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【家庭 保護者 不登校 声掛け 学級経営 特別支援】「学校に行きたくない」「学校が楽しくない」という子どもへの対応

子育て

以前に、「学校の活動がつまらないという子への対応」というテーマで記事を書きました。

今回は保護者、家庭目線で「学校が行きたくない」「学校が楽しくない」と言う子どもへの対応法を考えてみようと思います。

学校が楽しくないと感じる理由

「学校がつまらない」と感じる根本的な原因として、子どもの自己肯定感が下がりきっていることが考えられます。

自己肯定感が下がりきっているときに、以下のようなきっかけがあると、「学校に行きたくない、楽しくない」と感じてしまうことがあります。

考えられる原因と、その時の声かけについてまとめます。

勉強や部活に対するプレッシャーが大きい

お家の方や、周りの期待に応えようとして、勉強や部活で一生懸命になっている子の中には、大きなプレッシャーを抱えている子もいます。

周りの期待の応えようとするのは、とてもエネルギーが要ることです。

結果ではなく、「今まで頑張ってきた過程がすばらしい。」と褒めてあげましょう

授業のレベルがあっていない

授業のレベルが高すぎると理解できないし、逆に低すぎる場合は授業に向き合う意欲が湧かなくなってしまうということがあります。

「苦手なことに向き合って一生懸命頑張っていることが素晴らしい。」

「結果にこだわらなくても大丈夫。」

のように頑張っていることを褒めましょう。

学校は勉強だけを学ぶところではなく、集団生活をする中で社会性を身につけるためということを伝えても良いです。

また、コツコツ取り組むことで、その物事の楽しさの本質に気づけたり、自身を大きく飛躍させたりできます。

逆に、勉強ができてつまらない場合は、「ここまでできるんだね。じゃあこういう場合はどうかな?」と少しレベルアップした内容の問題を投げかけます。

このときに、子どもが「わからない」と言っても教えないようにします。

「解けない壁がある」と子どもに気づかせ、「学校の勉強を頑張ればいずれわかるよ。」と伝えて、子どもの心に火を付けるようにしていきましょう。

また、「友達に上手に教えてあげれる?」と聞くのも大切です。

教える中で、自分にも相手にも新しい気付きがあって、学びが深まります。

様々な角度から物事を捉えられるように考え方を教えてみましょう。

気の合う友達が周りにいない

気の合う友達がいなくて、クラスに馴染めなかったり、表面上の付き合いしかできなかったりすると、学校で過ごす時間がつまらないと感じてしまいます。

苦手な環境の中でも、子どもが子どもらしい姿で堂々としていられるよう、自己肯定感を育てていくことが大切です。

同時に、学校との連携が大切です。

学校に相談することで、友達の良さを見つけたり、互いの個性を尊重したりするような時間を一層大切にしてもらえるようになると思います。

家庭での様子を学校に伝え、学校での過ごし方を一緒に考えていきましょう。

納得できないルールがある

校則や上下関係における暗黙の了解など、納得できないルールが学校にある場合、気持ちの面で疲れてしまい、つまらないと感じることもあります。

集団の組織には、ルールが設けられていることがあります。

特に学校では「社会性を学んでいくために学校では校則(ルール)が設けられています」

将来に向けて、社会性を学ぶためにルールが設けられていることを教えてあげましょう。

ただ、昔からルールが変わらず、現代にそぐわないという場合もあります。

文部科学省も、校則の見直し等に関する取り組み事例を公表しています。

校則の見直し等に関する取組事例:文部科学省

「無意味なルールは、自分の行動で変えていくこともできる」ことも伝えましょう。

きっと、校則には改正のための手続きについても規定があるはずです。

その規定を一緒に調べて、時に意見を言ったり、行動を起こしたりすることで、ルールを変えていくことができることを教えていきましょう。

学校での目標や楽しみがない

学校でやりたいことや楽しみなこと、目標がないと学校に行く意味がわからなくなることもあります。

目標とは、自分が熱中したり、ワクワクしたりするものに一生懸命に取り組むことでうまれてくるものです。

そのため、無理やり目標を見つける必要はなく、眼の前のことをコツコツ取り組んだり、興味のあることにチャレンジしてみたりすることが大切だと伝えましょう。

苦手な先生がいて、会いたくない

先生に苦手意識があるケースも見受けられます。

小学校の場合には、担任の先生が多くの授業を担当するため、苦手意識があると、学校に行くのが辛くなることが多いです。

そこで、「苦手だと感じる先生とは距離を取っても大丈夫。」

「世の中には気の合わない人が誰にでもいるので、程よい距離で付き合えば大丈夫。」

「おかしいと感じるときには、親に相談してね。」

と対処の仕方を教えましょう。

余談ですが、「2:6:2の法則」というものがあります。

集団の中の人間関係では「どんなことをしても好きでいてくれる2割の人、どちらでもない人が6割、どんなことをしても嫌われる2割の人で構成されている。」という法則です。

何をしても2割の人から嫌われてしまうのです。

そんな人に心を砕いていると疲れ切ってしまいます。

だからこそ、距離を取ってもいい、みんなと必ず仲を良くしないといけないわけではないことを伝えます。

学校生活が全てになってしまっている

子どもにとって、学校は、生活の半分ほどの時間を過ごす大切な場所です。

学校がつまらないと感じると、人生そのものがつまらないと感じてしまう子どもも少なくありません。

そんな時は、習い事などを始めて見るのも一つの選択肢です。

興味のある物事をコツコツ取り組んで上達した。

周囲の人とうまく関われるような場所を得られた。

このような経験から、子どもの自己肯定感が育つきっかけになる場合があります。

「学校が楽しくない」と感じても「学校へ行った方がいい理由」

毎日学校に行くのが辛そうな姿の子どもを見ると、学校へ行かない選択肢も検討されます。

私も教師ですが、学校へ行くだけが必ずしも正解ではないと思っています。

ただ、学校生活には、これから子どもが社会で生きていくために必要な学びがたくさんあります。

学校は子どもの将来につながるという観点から「学校へ行ったほうが良い理由」を書きます。

進学のため

学校へ通うと、進学の選択肢が広がります。

不登校気味で学校へ行っていないと、全日制の高校を目指すことが難しい場合が多いです。

また、授業に参加せず、学習内容が習得できない状況だと、目指せる学校も減ってしまいます。

将来の夢が見えていなくても、学校に行き、進学先の選択肢を増やしておくことは、子どもの将来につながります。

就職のため

人間の価値は学歴によって決まったり、判断されたりするわけではありません。

ただ、高卒、大卒、専門学校卒の方が、中卒よりも就ける仕事が多いのは事実です。

進学の選択肢が広がることで、子どもの将来就ける仕事の幅も広がります。

子どもには、次のことを伝えましょう。

「将来夢が見つかったとき、学校へ行かないことで、その夢をあきらめなくてはいけないこともある。でも、学校に行かないあなたの意見を尊重していきたいから、最終的にはどうしたいか自分で決めてほしい」

このように伝えて、子どもが将来について考えながら、冷静に学校へ行くべきか考えられるようにしましょう。

目標を見つけるため

「やりたいことや目標を見つけるために学校に通っている」と考えれるようにするのも良いでしょう。

学校は、家庭では体験できない様々なことに触れることができる場です。

また、いろんな人と出会う中で、自分が何に興味があるのか知ることもできるでしょう。

学校とは目標をもつけるための時間なのだと教えてあげてください。

嫌だと思うものについても、どういうところが嫌なのかを言語化できれば、子どもは自分の好きなものが何かを少し理解できるようになります。

このように、子どもの中にある「嫌だ」という気持ちが少しでも前に向くようにサポートしてあげることが大切です。

「学校がつまらない、楽しくない」時に試してみたいこと

学校がつまらないと子ども自身が感じている時に試してほしいことをここからは書きます。

自分の気持ちを書き出して、どうしたいか考える

まず、自分の気持ちを書き出してみるのがおすすめです。

「学校の何が嫌なのか」

「本当はどうしたいと思っているのか」

書き出してみることで、自分でも気づきが得られると教えてあげましょう。

思いつく限り書き出し、それぞれ「なぜ?」と問いかけて、自分の感情の根本を辿って行きましょう。

根本にある気持ちに気づければ、後はその気持ちに従って行動していくだけです。

次にどうしたらいいのかが明確になることで、行動した時に「できた」と実感が得られる、それが子どもの小さな成功体験になってきます。

私が担当した子で、「とにかく漠然と不安」と不安が言語ができない子がいました。

そこで、とにかく紙に不安なことを聞き取って書き出して、不安の根本を整理しました。

できることは学校で対応したり、取り除いてあげたりしたことで、不安要素が半分になりました。

残りは、子ども自身が正対しなければならない問題であり、一緒に解決策を練ってトライアンドエラーを繰り返し少しずつ改善をしていきました。

本人も、不安に対して挑戦し、心が楽になっていくのを感じて、「よかった」と実感をもてました。

話したことのない人に話しかけてみる

気の合う友達がいない状態の時は、今まで話したことのない人に話しかけてみるのがおすすめです。

知らない人に声をかけるのは勇気が必要ですが、本当に気の合う仲間に出会えることもあります。

同じクラスにとどまらず、気になる人に声をかけると良いでしょう。

話しかけたからと言って相手が嫌な気持ちになることはありません。

また、自分が思っている以上に相手は自分のことをなんとも思っておらず、自然と受け入れてくれるものです。

自分は、大学の時に同じ経験をしたことがあります(といっても話かけられた側としてですが)

大学2年生の時に、学食の列に並んで、「麻雀を教えてよー。」といつものメンバーと話をしていました。

そこにたまたま後ろに並んでいた(当時授業にあまり出ていなかった)Aが「俺、麻雀できるよ。」と話題に入ってきたのです。

Aが授業にはあまり出なかったので、大学の友達く、私も良い印象を持っていませんでした。

Aが話に入ってきたことには驚きましたが、彼は麻雀の他にもキャンプや漫画など趣味がたくさんあり一緒にキャンプをしたり、趣味のことを教えてもらったりと、とても気が合いました。

大学を卒業してからも、年に何度も家に遊びにきてくれるくらいの1番の仲のよい友達になりました。

勇気を出して、前向きに行動してみましょう。

何か変わるかもしれません。

小さな楽しみを見つけてみる

「国語や算数はつまらないけれど体育や美術の授業は好き。」

「勉強はつまらないけれど、部活は楽しい。」

「勉強も部活も楽しくないけれど、友達と話している時間は楽しい。」

このように、「学校の全てがつまらない」と感じている子は少なく、「一部ではあるが楽しいこともある」と感じる子がほとんどです。

このように些細なことでも良いので、楽しいと感じることを探してみましょう。

見つけられたら、それをさらに楽しむ方法を考えていきます。

そうして楽しみを少しずつ大きくしていくと、学校生活そのものも楽しんでいけるようになっていきます。

学校以外のコミュニティに参加してみる

学校以外に目を向けてみると、視野が広がるかもしれません。

地域のコミュニティ、習い事、ボランティア活動、親戚の集まりなどなど。

こういった学校と異なるコミュニティで楽しめるようになると、学校が苦痛でも、生活全体の楽しみが増えるため、前向きになれることがあります。

学校は社会性を学ぶ大切な場所ではありますが、学校だけが全てではない、学校はつまらなくても社会に出ると楽しめる場所がたくさんある、楽しめる道へ進むためにも学校へ通っておきたい。

そのような気持ちにシフトするきっかけになるかもしれません。

学校がつまらない、楽しくないと感じる子どもに対して親ができること

最後に、親・保護者として心にとめておきたいことをここに書きます。

なるべく具体的に話を聞いて共感を示す

子どもの話を聞いて、どんなところがつまらないと思っているのかをできるだけ具体的に引き出してみましょう。

その上で、お家の方も「私も子どもの頃はそう思っていたな。」と共感しながら、話してあげると子どもも安心します。

学校を楽しめないことを悪いことだと思って、自分を責めてしまうお子さんもいます。

お家の方が子どもの気持ちを受け入れて認めてあげていると、子どもは自分を責めたり、否定したりすることもなくなってきます

お家の方が、子どもの気持ちをいつも受け入れてあげると、「解決するために何かをしていけばいいかな」と前へ進む気持ちの土台が出来上がります。

子どもは親に甘えていいと思います。

甘やかしてもらった分、外では頑張れる、そんな塩梅がいいのかなと思います。

ただ、単純に甘やかしてばかりではいけません。

次を見ていきましょう。

正しい親子関係を築き、正しいポイントで子どもを褒めて自己肯定感を育てる

子どもが学校をつまらないと感じてしまうきっかけはたくさんあります。

自己肯定感を育ててあげると、主体的に学校生活を楽しめるようになったケースも多いです。

自己肯定感が低い子どもは、勉強でも部活動でも「自分にはできない」という気持ちが強いようです。

そして「できない自分はダメなんだ」と考えて落ち込んでしまうため、何をしていても楽しめなくなってしまいます。

本来、できるかどうかは、楽しいかどうかとは別問題です。

自己肯定感が高い子どもは、

「勉強ができないけれど、あの先生の授業は面白いから好き!」

「もっと頑張ってわかるようになりたい。」など、得意不得意に関わらず物事を楽しめます。

そのため、子どもを正しいポイントで正しく褒めてあげて自己肯定感を育ててあげることが大切です。

そのためには、正しい親子関係を築いていく必要もあります。

信頼できて尊敬できるお家の方からさらに褒めてもらうことで、自己肯定感が育っていくことでしょう。

正しい親子関係の築きかたや子どもの正しいポイントで褒める方法は、お家の方が色々試して見つけていく必要があります。

一例ですが、以前記事にしたので、こちらを読んでいただければ嬉しいです。

楽しむためには主体的に行動することが大切だと教える

学校生活に限らず、何かを楽しむためには自分から行動することが大切だと教えてあげましょう。

受け身の状態だと、楽しませてくれる人や何かがなければ楽しむことができませんが、自分から楽しもうとすればどんなことも楽しむことができるはずです。

例えば、学校の授業が簡単すぎてつまらないのであれば、授業で使っているワークを、授業中にどれだけ進められるかチャレンジしてみると良いでしょう(厳しい先生がいれば、先に確認しておくのが無難です)

仲の良い友達がいなくてつまらない場合は、1日で話したことのない人とどれだけ仲良くなれるか挑戦してみると良いと思います。

こんなふうに、自分で挑戦していけば楽しいことはたくさんあります。

自分の人生をゲームのように楽しんでいくとよいと思います。

この力は社会に出てからもどんな時でも子どもを支えてくれます。

子どもだけではどうすれば楽しめるのか思いつかないこともあるので、お家の方がヒントを出して一緒に考えてみるのも大切です。

「楽しいこと=したいこと」だけでなく、「すべきこと」も大切だと教えてあげる

楽しめないから学校に行きたがらず意欲がない子どもには「したいことだけをしていたい」という気持ちが強いのかもしれません。

もちろん、楽しいことを全力で楽しむこと、したいことをしようとする行動力は素晴らしいです。

ただ、社会で生きていくためには、やりたくなくてもすべきことに向き合う必要があります。

やりたくなてくもすべきことに気持ちを向けられるようになれば、子どもはどんな環境でも力を発揮できるでしょう。

「やりたいことだけをしながら生きていくのは難しい。」と説明してあげると納得してもらえることもあります。

例えば、サッカーやバレーボール、野球など好きな競技のスポーツ選手を目指していたとしましょう。

最近なら、野球の大谷翔平でしょうか。

チームメイトとうまく付き合うには、嫌いな人とも話さなければいけない。

メジャーでやっていくには英語などの外国語も必要。

もちろん、野球ばかりではなく、年俸の契約やアメリカでどう暮らしていくか・・・生活に関わることもしなければいけません。

こんなふうに子どもが興味をもっていることを例にして話をしてみると、話を聞いてもらいやすくなります。

おわりに

学校がつまらないと感じているお子さんは、日頃からストレスを抱えています。

ストレス状態が長く続くと、学校に行きたがらなくなったり、不登校になったりすることも考えられます。

子どもさんに心配な状況が見られるのであれば、早めの対処が大切です。

注意してみるポイントは、

  1. 親の顔を見なくなる
    ストレス、精神的に辛くなると親に心配をかけたくないという思いから
  2. 注意力が散漫になる
    大きなストレスを抱えると、忘れ物や失くし物が増える
  3. 元気がなくなる
    本来、好奇心旺盛で元気いっぱいのはず。無意識にエネルギーを使わなくなっているかも
  4. ぐっすり眠れなくなる
    ストレスが溜まると、眠れない。夜中に急に飛び起きることも

こうした変化を感じた時、まずして欲しいことは、子どもに家庭を「安全・安心な場所」と認識させることです。

そのためには、お家の方が子どもを「承認」することが大切です。

具体的には

  • プロセスの承認
    大変な思いを抱え込んでいたこれまでの過程を「よく頑張ってきたね」「気づかなくてごめんね」と承認する。そうすることで、子どもはお家の方へ安心感を抱きます。
  • 存在の承認
    「〇〇ちゃんがいるだけで助かるよ。」など、本人の存在を承認する声掛けをする。日頃から名前を呼んで挨拶や声掛けをする積み重ねが大事。

子どもが「学校に行きたくない」というと、親としてとても焦ると思います。

その気持ちはとてもよくわかります。

まずは、子どもの話を聞いて、これからどうするかゆっくり考えを深めていけるといいですね。

子どもが家庭で安心できて、外では頑張れる、そんな場所にしたいですね。

スーさん
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参考HP

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【校則の見直しについて 文部科学省のHPより】

校則の見直し等に関する取組事例:文部科学省

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