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【特別支援 授業 学級経営 無気力】授業中、ぼーっとする子への声のかけ方

学級経営・生徒指導

授業中、ぼーっとしている。

声をかけても動き出せない。

そんな子を、初めて担任を持った時に受け持ちました。

その時は、取り出して授業をしてもらうことくらいしか思いつかずにできませんでした。

今だったらこんな支援もできるのではないかと考え、記事にしたいと思います。

子どもの様子(当時小4)

その子は、授業中、寝ることはしませんでしたが、とにかく前を見て上の空という感じの子でした。

ぼーっとしていて、「今、黒板に書いたタイトルの部分を書くよ。」と伝えると、その一瞬は鉛筆を持って学習をしようとするのですが、10秒後にはぼーっとしているといるといった感じでした。

算数・国語などのいわゆる座学は、そんな様子。

図工、音楽も手は動かすけれど、ぼーっとする感じ。

体育だけは、みんなと楽しく体を動かしていました。

それまでの様子を、他の先生に聞いてみると、ぼーっとするのが顕著になったのは、3年生あたり。

1、2年生の時は先生の話を聞いて、それなりに頑張っていたようです。

個別で算数を取り出して、2・3年生の学習に戻ってやるようにしたところ、マンツーマンになれば頑張って勉強をしているとのことでした。

ただ、なかなか定着はしませんでした。

クラスの中での対策

当時は、初めての担任だったので、個別に見てくれる先生が1人ついてその子を指導してくれました。

人手不足の今だったら、きっとついてくれないでしょう。

先生1人で、この子のやる気を引き出すには、どんな支援ができるのでしょうか?

誰もができる活動を授業内に入れよう

3年生あたりから、授業でぼーっとするようになったと書きました。

もしかしたら、3年生になって勉強が難しくなり「勉強がわからない、特に算数はわからない。」と認知から「やらなくたっていい。」となったということが考えられます。

この子は個別に指導をすれば、勉強に向かうようになったので、何かしら「できた、やれた」という実感をもてれば、頑張れることができるのかもしれません。

そこで、「授業の最初5分を、みんなが絶対できることをしよう。」という対策を打つことを考えます。

具体的には、算数だったら、「簡単な計算練習」です。

代表的なもので、音声計算トレーニングや、1分計算トレーニングがあります。

音声計算トレーニングは、愛知教育大学教職大学院特別教授の志水廣先生が考案された物です。

ペアで行う活動になります。

ドリルを持って、Aさんが出した問題に対して、Bさんが答えていくといったトレーニングです。

教科書会社の啓林館のページに紹介があったので、詳しくご覧ください。

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1分計算トレーニングは、鈴木英之先生が考案したトレーニングです。

これは、100問書かれている計算シートに答えを書いていきます。

毎日1分行います。

次の日は、同じ問題用紙で、続きから問題を解いていきます。

毎日正解数を書き込んでおき、自分でどれだけ計算力がつくようになったか振り返っていく計算トレーニングです。

詳しくは、鈴木英之先生のページにテンプレートと使用法が紹介されているので、こちらを参照してください。

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これは、「作業興奮」を引き起こすことを狙っています。

作業興奮とは、脳の「側坐核」という部分があって、実際に行動を起こし始めた時に、活性化される状態とも言います。

よく「勉強がやる気にならなくても、とりあえず机に座って、問題を1問解いてみなさい。」ということを聞いたことはないでしょうか?

1問解いたら、2問、3問とやってしまったという経験は誰しもしたことがあると思います。

これは、1つ問題を解いた瞬間に「側坐核」が活性化して、作業興奮状態になり、次第に楽しくなるという効果によるものです。

計算トレーニングをすることで、この側坐核の活性化を狙っています。

他にも、授業の最後の演習問題の時間だったら、学習したことを黒板を見て復習をして、「演習問題の1問だけ、この部分だけ頑張ろう」と声をかけるのもいいかもしれません。

途中式の一部や答えを薄く書いてあげて、問題のとっかかりを作るのも一つだと思います。

1問できたら、先生のところに持ってきて丸つけをするというのもいいかもしれません。

そうやって、最初の滑り出しを作ってあげましょう。

「わからない」と言えるのも大切

研修会でよく言われるのが、特別支援学級の子どもは「わからない」「助けて」ということは難しいということです。

プライドだったり、特性的に言えなかったりといろいろありますが、とにかく自分で「ヘルプ」を出すのが苦手という子が大勢います。

そこで、「問題がわからない時も、先生に『この問題がわからない』とノートや教科書を持っておいで」と伝え、「わからないことを、わからないと言うのも大切な勉強なんだよ。」とうことを伝えます。

もし、「わからない」と持って来れたら、盛大に褒めてあげてください。

そして、「この問題はこう解くんだよ。」、「ヒントはね・・・。」というふうに、問題が解けるように声かけをしていきましょう。

また、少しでも考えた跡があったら、そこも褒めて、成長や変化した部分を認めてあげましょう。

そうやって、側坐核を刺激してやる気スイッチを入れていくサイクルを作ります。

朝ごはんを食べていないかも?

朝ごはんを食べていなくてぼーっとしているという可能性も考えられます。(この子は、朝ごはんをしっかり食べさせてくれていました)

特に、3、4時間目あたりにぼーっとするという子は、朝ごはんを食べていない可能性が大きいです。

ぼーっとするのは、セロトニンという物質が関係してきます。

セロトニンという物質は癒しや、安定をもたらしますが、ご飯を食べていないと、セロトニンが分泌されません。

セロトニンの素になる物質は、「トリプトファン」と言いますが、これは食べ物を通じてでしか摂取できない栄養素になってきます。

だから、頭に栄養を回すことができないので、先生がどんなに手立てを講じてもうまくいきません。

ここは、家庭の協力が必要になってきます。

余談ですが、無気力だけでなく、反発するタイプの子でも、朝食を食べていないという子もいます。

セロトニン同様、ドーパミンの元となる物質もご飯を食べてでしか得られません。

家庭での朝の様子を聞いてみるのも選択肢の一つになってきます。

まとめ

今回は、授業中にぼーっとする子への対応を考えました。

  • クラスみんなができる活動を行って、側坐核を刺激しよう
  • 「わからない」と言えるように支援をしよう
  • 朝ごはんを食べているかも確認してみよう

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スーさん
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