最近、ゲーム依存やインターネット依存になっているという子がよく聞きます。
ゲームを夜中までやって、学校に来れなくなってしまったという子も今した。
なぜ、人はゲームやインターネットに依存してしまうのでしょうか?
今回は家庭目線でその原因や対策を探っていきましょう。
ゲーム依存・ネット依存には、なんでなるの?
ゲーム依存・インターネット依存になる背景には、様々な原因が考えられるので、一言ではいえません。
技術の進歩による変化
- スマホやタブレットの普及によって、以前よりもさらにインターネットやゲームを簡単にできるようになった。
- スマホやタブレットの普及によって、保護者の目のつかないところで、ゲームやインターネットができるようになった。
- テレビなどからも簡単にインターネットに接続できるようになり、子どもだけでインターネットやゲームをする事ができる環境がさらに進んだ。
昔は、居間のテレビでゲームをやるので、保護者の目が届きました。
パソコンも一家に一台、リビングにあったので、保護者も目が届きました。
今では、ありとあらゆる家電がネットとつながり、簡単にどこでも、ゲームやインターネットができるようになってしまいました。
親の目の届かないところで、ゲームや、インターネットができるようになったのです。
現実から逃げて、ゲームやインターネットの関わりの方が楽しいと思える環境が整ってしまっているのです。
スマホやタブレットによる健康への危険性を知らない
昔は、テレビを見せて子どもをあやしていたということもよく聞きました。
今では、スマホでYouTubeを見せているという家も多いと思います。
タブレットやゲーム機を与えておけば、大人しくしてくれて助かるという声も聞きます。
親になってみて、気持ちはとてもよくわかります。
仕事で帰ってきた後、子どもの面倒を見るのは大変です。
けれど、スマホやタブレットに子守をさせるのは危険です。
スマホやタブレットは、テレビよりも依存性が高いと言われています。
- 簡単に操作できるタブレット→脳が快感を覚えやすい
- YouTubeで自分の好きなものだけ見れる→脳が快感を覚えやすい
という実験結果があるそうです。
テレビよりもより自分の好きなものに没頭できるので、脳への快感刺激がテレビの数倍と言われています。
一説だと、スマホ30分は、テレビ2時間見るのと同じだけの刺激を与えてくれるという研究結果もありました。
それだけ、スマホ・タブレットは、今まで人類が経験をした事ない快感を与えてくれる娯楽道具になっているのです。
だからこそ、使い方を気をつけなければいけません。
子どもが不安を抱えて、ゲームやインターネットの世界に逃げる
ここまで、技術の変化やスマホやインターネットの危険性について書きましたが、一番は「ゲームやインターネットに依存しなければならないほど、悩みや不安を抱えている」状態が問題ではないかと考えます。
中学生になると思春期に入り、心のバランスが崩れます。
友達関係に悩んだり、保護者との関係に悩んだりと、精神的につらい状態になります。
この悩みにスポットを当てられない限り、依存状態から抜け出せません。
よく、家庭でゲームに夢中になっている子どもに話しかけると、「うざい」「だるい」という言葉が帰ってこないでしょうか?
口癖になっている子どももいるかも知れませんが、この言葉を使う子どもはなにかしらの悩みや不安を抱えています。
こんな行動が目立ってきたら要注意です。
子どもをよく見て対応しよう
では、どのように子どもと接していけばいいのでしょうか?
まずは話を聞こう
先程書きましたが、「うざい。」「だるい。」という言葉が出てきたら要注意です。
その子の本心を聞き出し、解決につなげていきたいですね。
話をするときには、最初に子どもの好きなものの話をして、リラックスしてきたら「さっきの話だけど…。」と振ってみましょう。
「実はね…。」と子どもの方から話し出してくれることが多くあります。
子どもの話を聞くなかで、言葉にできなかった気持ちに気づかせ、自分の言葉で心の奥底にある思いを表現できるようにい支援できると良いと思います。
私が話を聞く上で意識するのは「リフレイン」です。
例えば、「私、友達がすごくイライラするんだよね。」と子どもが言ったら、
「イライラするんだね。」と共感しながら繰り返して、会話を返してあげる方法です。
子どもは「そう、イライラしたんだよ。この前に△△ちゃんがね…。」と話を続けられます。
子どもも自分で気づかぬうちに、話を掘り下げて話をするようになります。
「なんでイライラするの?」と聞くと、どうしても尋問っぽくなってしまいます。
質問形式で返すのではなく、共感しながら話を深堀りできるように「リフレイン」という技を使っていきましょう。
イメージがつきにくい方は、飲み屋で、女性2人が仕事の愚痴を言っている状況を思い浮かべてみてください。
「最近上司がセクハラ気味で嫌なんだよねー。」
「それは嫌だよねー。」
こんな感じです。
「うざい。」「だるい。」などの言葉の裏側の意味を粘り強く子どもたちに問いかけていくことで、解決の糸口が見えてきます。
居心地のよい場所づくりを家庭でしよう
今まで効果のあったこと方法は
- 母と料理を作る
- 洗濯干しや、お風呂洗いなどの手伝いをする
こんな感じでうまく行ったということを聞きます。特に、男子で効果があるそうです。
家族の一員として、仕事をして認められていくことで、自己肯定感や達成感が生まれて、依存状態から抜け出せたという事例があります。
他にも、
- 犬などの生き物を飼う
という方法で、効果があった場合もあります。
生き物を飼うことで、規則正しい生活や情緒の安定、家族とのコミュニケーションにつながったという場合もありました。
命のある生き物なので、親の負担になったり、アレルギーがひき起こされたりしないように、事前に家族で話し合う必要がありますが、子どもが安らぎを得られるかもしれません。
いま3つの事例を紹介しましたが、とにかく子どもの不安や、悩みを軽減できるような場をつくるのが大切であることがわかります。
ゲーム依存について知っておくべきこと・基礎知識
さて、ここまでゲーム依存・インターネット依存の持論を述べてきましたが、基礎的な知識ついて、ここから書きたいと思います。
「ゲーム依存・インターネット依存」とは
- 自分の意志でゲームやインターネットをやめられない、時間や頻度をコントロールできない
- 日常生活でゲームやインターネットを最優先してしまう。家庭や勉強に支障が出てものめりこむ
このような場合は、依存状態になっているといいます。
特に子どもは理性が弱く、ゲーム依存・インターネット依存になりやすいです。
依存状態は、長期化するほど改善が難しく、できるだけ早い段階での対処が必要になります。
ゲーム・インターネット依存による悪影響
- 学習に遅れが出る
- 体力低下
- 肥満・視力低下などの身体への影響
- 注意力や集中力の低下
- ゲーム・インターネット以外への興味関心を失う
- 人間関係が苦手になる
- 生活リズムの乱れ・睡眠障害
- ネット上のトラブル
- ゲームへの高額課金
のように危険が満載です。心の状態が悪化し、生活リズムが乱れ、社会性の欠如していき、不登校や非行に繋がる可能性が増大します。
ゲーム・インターネット依存を治すための方法
親子で話し合ってルール作りをしよう
- ◯時~◯時はゲームをしない
- 布団には持ち込まない
- オンラインでゲームをしない
- ◯分勉強(お手伝い)したら、△分ゲームをやってよい
- ゲームはリビングで(親の見えるところ)行う。(充電器をリビングに置く)
- 約束の時間が過ぎたら、専用のボックスで保管(鍵がかかるものだといいですね)
- ゲームの時間を記録する。(子どもが客観的にゲームの時間を把握できるようになります)
大事なのは、話し合って、子どもと保護者、どちらも納得することです。
そうしないと、結局ルールを作っても破ってしまうという事が起こってしまいます。
お互いが納得できるようして守る事ができるルールになるまで、しっかり話し合いをしましょう。
ルールが守れなかった場合どうするか、親子で話し合う
ここが一番大切です。
子どもは、ルールを十中八九破ります。
そこで、ただ叱るのではなく、「なぜルールを守れなかったのか」その理由を聞きましょう。
そしてルールを再確認するとともに、次の日にルールを守れたらおおいに褒めるのです。
そうする中で、子どもの自己肯定感が上向いてきます。
課金問題を親子で話し合う
課金はきりがありません。
課金すればゲームは楽しくなりますが、その後は何も残りません。
本当に必要なのか、他に欲しいものはないのか、子どもの内側に迫ることが大切です。
もしかしたら、課金しないと友達にバカにされるといったこともあるかもしれません。
そうしたら、よくよく子どもとお金についてと、人間関係について話していかなければいけませんね。
ゲームが本当に必要か話し合う
中学生になると、学業はそのまま将来の進路と大きく関わってきます。
ゲームは本当に必要なのか、今やらないといけないのか?
もっと楽しいことは見つけられないか。
子どもと真剣に話し合う必要が出てきます。
ゲーム・インターネットの依存性について知る
ゲームやインターネットの怖さや依存症の危険性を知らないから、ゲームやインターネットにのめり混んでしまうのかもしれません。
お家の人と一緒にゲームやインターネットの怖さや依存性を調べてみるのも一つの手です。
お家の人と子どもが同じ方向を向いてこの困難を乗り越えられるといいですね。
かのソクラテスも「無知は罪なり、知は空虚なり、英知持つもの英雄なり。」と言っています。
正しい知識をつけることで、人は成長できると思います。
ただ、ゲームを捨てる、スマホを解約する、取り上げるなどの厳しい抑圧は避けたほうがよいです。
さらに隠れてゲームをするようになったり、別の問題行動に走ったりする危険があります。
親が管理できるように一緒になって使い方を考えるのが味大切です。
他の楽しいことを親子で見つける
一緒に出かけて、新しい楽しいことを見つけるのも大切です。
もしかしたら、ゲームやインターネット以外に時間の使い方を知らないのかもしれません。
うちの娘はまだ小さいので、休みは児童館や公園などに出かけて楽しく遊んで、ゆっくり寝られるようにしています。
また、図書館に行って絵本を借りて、家で読むといったように、ゲームやスマホ以外の時間の使い方を教えています。
もう少し大きくなれば、スイミングなどの習い事もいいかもしれません。
キャンプなどに行って、ネットを使わないで良い場所に出かけるのも一つです。
そうやって、ゲームやスマホ以外の楽しめることを探すのも大切になってきます。
ルールが守れる環境を作ろう 「環境調整」と「トークンエコノミー法」
さて、ここまで一般的な話をしてきました。
約束を決めても、約束を守りやすい環境になっていないと、なかなか子どもは約束を守れません。
例えば、先程も書きましたが、ゲームが子ども部屋にあったら、子どもは親のいないところでやってしまいますよね。
そこで、リビングなど親の目の届くところにゲームを置いて、約束を守れるように環境を変えてあげるのです。
同様に、時間になったらゲームを管理ボックスにしまうなども、ある時間になったらゲームをやらないようにする環境を整えていると言えます。
これを「環境調整」といいます。
子どもが約束を守れるような環境を整えて、親も子どももストレス少なく、約束を守れるように場をつくると、自然体でルールが守れるようになります。
また、約束を守れたら、褒めてあげたいですね。
成長が視覚的にわかったら最高です。
例えば、「1日約束を守れたら、1ポイント。10ポイント貯まったら本を買おう」というふうにするのも一つの方法です。
スタンプカードを作って、目に見える形でポイントをためていけると、更に目で成果がわかりますね。
これを「トークンエコノミー法」といいます。
環境調整、トークンエコノミー法についてはこちらに詳しく書きました。
うまく活用して、子どもを伸ばしていきたいですね。
まとめ
今回は、ゲーム・インターネット障害について記事を書きました。
- 「うざい」「めんどくさい」という言葉がよく出るようになったら要注意
- 子どもの話を聞いて、ゲームやインターネットに依存する原因を探ろう
- 居心地の良い場所を家庭でつくっていこう
- 急に取り上げるのはNG。よく話し合ってルールを決めていこう
以前、ESSというタブレット依存について記事を書きました。こちらを読んでいただけると更に理解が深まると思います。あわせて御覧ください。
タブレットやスマホは、今の社会では切っても切れない存在です。
だからこそ、いい距離感で使っていきたいですね。
子どもと一緒に使い方を考えていましょう。
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