三角形の相似条件は三角形の合同条件を緩くしたものです。
合同は、大きさも形も全く同じなのに対して、相似は、形は同じで大きさが変わります。(厳密に言うと、定義に戻る必要があります。長くなるので、これくらいの説明にさせてください)
小学校では、拡大図、縮図をかくことで、その素地を養っています。
せっかくだから、合同条件は相似条件の特殊な形、相似条件は合同条件をゆるくした形という包含関係に気づかせながら授業したいですね。
今日はそんな教材の紹介です。
三角形の合同条件と相似条件のおさらい
三角形の合同条件
- 3組の辺が全て等しい(三辺相当)
- 2組の辺とその間の角がそれぞれ等しい(二辺挟角相当)
- 1組の辺とその間の角がそれぞれ等しい(1辺両端角相当)
三角形の相似条件
- 3組の辺の比がそれぞれ等しい(三辺比相等)
- 2組の辺の比とその間の角がそれぞれ等しい (二辺比挟角相等)
- 2組の角がそれぞれ等しい (ニ角相等)
さて、このふたつの条件を結びつけるために、教師はどんな発問としかけを組めば良いでしょうか?
準備
授業の最初に、三角形の相似条件と合同条件を並べて書きます。
(合同条件は既習ですので、生徒に聞きながら思い出させるとよりよいです)
授業の流れ
「合同条件と相似条件を比べて気づいたことない?」
と発問します。
子どもは、
「相似条件には比という言葉がついている」
とすぐ気づきます。
さらに、
「なんで相似条件の3つ目、『1組の辺の比とその両端等しいの角がそれぞれ等しい』って条件にならないのか」
「相似条件の3つ目は、気持ち悪い。『三組の角が全て等しい』でも良さそう。というかそうじゃないの?」
と疑問をもつでしょう。
そうしたらしめたものです。
「なぜ比という言葉がつくのかな?」
「『1組の辺の比とその両端の角』ではなく『2組の角がそれぞれ等しい』でよいのかな?」
と問い返せば、子どもが考え出します。
「三組の角が全て等しい」という疑いはとても数学的です。
ぜひ、「なぜ『2組の角がそれぞれ等しい』でよいのか」子どもに考えさせたいものです。
数学の緻密さに気づけます。
あとは、子どもの考えを上手くつなげて、合同条件と相似条件の関係に気づかせれば、授業のねらいが達成できますね。
ちなみにみなさんだったら、どう説明しますか?
ぜひコメントください。
まとめ
今回は「合同条件と相似条件を比べさせる 」という仕掛けを用いて、数学的見方を子どもが働かせるように仕組んでいます。
合同条件の復習も出来ますし、一石二鳥の授業じゃないでしょうか?
こんな見方で、一般化できるとよいですね。
最後に皆さんに、話題提起です。
この話って、さらに広がりますか?
例えば、四角形の合同条件、相似条件ってあるのかな?
と子どもが考えだすともっと楽しめそうですね(ほかに広がるのかな?)
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