オードリー・タンの本を読んでいて、「未来を知りたければ、SF作品を読むとよい」ということが書いてありました。
曰く、「SFで取り扱われる題材は、我々が技術を発展させていくうえで、どこかでぶち当たる壁になる。未来を想像したければ、SFを読むと良い」ということが(多分)書いてありました。
私が大好きなポッドキャスト「ゆるコンピューター科学ラジオ」で、「プロジェクト・ヘイル・メアリー」という本をめちゃくちゃ紹介していました。
オードリー・タンも読むと良いと言っていたし、ポッドキャストでも大絶賛だったので、読んでみるかと、重い腰をあげて読んでみました。
普段私の読むのは、森博嗣のミステリーばかり。
SFは、鉄腕アトムとか、ドクターストーンという漫画ばかり。
サイエンス色が強い本は通ってきませんでした。
どんなもんかと思ったら・・・。大ハマリ。
600ページある上下巻の本を1週間かからず読んでしまいました。
今日はこの本の魅力を紹介します。
読んで、寝て、起きて、まだ興奮している(まだネタバレしません)

とりあえず、1週間かけて読みました。
どんな本でも、読んで、おもしろい、すごい!と思った、次の日になるとその興奮は冷めます。
けれど、この本は、全然興奮が冷めません。
もう1回、最初から読もうかなと考えてしまっている自分がいます。
ポッドキャストである程度ネタバレを聞いたあと、この本を読みました。
ある程度内容を知っていても、飽きずに読むのが止まりませんでした。
そして、思いました。「ネタバレ聞かなければよかった・・・。」
実は、ゆるコンピュータ科学ラジオでも、巻末の解説にも、「表紙も、目次も、その間にある挿絵も全部ネタバレになるから、とにかく本を買ったら、即第1章から読んでいけ」と忠告があるくらい、何も知らないで読んでいってほしいこの作品。
なので、ここからは、ネタバレをされても絶対後悔しないよ!という人だけが読んでください。
SFの王道を踏襲しつつ、最初はミステリーの香り(ここからネタバレを含みます)

最初は、ミステリーっぽく始まります。
主人公が目を覚ますと、周りは白い部屋。自分は大量の管で繋がれている。話し相手はロボットアームのみ。
突然フラッシュバックする記憶。ここはどこなのか。混乱から始まります。
フラッシュバックする記憶と、自分の身の回りにあるもので、「地球にいない」ことを確認し、「太陽系にもいない」ことを確認する主人公。
その洞察力に舌を巻くとともに、主人公の絶望が窺えます。いったいどこに主人公はあるのでしょうか?主人公の気持ちになって、一緒にパニックをお楽しみください。
そんな寂しい主人公に、UMAとの邂逅があります。
このUMAとともに、困難を乗り越えて行きます。
UMAと主人公は共通の困難を抱えています。困難を乗り越えるために、コミュニケーションをとり、お互いの知識をよりあわせていくところにワクワクします。
ETのような、友情ものの作品でもあるのです。
すべてが片付いてめでたしと思ったところに、最後、地球の運命とUMAとの運命を天秤にかけ、重大な決断に迫られます。主人公はどんな決断をするでしょうか?皆さんだったらどう決断するでしょうか?
とにかく600ページ暇になるところが全くないこの1冊。
最高のエンターテイメントでした。
映画化も進行中
ライアン・ゴスリング主演で、映画化も進行中。
2026年には映画化予定だそうです。

原作の他の著作で言えば、「オデッセイ」が既に映画化されています。
こちらの映画も大ヒットだったので、「プロジェクト・ヘイル・メアリー」もきっと面白いことでしょう。
最後に

作者の言葉のなかににこんな言葉がありました。(マークは作者の1冊目の著作 「火星の人」の主人公)
科学がプロットを創り出すんだ!複雑きわまる問題と解決のひとつひとつを検討しているうちに、そうでなかったら気が付かなかった些細なディテールが、マークの解決しなければならない重要な問題になった。
マークが直面する問題のそれぞれは、彼の置かれた状況から当然そうなるものでなければならない。ーあるいは、できれば前の問題を解決した結果、意図しない形で発生した問題でなければならないと決めた。
ー「プロジェクト・ヘイル・メアリー」巻末解説.P313
科学的な考え方で、問題を解決する。
それでも問題がどこか意図しない形で出てくる。それを解決するために、尽力する。
作者が作品に詰めている思いが、この2文に詰まっていると感じます。
子どもたちも、主人公のように科学的に、論理的に物事を考え、解決していってほしいなと感じています。(原作の英語版だと主人公は、日本語訳よりもっとダメ人間として描かれているらしいが)
沢山の本を読んできましたが、ここまで感動した本は久しぶり。
ぜひみなさんも子どもに紹介をしてみてくださいね。

参考文献・参考HP
参考文献
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