AIに仕事が奪われるのか?
ここ最近ですごくホットな話題です。
ChatGPTを始め、生成AIが進展するにつれて、「人間の仕事がなくなるのではないか?」ということが盛んに議論されることになりました。
今回は、AI×仕事×教育で考えたことを書いてみようと思います。
参考にしたのは、岡野原 大輔先生「大規模言語モデルは新たな知能か ChatGPTが変えた世界 」です。
こちらの本は、大規模言語モデルとはなにか?という技術面の解説が主で、これから社会がどう変わるかという本ではありません。
けれど、この本を読んで、想像を膨らませたことを書いておきたいと思います。
関連記事として、以下の記事もぜひご覧ください。
AIで学校現場の仕事は減るのか?

学校現場(今回は、職員室で使う事務仕事)や会社にパソコンが入った時に、仕事は減ったのか?と疑問に思いました。
教員をしていた親に聞くと、「手書きしていた時代より、仕事は今の方が大変。」と言います。
なぜでしょうか?
20年前の在校時間調査のような古いデータは見つかりません(多分調査もしてないと思います。)
ただ、ここ10年のデータで、これだけDXが進んでいるにも関わらず、在校時間は減っていません。
私は、パソコンが学校現場に入った時はもちろん働いていませんからここからは想像になります。
例えば、様々な文科省から降りてくる調査。
パソコンのエクセルだけでなく、Googleフォームや、Microsoft formsににより簡単に調査をすることができるようになりました。
おかげで、一つ一つの調査に回答する時間は減りましたが、アンケートの総量が増えたので業務量は変わっていないということが起こっているのではないでしょうか。
学校への通知などの行政文書についてもそうです。メールなどで送ることにより、紙で印刷・送付する必要がなくなりました。
そのためか、たくさんの行政文書がメールで送られてきます。(それを学校で一枚一枚印刷して、ファイリングしています)
要録などの手書きもパソコン印刷になりました。パソコンで文書を作成するメリットは、何度も修正できることです。ただ、修正に時間をかけるようになり、結局一つの文書が完成するまでの時間は変わっていない・・・。なんてことが考えられます。(ちなみに、私は手書きも最初の3年だけ経験しました。大変でした)
また、PCが入った結果、そのメンテナンスや管理といった業務が入るようになりました。
システムが更新されれば、研修もしなければなりません。
新しい技術が入ることで、削減される業務がある一方で、新しい仕事ができたり、業務量が増えると言ったことも起こります。
生成AIをはじめとするAI技術が学校に入ってきても、同じことが起こると思います。
確かに削減できる業務は出てくるでしょう。
学校でまず思いつくのが、「保護者会案内」「運動会の案内」など、連絡事項を伝える文書はAIが作ってくれるようになります。(実際に今の技術で可能です)
文書作成の時間は減ったとしても、きっと他の仕事が増えることでしょう。
うまく例を思いつきませんが、生成AIをきちんと使えているか管理するという仕事が追加されるかもしれません。(USBに生徒の個人情報を入れて持ち出して、紛失するといったニュースが後をたえません。生成AIに個人情報を入力して、そのデータが、生成AIモデルに使われるなんて危険性もなきにしもあらずです。)
カウンセリング業務は少なくなるかも
さて、生成AIに人間関係の悩みなどは聞いてもらえます。
それぞれの生徒の関係を教師のように把握していない以上、生成AIは一般的な解決法しか示してくれないでしょうが、生成AIはカウンセリングの一端は担ってくれそうです。
そもそも、悩みをぶつけるときは、話を聞いてもらえるだけで満足することが多いです。
生徒の愚痴を生成AIに聞いてもらうということはできるかもしれません。
それで、どうしても悩みがすっきりしなかったら、カウンセラーや先生に悩みをぶつけるといった未来もあると思います。
ただ、生成AIに話をすることと、生身の人間に話をすることは、脳の反応が違うと考えられます。
生成AIに悩みを話すのと、生身の人間に悩みを話すことは同等の効果が得られるかは、今後の研究に期待です。
一つの可能性としてお考えください。
最後に AIは道具 過去をよく知るが、未来を作るものではない

最後に、肝に銘じておかなければならないのが、AIもパソコンと同じで道具であるということだと思います。
特に生成AIは今までの機械と違って、文章に対して、文章で返してくれます。
あたかも、LINEのようなSNSで友達と会話をしているような感覚にしてくれます。
ただし、これは大量の文章を読み込み、人間の文章に的確に返すにはどうすればいいかということを考えて返事をしてくれる機械にすぎません。
「人間だって、相手を忖度して話をするではないか。だから、自分の心地よい返事を返してくれる生成AIだって、人間と一緒だよ。」という人もいるかもしれません。
きっと、今後も生成AIは進化をし、さらに人間に寄り添った回答を紡いでくれる存在になるでしょう。
それでも、生成AIの文章は、大規模言語モデルをもとに、「犬」の単語の後は「歩く」という言葉がくる確率が非常に高いから、「犬が歩く」という文章を作って、回答しているということにすぎません。
つまり、一般的な回答しか出してくれないのです。そこに、人間の持つ独創性は入ってきません。
と、思っていたところ、AIが100%作った学術論文が通ったという記事が出ました。

ただ、記事を見る限りは、生成AI内部の変化の様子を、AI自身に観察させて記事を書いたもののようです。
例えば、生物の生態についての論文や、実験が必要な論文などは、生成AIだけでは書くことができないでしょう。
現在、アルファ碁などをはじめ、AIは人間が考えなかった視点の定石を考えるので、新たな視点を与えてくれることにはなるでしょう。
材料は与えてくれます。しかし、そこをどう使うか、どう判断するかは人間に委ねられているのです。
AIは、過去については何でも知っている存在にはなり得ますが、未来を創造するツールにはなり得ないのです。
だからこそ、その未来を作れる人材を作るのが、教育の目的であると改めて考えます。
そういうことを頭の片隅に置きながら、今の自分の行なっている教育を考えたいですね。
以前読んだ本でも「役に立たない人」というテーマで記述がありました。合わせてご覧ください。

参考文献・参考HP
参考文献
Audibleに入会すれば、「大規模言語モデルは新たな知能か ChatGPTが変えた世界 」を無料で聞くことができます。
月額1500円ですが、30日は無料!
キャンペーン時なら、2ヶ月99円でAudible聞き放題です。
飽きたり気にいらなかったら、退会すればOK。お金はかかりません。
この本が気になったら、上記のリンクをクリックしていますぐ入会を!
Audibleに入会すれば、通勤中でも耳から学びを深めることができます!
参考HP

https://www.mext.go.jp/content/20240404-mxt_zaimu01-100003067-1.pdf

コメント