年度の最初に、1年間学級で頑張りたいことを決める学校は多いのではないでしょうか?
「学級目標」といったり、「学級訓」といったりする学校もあります。
学級目標を、黒板の上に掲示でまとめる学級も多いのではないでしょうか?
発達障害の子の気が散るからと、最近は教室後方に貼るクラスも増えてきましたが、学級目標を決めないという学校はほとんどないと思います。
自分はよく学級目標を決めたのはいいものの、掲示物を貼ってそれを活かせずそのまま3月になってしまったなんてこともありました。
もう一度学級目標の意味と必要性、そして、自分が意識をしていることを綴ってみたいと思います。
学級目標がほこりをかぶってしまうのは何で?(意味と必要性)
一般的に学級目標を決める流れは以下のような感じではないでしょうか?
- 子供に、どんな学級にしたいかを聞く
- そこから、「えがお」といったキャッチフレーズをつくる
自分はいつもそんな感じで行っていました。
学級目標を掲げたっきり、そのままほこりを被ってしまうのはなぜでしょうか?
自分の経験上、次のような原因が考えられます。
- 学級目標そのものが子どもの中に落ちていない
ー出てきた意見が、1人の意見の子どもの意見であり、他の子は、ほんとに出てきた意見のような クラスにしたいと思っていない子どもが多い。
ー先生の意見が先行していてい、子どもの意見が反映されていない - 学級目標を掲げたっきり、振り返ることをせずに、なんとなく過ごしてしまう。
ー人間はつい忘れてしまう生き物です。目標について要所要所で振り返る必要があると考えます。
そこで、以下のようなことに気をつけて、学級目標をつくるようにしました。
学級目標は「ビジョン」、そこから「目標」に落とし込むべし
「ビジョン」と「目標」が混在していないか
先ほど、問題点を掲げましたが、子どもの間や、先生と子どもの間で学級目標の浸透具合が違いませんか。
「目標」は達成するべき目標です。
「テストで80点取る」とか、「9時までには寝る」といったものが目標になります。
目標は、自分で決めれば、「目標を達成するぞ」と頑張る気持ちが起きますが、人から押し付けられた納得のいかないものだとやる気が下がってしまいます。
そこで、学級目標では、目標とは言っていますが、「目標」ではなく「ビジョン」を語ることが大切になってきます。
「ビジョン」は「理想の姿」「理想のイメージ」です。
理想を叶えるためにどう取り組むかは、子どもそれぞれが考え行動することになります。
かっこいいビジョンを掲げれば、子どもたちはそのビジョンを達成するために考え出すのです。
「ビジョン」と「目標」の違いを整理するとこんな感じです。
ビジョン | 目標 |
---|---|
未来の理想像 理想のイメージ | 現実的な目標 |
他社貢献、社会貢献 | 現実的、実利的 |
モチベーション↑ | モチベーション↓ |
協力、応援、団結、自発的、能動的 | 非積極的、人任せ、受動的 |
学級目標の決め方
4月の学級において、先生の役割は、「学級の子どもたちを率いる」ことが大切になってきます。
「率いる」という言葉に抵抗がある先生もあるかもしれません。
それでも、4月新しい環境になり、人間関係ができていないクラスにとって、先生が子どもたちを率いて1年の指針を示すことはとても大切になってくると思います。
人間関係ができてきて、学級の進むべき方向が見えてくれば、だんだん子どもたちに渡していけばいいのです。
閑話休題。
さて、最近は次のようなことを意識して学級目標を決めるようにしました。
混同してはいけないのが、学級目標は、「ビジョン」を語るのが大切なのです。
以下のように学級目標を決める流れを変えてみました。
- 今年どんな学級にしたいか、担任が「ビジョン」を話す。
- 子供にも、どんな学級にしたいか「ビジョン」を考えさせる
- グループで、どんな学級にしたいか「ビジョン」を交流する
- 全体でビジョンを交流して、共通点や相違点を洗い出し、学級の指針を決める
- そこから、「えがお」といったキャッチフレーズをつくる
先程行ったように、子どもは新しいクラスになってドキドキしています。
そこで、学級として実現したい「理想の姿」、「理想のイメージ」を示すのです。
「ビジョン」を掲げ、「ビジョン」を共有できると人はついてきます。
クラスなら、「ビジョン」に向かって子どもたちは動き出します。
友達や学級を応援し、支え合い、高いモチベーションで、高い能力を発揮できるようになるのです。
ただ、企業ではないので、子どもとの合意形成は大切です。
教師が示したビジョンをたたき台にしながら、3番のように子どもたちと一緒にどんなクラスにしたいか「ビジョン」を固めていきましょう。
そして、自分で考え自分が納得した目標を作るのできっと子どもたちは、目標に向かって頑張り出すことができるでしょう。
学期ごと、月ごとに目標を決めよう
ビジョンを共有できれば、子どもたちはやる気になります。
そこで、もう一押し。
学級目標(ビジョン)が決まったら、それぞれ「個人の目標」を決めましょう。
これは、子どもそれぞれが学級目標を達成するために何をするのか「目標」を決めるのです。
学級目標がはっきりしているので、子どもたちは学級目標を達成するために何をすべきか考え出すのです。
振り返りも大切に
個人の目標を決めたら、振り返りも必ず行います。
学期ごとや月ごとに振り返りをさせます。
自分で真剣になって考えた目標なので、振り返れば、次をどうするべきか考え出すでしょう。
そうやって、学級目標に向けて、自分を高め続けるやり方を身に着けさせるのです。
こんな振り返りシートを自分は使っています。
最後に
今回は、学級目標の作り方で気をつけていることを書きました。
もちろん、運動会や文化祭などのスローガンも同様です。
合理的配慮という言葉も一般的になってきました。
みんなが頑張れる学校、みんなが楽しめる行事にするためにどんなビジョンやスローガンをもてばいいか考えさせられますね。
「ビジョン」の共有と、「目標」の作成をうまくやっていくことで、自分を高める子どもたちの姿を見つけていきたいです。
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