最近、通信教育や予備校で、「AIが苦手を把握、克服に全力サポート!」といった、AIを全面に押し出したPRをするようになりました。
じゃあ、勉強を教えるのはAIに任せて、先生は、生徒指導に注力すれば良いのではないか?
とも思うのです。
ただ、これは落とし穴だと思っています。
AIドリルの特性と、人間だからこそ出来ることを整理し、これからの教師の在り方を見つめ直そうと思います。
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こちらの本を参考にしました
AIドリルはどんな機能?
そもそもAIドリルはどんなものなんでしょうか?
基本的には、最初は、昔からある紙のドリルをタブレットやパソコンを使ってやると思って頂いて変わりません。
紙のドリルと違いがでてくるのは、ドリルをある程度やった時です。
AIが、苦手な分野や問題の傾向を把握し、その苦手を克服するように、類似問題や前学年の問題を自動で出してくれるというものです。
今までだったら、間違えた問題にバツ印を付けて、次の日やるぐらいしか出来なかっのですが、復習問題を自動で出してくれるから、学習者が骨を折る必要はなくなります。
一見とても便利そうです。
メリットと大きなデメリット
先程言ったように、
間違えた問題や、類似問題、抜け落ちた知識を補強するような問題を出題してくれるのが大きなメリットです。
しかし、よく考えてください。
AIのドリルでも、紙のドリルでも言えることですが、ドリルで考える力、読み解く力は本当に育つのでしょうか。
英単語の復習、歴史の重要語句の確認、計算問題。
クイズ番組のように、覚えて解答するタイプの問題ならよいでしょう。
計算も速く正確になります。
ただ、計算が速いことはそれほど重要でしょうか?
歴史などでも、人物名や事件の名前、国語だったら漢字を沢山覚えていれば、賢いといえるのでしょうか?
そういう形式的な知識こそ、AIの方が得意です。
人間のように忘れず、全て正確に覚えているのですから。
人間がAIに勝っている力。
それは、知識を応用し、発展させる力です。
社会だったら織田信長という言葉を知っていてもしょうがありません。
織田信長が、当時の政治で何をしたのか、何が革新的だったのか。
そして、現代に生きる我々はそこから何を教訓として得られるのか。
数学だったら、ある公式はどういう過程で導き出されたのか。
その公式からどんな示唆を得られるのか。
はたまた、どこに応用できるのか。
その積み重ねがここまで科学を発展させたのです。
AIドリルをやることで、知識は増えるでしょう。
ある形式の問題には習熟するでしょう。
ただ、そこから発展的に考え広げる力はつくのでしょうか?
詰め込み型教育と何が違うというのでしょう。
AIを過信しすぎたはいけません。
それが僕の結論です。
私の経験
ここまで、偉そうな書き方をしましたが、大学受験をする私は、全く同じ失敗をしました。
数学や物理の問題をたくさん解き、わからない問題はとにかく意味も考えず、解法を頭に入れる毎日。
今思えば、根本を理解している訳では無いので、少し前提条件が違うと、結局よく分からなくなってしまい、また暗記。
そりゃ、成績伸びません。
しょーもない勉強をしてたなと、今、赤面です。
今、のばすべき力
それは、教科書レベルの文章なら、正確に誤解なく読むことができる読解力です。
よく学校の先生は
「学校の勉強や課題をしっかりやれば、難関校も入れる」
と言います。
僕もその通りだと思います。
ただ、ある前提条件がつきます。
それは、
「教師のいったことを正しく理解し、忘れたら教科書を自分で読んで、理解又は質問できる読解力を持つ子」
なら、可能です。
正確に読める、または聞ける力がないと、そもそも、何が書いてあるか分からず、結局は暗記に走ってしまい、私の大学受験のようになってしまうのです。
だからこそ、読解力です。
それを付けるにはどうすれば良いか。
数学教師として何が出来るか考える必要があります。
その手立ては…?
読解力を伸ばすにはどうすれば良いなでしょうか。
どんなトレーニングが有効なのでしょうか。
まだ、自分もそこを掴めていません。
その糸口を見つけるのが、僕のこれからの課題です。
もし、いい情報あったら、教えてください。
参考文献
新井紀子.「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」.東洋経済新報社.2018
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