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【授業のふりかえり】「一生覚えておくと良いこと」を書こう(2022/10/13追記)

算数・数学教育

自分が、授業をつくる上で、これって本当に必要なのかと思っていたことが、授業最後の「振り返り」です。

生徒に「1時間を振り返り、書きましょう」と言っても「楽しかった。」「面白かった。」という感想になってしまい、効果的な振り返りを書くまでに至りませんでした。

どう発問し、子どもに振り返りを書かせると、より効果的なのか分からない日は続きました。

まだ、途上ですが、「振り返り」について、一つ形になったので、考えを書いていきます。

指導要領から読み解く「振り返り」

中学校学習指導要領(平成 29 年告示)解説 数学編を紐解いてみました。

まず「振り返り」と単純に検索すると、

54回出ています。

そこから、「振り返り」の記述を探していくと

pp162

1 指導計画作成上の配慮事項

(1) 主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善

単元など内容や時間のまとまりを見通して,その中で育む資質・能力の育成に向けて,数学的活動を通して,生徒の主体的・対話的で深い学びの実現を図るようにすること。その際,数学的な見方・考え方を働かせながら,日常の事象や社会の事象を数理的に捉え,数学の問題を見いだし,問題を自立的,協働的に解決し,学習の過程を振り返り,概念を形成するなどの学習の充実を図ること

とあります。

太字の所に注目すると、「概念を形成するために、(数学的活動を通して見方・考え火方を働かせて、その後に)学習の過程を振り返りなさい」と読み取ることができます。

さらに”指導要領解説 数学編”の部分まで目を通していくと

数学科では,数学的な見方・考え方を働かせながら,事象を数理的に捉え,数学の問題を見いだし,問題を自立的,協働的に解決し,学習の過程を振り返り,概念を形成するなどの学習が充実されるようにすることが大切である。これは,目的意識をもって生徒が取り組む営みというこれまで重視してきた数学的活動を学習指導においてより明確に反映させ,学習活動の質を向上させることを意図している。

とあります。

つまり、振り返りをすることが「学習活動の質を向上させることにつながる」と解釈できます。

振り返りをすると、学習活動の質が向上するの…?

という疑問がわいてきます。

次の章で考えてみましょう。

振り返りと、学習活動(授業)のつながり

もちろん、振り返りだけをすれば、学習活動の質が向上するわけではなりません。

何もインプットしてないのに、振り返ったって意味がないですから。

また、活動だけをしても、学びが確固たるものになる訳でもありません。

運動を例に考えてみましょう。

例えば、バスケットボールのフリースローの練習をしてたとします。

基本のシュートの仕方を聞いて学び、何度もシュートの練習をします。

その中でリングに入るように、腕のスナップや、ジャンプの仕方を少しずつ自分に合ったように変えていきます。

この部分が授業で行う部分です。

練習が満足できたらそれで終わるのもひとつですが、よく練習日記を書きますよね。

何が良くて、何がうまくいかなかったか。

これを記録として書いておくことで、次の練習の時にやったことを思い出し、積み上げが出来るようになります。

これを算数・数学でもやりたいのです。

振り返りを書くことで、自分の学びを客観的に評価出来るようになり、さらに力が伸びていきます

 

振り返りを促す「発問」

「振り返りを書こう」といっても、なかなか身のある振り返りを書けません。

個別の指導もいるのですが、教師の発問の仕方にもひと工夫欲しいですね。

私は

「一生覚えておくとよいことを書こう。」
「次の時間に考えたくなったことを書こう。」

の2つを言っています。

1つ目の質問で、子どもは分かったこと、覚えたことを書きます。

2つ目の質問で、数学の世界を広げるための疑問を書くようになります。

「振り返りを書きましょう」よりも、具体的になりました。

いかがでしょうか?

この発問の仕方は、岐阜聖徳大学 玉置崇先生の講演で教えていただきました。

ビジネスの中での振り返り

(2022/10/13追記)

この記事を書いた後、線形代数10級様から以下のような感想をいただきました。

「こんばんは。いつもありがとうございます。

振り返りのブログを拝読しました。

ビジネスの現場でも振り返りはとても大事で、色々なフレームワークがありますが、結局振り返る本人次第なんですよね。

こちら側に変わってほしいという思いがあるのなら、本人のせいにしてはいけないと気づきました。

2つの発問はとても本質的だと思います。

ビジネス現場での言い換えを考えて実践します。ありがとうございました😊」

 

ビジネスではどんな振り返りができるだろうと一緒に考えたくなりました。そこで、質問者様に、

「ビジネスとは何ですか?」

と尋ねてみました。

そうしたら、以下のような返事をいただきました。

「返信ありがとうございます😊。

難しいご質問ですね笑。

今からお話しすることは全部僕の考えです。

まずスーさんのおっしゃる通り、ビジネスの目的は業績です。

メンバーのお給料は業績なくしてありません。

ご家族の生活がかかっています。

それはそれとして、仕事をしているのは人間です。機械ではありません。

同じ仕事をするのなら、メンバーひとり一人が楽しく、前向きに取り組めたらと毎日考えています。

学校も会社も、人間として成長できる場だと思います。

本気でそう思っています。

僕が考える「イキイキしている職場」は

  • お客様との関係が良好である
  • メリハリのある働き方ができる
  • やりたいことにチャレンジできる
  • まずチャレンジすることが評価される
  • 自分の活躍を実感できる
  • チームとして成果が出ている

です。

そのために全力でサポートするのが、マネジメントの仕事だと思います。

人は変われるんです。

自分も周りの人に助けられて今があります。

最近、部署異動して、新しい職場で色々な問題にぶつかっています。

今日ある一人のメンバーと面談し、どうしようかな…と悩んでいた時に、スーさんのブログを読みました。

今悩んでいることにピンポイントでヒントをいただきました。

ありがとうございます。」

と頂きました。

最後に以下のような返事をしました。

「社員の挑戦を後押しするのが、会社であり、研修の目的になるでしょう。その結果、利益という形でかえってくるわけです。

となると、僕のブログの二番の振り返り質問。

『これから考えていきたいことはないか』を応用するのはどうでしょうか?

つまり、『今日の研修や仕事を終えて、チャレンジしたくなったことを書きましょう』ではいかがでしょう?

ビジネスマナーがテーマの研修なら、挨拶を〇〇にしたいという振り返りが出れば花丸。

ベンチャービジネスなら、×××に挑戦したい。そのためにさらに〇〇を学ぶ。資格を取るってなったら万々歳ではないでしょうか?」

と返事しました。

皆さんはどのように考えますか?

まとめ

振り返りは、自分の学びを客観的に評価し、力にするために行う。

そのために

「一生覚えておくとよいことを書こう。」
「次の時間に考えたくなったことを書こう。」
と発問し、子どもに書かせよう

きっと、子どもの力が伸びるはずです。

スーさん
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