールカウンセラーと面談する
- 保護者が、スクールカウンセラーと相談をする
いま、対応の仕方を簡単に6つ挙げました。
ここから、まず何をしなければならないかを優先度を決めてあげましょう。
上記の例なら、1からやっていくのが常套になると思います。
そこで、もしどこかで頓挫したら・・・と、プランB、Cを考えておきます。
4.以降で頓挫することは多いかもしれません。そうしたら、とにかく保護者が1人で困らないように、学校や相談窓口を紹介して、保護者が困らないようにします。
もし、2.でダメな場合、直接が会うのがだめなら、ZOOMで連絡をする。それもダメなら、電話で。電話もダメなら、タブレットを持っているはずなので、それで連絡を取る・・・。
やるべきことが明確になると、人間は行動に移しやすくなります。
逆に、何をすればわからないと、そのまま悩んで潰れてしまうことが多いです(経験ある方も多いのでは?)。
このように、先生が何をするべきか指針を示してあげるのが大切だと考えます。
最後に
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今回話した内容は、以前の書いた「教員採用試験の集団討論で大切にしたいこと」で書いたことに通じるところもあります。合わせてご覧ください。
- 会議の内容を明確にしよう
- 何をするべきか指針ができる会議にしよう
今日の記事はこれがポイントです。
働き方改革に逆行するのではないかと言われるかもしれません。
でも、60分で打ち切られてモヤモヤする会議より、こうすればいいとわかる120分の会議なら、絶対後者の方がいいです。
会議の後の行動スピードが圧倒的に違います。結局時間の節約になります。
かの有名なドラッカーもこのように言っています。
「成果を上げるには仕事の手段としての会議の生産性を上げよ」
ーPeter F. Drucker.「経営者の条件」より
会議をするために会議をするのではないのです。
仕事の手段、つまり、「何をするべきか明確にして、動き出せるようにするために会議をして、生産性をあげなさい」と言っているのです。
何を大切にすべきか考えて、会議を行なっていきたいですね。
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参考文献
参考文献
参考HP
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