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【評価 教職員】教職員評価シートの書き方 自分の行動を目標にすることで、誰もが納得できる目標・自己評価を作ろう‐「数値化の鬼」(安藤広大)を読んで‐

働き方改革・仕事術

教育というのは、なかなか数値では測れない部分があるというのは、多くの人から共感を得られる考えだと思います。

さて、教職員には「教職員評価シート」なるものがあります。

これは、教職員が1年の目標を立てて、それが達成できたか管理職が評価をするというシートです。

会社では、営業成績といった感じのものではないでしょうか?

自治体の中では、この「評価シート」の管理職からの評価によって、昇給率が変わる自治体もあります。

けれど、先ほど言ったように、教育の成果を数字で測ることは難しいという意見があります。

持っているクラスの生徒が違う。打つべき手立てや打てる手立てのレベルも違う。

同じ物差しでは評価が出来なさそうです。

でも実際に「評価シート」は存在し、評価をつけられます。

我々は、どのように目標を立て、どのように評価基準を設定すると良いのでしょうか?

「数値化の鬼」という本にヒントがありました。この本の内容を参考に記事を書きたいと思います。

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教育の文脈における「教師評価」の弊害

さて、教師を評価するとなると、平等に評価できるのか?という問題になります。

例えば、大人しいクラスと荒れているクラスを持つのでは、目標が変わってきます。

労力のかけ方や、目のかけ方も違うでしょう。

その中で、管理職が同じ物差しで評価できるのでしょうか?とみなさんが懐疑的になります。

子どもは先生が手をかければすぐ変わるなんてことはありません。

担任は「1年1年が勝負!」なんてことも言われますが、前年度から不登校の子どもが、担任が変わったから、学校にすぐ来れるようになるでしょうか?

学力がすぐ向上するでしょうか?

すぐ変わるようだったら、私は心配になってしまいます。

例えば子どもを締め上げすぎていないか。そうやって雁字搦めにして、子どもを縛っていて、「良い子」に見えるようにしているのかもしれません。

逆に、去年はいい子だったけれど、今年になって爆発したなら、去年締め上げすぎていて、今年になって爆発したなんて事も考えられます。

さて、教職員評価シートの話に戻ります。

「クラスの生徒の7割の学力を上げる」とか、「不登校の生徒を登校できるようにする」という項目で、評価シートを作っていないでしょうか?

こんな評価基準を作ると、上手くいきません。

なぜなら、変わらなければならないのは、「子ども」だからです。

先生がどれだけ手立てを講じても、子どもが変わるのは先生が目標としているところまでには届かないことがよくあります。(もちろん、手立てを講じるのは大切です)

子どもが目標にする姿に届かないと、苦しくなるのが「教師」です。

そこで、さらに子どもに手立てを講じる。もちろん手立てを講じるのはいいのですが、それが子どもにとってプレッシャーになったり、高圧的に感じたりしてうまくいかないことが多くなる危険性があります。

自己評価シートの評価基準を作るときに大事なのは「自分がどれだけ、何をやっていくか」を基準にすることです。

これだったら、「自分がどれだけ動けたか」が評価基準になるので、自分の頑張りしだいで、A評価をつけることができます。

具体的な目標・評価の作り方を次の章にまとめていきます。

自分でコントロールできる目標を立てよう

それでは、具体的な目標・評価の作り方を一緒に考えてきましょう。

行動を目標にする

評価シートの目標や達成項目に、こんなことを書いていないでしょうか?

  • 児童生徒を観察して、生徒理解を図る。
  • 子どもの学力が伸びる授業をする。

これらは、とてもよくない目標の作り方です。

「児童生徒を観察して、生徒理解を図る」→どんな姿が、生徒理解ができたと言えるのでしょうか?

「学力が伸びる授業」→どうすれば学力が上がったと言えるでしょうか?テストの平均点数でしょうか?テストの単元が違えば、平均点は変わってくるのに、どうなったら「学力が伸びた」と言えるのでしょうか?

結局、何をすれば評価できるか基準が曖昧なのが問題です。

そこで「何をするか」行動を目標に入れてみます。こんなのはいかがでしょうか。

「児童生徒を観察して、生徒理解を図る。」→「クラス全員と話す」

「学力が伸びる授業」→「授業の最初に計算練習をして、計算力をつける」

少し具体的になりました。

数字で評価する

さらにここで、数字を付け加えます。

例えば「クラス全員と話す」という目標は意図しているところはわかります。

けれど、どれくらいの頻度でやると合格なのででしょうか?

そこで「週に1回は、クラス一人一人の生徒と話す」という目標にしてみます。

そうすれば、自分が目標を達成できているか、週に1回確認できます。

また、週の途中で、「水曜日だけど、まだ15人しか喋れていない。やばい!」と、気づくことができます。

そうやって具体的な数字を考え、ノルマをに自分に課すことで、結果「児童生徒理解ができる」ように行動できたか評価できるのです。

同様に「学力をつける」だったら、「週に1度、授業の最初に計算練習プリントを解く時間を作る」と目標を立てることによって、実行可能になり、自分で評価できるようになります。

こんなふうに、「児童生徒を理解する」という目標を達成するための数値化された目標を「KPI(Key Performance Indicator)」と言います。

行動の数値を目標にすることで、誰もが「できたかできないかを評価」できるようにしましょう

日々の行動に迷いがないレベルにまで「KPIに分解できていること」が重要なのです。

目標を立てたら、チェックする。目標を、改善する。

ここまで、目標を具体的にできたら、今度は実際に行動してみてチェックしてみましょう。

先ほどあげた「週に1回は、クラス一人一人の生徒と話す」という目標で考えてみましょう。

うまくいって3日で全員と話すことができたとします。

それだけで、まずは自分に花丸をあげたくなりますね。

そして、「これができるなら、週に2回は、クラスの一人一人の生徒と話す」ことが可能ではないか?と考えます。

このように目標を見直し、段階的に難しいものに変えていく。これがさらに大切です。

ただ、レベルを引き上げて、達成できないこともあるでしょう。けれど、そこであきらめないでください。

ここが踏ん張りどころです。

生徒と2回話ができるように、仕組みを作る。仕事の仕方を変える。

そうやって、目標を叶えられるように、試行錯誤をします。

そして、ついに「週に2回は、クラスの一人一人の生徒と話す」の目標を達成できたならば、確実に自分の力量を向上させたということができるでしょう。

目標は引き上げていくのが大事です。

そうやって、理想の姿に近づけていくようにしていきましょう。

注意:他者の変化を基準を評価項目に入れない

一番最初に書きましたが、「子どもの偏差値を5上げる」や、「不登校の生徒を登校できるようにする」という評価基準は達成が難しいです。

子どもの変化を評価基準にしているからです。

そこを目標にしたい場合「子どもの偏差値を5上げるには、教師としてどんな支援を日々行っていくか」「不登校の生徒が少しでも投稿できるようになるのはどんな支援をしていくか」と自分軸に評価基準を変えていきましょう。

「どれだけ自ら動くことができたか」これが、自分でコントロールできる評価基準です。

実践してみて、子どもに対してアジャストできるように、よりよい目標や支援になるように磨き上げてきましょう。

最後に

今回は、「教職員評価シート」の書き方を考えました。

自分が動いたことに対して、うまくいく場合もあれば、うまくいかない場合もあります。

管理職と面談するとき「こんな支援を行い、こんな成果が出ました。逆に、こんな事も起こりました。なので、次はこんな手立てを打つことで、子どもの成長を考えていきたいと思います。」と言うことができれば、自分も管理職も「次への見通しが立てられている」と評価できます。

また、もしどう改善すればよいかわからなければ、「ここまでできた、ここで困っている」ということを伝えれば、きっと一緒に課題解決に向けて考えてくれることでしょう。(それが管理職との面談、OJTで大切なことだと思います)

教職員評価シートは、管理職が我々を評価するためのシートとして使われてしまう残念なところではありますが、自分の成長のために目標を立てるいい機会になります。

ポジティブに教職員評価シートを捉えて、職務に励めば、きっと成績も上向いてきます。

教職員評価シートの書き方、一緒に見直していきませんか?

最後に「数値化の鬼」の文章を引用して記事を締めくくりたいと思います。

簡単なことの繰り返しは、すぐに飽きてしまい、退屈になります。苦痛ですらあるでしょう。

難しいことには夢中になれる要素があります。

足りない部分が見えれば、それを埋めるために頑張ろうとします。

そして、満たされた瞬間に、物足りなくなるのが人間です。

ー「数値化の鬼」.p280

自分軸で、難しいことに挑戦していく。

改善方法を、与えられるのではなく、自分で試行錯誤して見つけていくことで、仕事を楽しくできるのです。

こんなふうに教職員シートを使えたらいいですね。

みなさんの教職員評価シートの書き方や、エピソードをコメントでお待ちしています。

スーさん
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参考文献・参考HP

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参考HP

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