おすすめされた本は、目を通すようにしています。
といっても、最近自己啓発書ばかり読んでいて、小説は読んでいませんでした。
そんな折に、「湊かなえ、スーさん読んでないの?意外!あれは、人の嫌なところが全部詰め込まれているよ。読んでみてよ。」と言われました。
書店で並んでいるのは見たことある。
確か本屋大賞にもなった気がする。
映画で「告白」もブレイクした。
あ、自分の読書メーターにも読みたい本として、いつかに登録をしていました。
ついに読むべき時が来たか・・・。
そう思って、近くの図書館で借りてきました。
いまさらながら「告白」のレビューです。
あらすじ

ある中学校の学年末の終業式。
1年B組の担任を務める女性教師が、37人の生徒を前に衝撃的な告白を始める。
彼女の娘は亡くなっており、警察は事故死と判断した。
しかし、このクラスの生徒が娘を殺したのだというのだった。
もう少し知りたい方は、wikipediaを参照してください。
「告白」を読んでの感想

ここからネタバレあります。
人は人を理解することは到底できない
この本は、登場人物の日記、あるいは独白を読んでいく形式になっています。
6章あって、各章ごとに、一人の登場人物の一人称視点で物語が紡がれていくのです。
1章は、子どもが殺された教師の告白に始まり、2章以降は、事件の前後の様子を2人の犯人の視点や、その周囲の人物の視点で語られていきます。
この本の面白いところは、犯人の思惑と、それぞれの登場人物の認識の違いです。
子どもを殺して、精神が崩壊していく犯人の一人。
子どもを殺して、改心したようにみせる犯人。
どちらも子どもを殺してしまって、動揺したり、改心しようと見えるのですが、心の奥底はそんなことを微塵も思っていなかったのです。
それを、犯罪者視点と周りの支える立場の人間の認識のずれといったら・・・。
そこを楽しむのも、一つの面白さでした。
読んでて苦しい、どろどろしてる。でも、とまらない・・・。
二日で一気に読んでしまいました。
各章のタイトルの意味は?
各章のタイトルは以下のようになっています。
第1章 聖職者
第2章 殉教者
第3章 慈愛者
第4章 求道者
第5章 信奉者
第6章 伝道者
これは、それぞれの語り部の登場人物のことを指すと思うのですが、その章で登場する人物、幾人にも当てはまるなぁと思いました。
これは、ダブルミーニングを込めているのかな?
んん?
森口と会った、渡辺君の実母は、渡辺君のことをどう思っていたのか?
※結末に当たる最後2Pの内容なので、読んでいない人は読み飛ばしてください。
ここは、どうなったのか作品には書かれていませんが、つい教師として、様々な家庭の様子を見てきた中での感想です。
渡辺実母は、「ぶっちゃけもう、渡辺君のことをどうも思っていなかった。」のではないでしょうか?
少なくとも森口が会いに行くまでは、渡辺君のことを忘れていた、普段の意識からはなくなっていたんじゃないのかなと思います。
お母さんは、工学の分野でとても高名だったこと。
もしかしたら、ASDの側面はあったのだろうと思います。
自分は、完璧であらねばならない(今回だったら、工学分野でもっと名を上げられたのに、息子が邪魔)というのがずっと頭にありました。
普通なら、そこで息子に手は出ないのですが、実際に、手を出しています。
手を出した夜、泣きながら渡辺君の頭をなでるのです。
明らかに矛盾していますよね。
そして、離婚が決まったときには、今までの虐待を取り戻すかのように甘やかし、家から出ていった後には、連絡一つよこさない(ように描写されています)
本当に気になるなら、なにかしらの支援やアクションを渡辺君にしたはずです。
それなのにしなかった。
それは、結局渡辺君がいない離婚後の暮らしのほうが圧倒的に楽だった。渡辺実母の理想だったからです。
結局は、渡辺実母は大学の教員と結婚をしています。
きっと渡辺実母は、森口から、渡辺君の話を聞くまで、渡辺君のことを忘れていたのではないでしょうか。
森口は、最後、渡辺実母の研究室を爆破して話を終えますが、これは、森口の救済とも復讐とも取れます。
渡辺実母が、今も渡辺君のことを愛しているといったなら、森口の復讐です。
逆に、渡辺実母が、渡辺君のことを気にも留めていなかったなら、森口の救済ともいえるでしょう。
全編を通してみれば、最後の爆破は森口の復讐と解釈するほうが一般的ですが、本当のところはどうなのでしょう。
渡辺君のアイデンティティを消し去ったことで、渡辺君の更生の道が開かれたとも、再起の道を断ったともいえるかもしれません。
贖罪について
一般的に罪を犯したら、刑務所に入ったり、罰金を払うのが基本です。
けれど、罪を犯した人って、どんな思いで刑務所で暮らしているのかななんて思いました。
本作は、森口による私刑が行われています。
これもいいのかという論点もあるのですが、罪の意識そのものに、とても関心がでました。
そんな時にPodcastの「TABI SHIRO 〜足を運んで、見て、聴いて〜|タビシロ」のなかで刑務所の罪を犯した人の尊厳という話がでてきました。
全く、この小説とは関係ないのですが、贖罪とは何か。何が贖罪になるのか。
また、被害者側ってどんな気持ちで裁判などを眺めているんだろうな。
なんて考えてしまいました。
最後に

この本を読んで、一番、心に残っているのは以下の部分です。
ほとんどの人たちは、他人から称賛されたいという願望を少なからず持っているのではないでしょうか?
しかし、良いことや、立派なことをするのは大変です。
では、一番簡単な方法は何か。
悪いことをした人を責めればいいのです。
それでも、一番最初に糾弾する人、糾弾の先頭に立つ人は相当な勇気が必要だと思います。
立ち上がるのは、自分だけかもしれないですから。
でも、糾弾した誰かに追随することはとても簡単です。
自分の理念など必要なく、自分も自分も、と言っていればいいのですから。
そのうえ、良いことをしながら、日ごろのストレスも発散させることができるのですから、この上ない快感を得ることができるのではないでしょうか。
そして、一度その快感を覚えると、一つの裁きが終わっても、新しい快感を得たいがために、次に糾弾する相手を捜すのではないでしょうか。
はじめは、残虐な悪人を糾弾していても、次第に、糾弾されるべき人を無理やり作り出そうとするのではないでしょうか。
ー「告白」.湊かなえ.P73~P74
ネットの世界はもちろん、学級でもよく起こることではないでしょうか?
先生のちょっとした一言で、子どもが良いほうにも、悪いほうにも転がっていく。
そして、悪いほうに転がったときに、上記の引用のような状態になる。
人間のどす黒いところの一面を見事に切り取った一文だななんて読んでいて思いました。
映画も話題になったので、見てみたいな・・・。
皆さんはこの本を読んでどんな感想をもちましたか?
感想・コメントお待ちしております。

最後に小説を読んだのは、半年以上前の「火星の人」でした。
今年はもう少し、小説を読んでみようかなと思いました。
新しい発見がありそうです。
おすすめの小説がありましたら、コメントでぜひ教えてください!
読みます!感想を書きます!
参考文献・参考HP
参考文献
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