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【自由進度学習 算数 数学】自由進度学習ってなに?どういう授業をすればいいの?ー「深い学びを生む! 算数科の自由進度学習」(天野翔太)を読んでー

算数・数学教育

最近、「自由進度学習」が流行りです。

実は、私は、まだ自由進度学習の授業を見たことはありません。

一回見てみたいな、やってみたいな。と思っていたところに、友人の天治郎こと、天野翔太先生が「自由進度学習」についての本を出しているではありませんか。

これは、ぜひ購入しなければ!と思ったところ、サイン付きでプレゼントしてくれました。

今日は、天野先生の「自由進度学習」について勉強になったこと、自分で実践してみたくなったいこと。

そんな思いを書きたいと思います。

自分の自由進度学習のイメージや印象

テレビで「〇〇小学校で自由進度学習が取り入れた!」というニュースを見たことがあります。

ニュースのクラスの映像を見る限り、板書はなく、児童は思い思いにプリントを学習しています。

先生は、困っている子に声をかけて補助をする。

そんな授業を展開している(ように)見えました。

そこからの僕の自由進度学習のイメージは「最悪」です。

これって、公文式と何が違うんだろう。

プリントが解ける=本当の理解につながっているのか?

プリントが終わらない児童はどうするんだろう?

これって、先生がいない時の自習と何が違うんだろう?

もちろん、計算ができるということ、問題を解けるということはとても大切なことです。

自分の高校の数学への取り組み方がそうだったのですが、覚え方を暗記して、問題が解けるでは、結局入試問題に対応で来ませんでした。

私は高校数学で学んだことが全く理解できていなかったのです。

小学校の先生がついた学習でも、高校時代の私と同じような学習になっているのでは危ないのではないか?と危惧しました。

算数・数学における本当の理解とは?

ここで、皆さんと確認しておきたいのは、「どんな授業が良い算数・数学の授業か?」です。

ここがブレていては、議論がまとまりません。

学校は、勉強をするところです。

勉強するからには「わかった!」とならなければいけません。

本記事では、「どんな授業が良い算数・数学の授業か?」の答えとして「子どもが『わかった!』と言える授業」としたいと思います。

では、「わかった!」とはどういう状態なのでしょうか?

R.R.スケンプが理解には「関係的理解」と「道具的理解」の2つの意味があると言っています。

関係的理解とは「やっていることも、その理由もどちらもわかっていること」であり、道具的理解とは「規則を身につけそれを用いること」です。

つまり関係的理解は「わかった!」であり、道具的理解は「できた!」なのです。

R.R.スケンプはどちらにも利点があることを認めつつも、道具的理解よりも関係的理解の重要性を主張しています。

九九を例に考えれば、2×3=6と解けることは道具的理解です。

九九のきまり(3年生)でやるように、「2×3は2が3つぶん。2×3=2+2+2でもいい」とか、「2×3と3×2は同じ答えだぞ。なんで?○○だからかな?」のように考え、理解できるのが関係的理解なのです。

「わかった!」という関係的理解を促しながら、自由進度学習をすすめるために

さて、算数・数学を学習していくうえで、「わかった!」という関係的理解をさせなければ、算数・数学の授業にはならないことをお伝えしました。

先にも申し上げた通り、「プリントをそれぞれの児童生徒のペースでやりなさい」と伝えても、道具的理解はできても関係的理解までは考えがいきつかないでしょう。

そこで、天野先生は、以下のように単元と1時間の自由進度学習を組むそうです。

【単元について】

単元の導入では、その単元を学ぶにあたっての基礎知識・数学的見方を徹底的に一斉授業で学ぶ。また、一斉授業の中で、児童生徒が学びたいと思う疑問・課題を表出させる。

その後、単元の中では、導入ででた疑問や課題をもとに、それぞれ個人追究を行う。

また、個人探究の時間のうらで、教師の確認テストをする場を設ける。タイミングが児童生徒が考え、先生に申し出る。

【各1時間の授業形式】

  1. ミニレッスン(一斉)で学ぶ
  2. 本時での計画をたてる
  3. 自らの学びをすすめる
  4. 本時のまとめをする

見る限り、教師の出る場はミニレッスンの時だけですが、児童生徒一人一人が学びを進めているときに、理解を深めるためにどんな声掛けが適切かを十分検討しなければなりません。

そのために、徹底的な教材研究や、フィードバックの個別化、課題の調節(児童生徒にとって、解けない課題であったり、問いがあいまいな場合がある)、児童生徒に指導法の検討が必要です。

また、探究した成果をどのように評価するかという問題も出てきます。

つまり、授業の前も、授業時も、授業の後もしんどいのです。

本を読んで、わからなかったところを著者本人に聞いてみた。

せっかくなので、本を読んでわからなかったことを著者本人に聞いてみました。(なんて豪華な)

Q:想定しているカリキュラムを修了しなかった子は? 九九を例に考えてみます。極端な話、6の段(一斉学習)、5の段、4の段(個別学習)だけしか時間内で学習を進めなかった子はどうするのですか?
先生チェックの時間で、7の段の問題を提示して、子どもに、そのことは考えなかった!と気づかせるのですか?(7の段を探究した子は復習になるし)

A:今までにそれはない。最低限のことはミニレッスンで必ず触れるし、進めなかった子は、自学などでやってたよ。どんな学習集団になってるかだと思う、大事なのは!
先生チェックは自分でいつ受けるか決めるから、そういうことはあまりない。まっすぐ進む子がほとんど。

→つまり、ミニレッスンの時間でも、どの程度教師が介入し、どこから自由進度学習をさせるか。教師が試行錯誤する必要がありそう。また、どのようなミニレッスンが必要かも児童生徒の様子を見て、決断する必要がある。

Q:先生チェックは、いつ取り組むんですか?探究初めて、ある程度時間がたったら一斉に取り組むのですか?

A:ある程度進めたら(書籍の)単元計画に「★1とか★2」が出てくるでしょ?それが先生チェックです。不安な子は、時間数等と自分で相談しながらもうちょい考えを深めるし、心配ない子はさっと取り組むかな。人それぞれ。

→テストを受ける時間を自分で決められるそうです。ただ、単元が終わる際には、絶対先生チェックを受けるように時間を児童生徒が決めて、探究を進めるみたい。

最後に

今回は、自由進度学習について、本を読んで学んだことをまとめました。

もちろん、これは本の一部の内容で、理念や手立てについてはここには書ききれないくらい、膨大な情報が入っています。

もし、自由進度学習を始めてみたいと思ったら、この本から読んでみることをお勧めします。

Xでもつながれるので、直接交流することもできるかもしれません。

危惧しなければならないのは、自由に子どもに探究させても成果は出ない。

教師がその前にどれだけ探究の姿をイメージし、どんな声掛けをするかが個別進度学習成否決まります

一斉授業よりも頭を働かせなければならず、一斉授業をやってきた経験があるからこそ、豊かな自由進度学習ができるようになると思います。

大事なのは、一斉授業と、個別進度学習のベストミックスを探ることです。

単元や子どもの様子をみて、どんな授業がベストか考えてきましょう。

スーさん
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算数・数学や、学校で目指す「主体的・対話的な」姿についても記事にしています。

参考文献・参考HP

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