「60歳定年」はもう昔の話。今は65歳まで働くのが当たり前になり、「70歳まで働かないと年金だけでは暮らせない」という声もよく聞きます。
職場を見渡すと、校長先生を60歳まで勤め上げたあと、もう一度担任に戻ってパワフルに働く先生もいます。一方で「60歳を過ぎたら、先生としてどんなキャリアが残っているんだろう」と、給料が下がることも含めて考えてしまう自分もいます。
そんなときに出会ったのが、門賀美央子さんの一冊です。<img src=”(書影URLがあれば挿入)” alt=”この先の、稼ぎ方がわからない。50歳から考えるお仕事図鑑 表紙”>
この記事では、本書の内容と自分の経験を重ねながら、教師の定年後・セカンドキャリアの選択肢を5つに整理して紹介します。
50代から「稼ぎ方」を考える必要がある理由

年金の受給開始は原則65歳から。60歳から繰り上げ受給することもできますが、その分もらえる金額は減ってしまいます。つまり、多くの人が「65歳までは働き続ける」という前提で人生設計をしているのが実情です。
退職後の道は人それぞれです。
- 同じ職場に残り、定年後も再任用などで働き続ける
- 全く違う環境で、新しい仕事を始める
筆者の父は60歳で教員を退職し、現在はICT支援員として働いています。もともとパソコンに強かったこともありますが、「ITパスポート」「基本情報技術者試験」といった資格を取り、教員時代とは違うスキルを後から身につけたそうです。
職員室にも、校長を勤め上げたあと役職定年で校務支援員として教頭のサポートに回る先生、逆に一担任として子どもと関わり続ける先生と、いろいろな道を選ぶ方がいます。どちらの先生も、それまでの経験を活かして仕事をしているので、日々の授業の相談に乗ってもらえたりして本当に勉強になります。
ただし、父のように60歳を過ぎても教員を続けるのは、体力的にかなり厳しいのも事実です。父自身、定年前はヘルニアや脊柱管狭窄症を抱えながら「体力的にきつい」と話していました。
「教員として培ったスキルが、そのまま活きる仕事はないのか」——そんな思いで本書を手に取りました。
教員のスキルは「特殊技能」として評価されにくい
本書を読んでまずわかったのは、教員のスキルをそのまま活かして、同水準の収入を得るのは簡単ではないという現実です。
教育という仕事は、学校だけでなく家庭でも会社でも日常的に行われています。プログラミングや大工仕事のような専門技術とは違い、「誰でも(できるかどうかは別として)手を出せる」分野だからこそ、待遇面で評価されにくい傾向があるのだと本書は指摘しています。
とはいえ、教員経験を活かせる仕事は確かに存在します。ここからは、本書で紹介されていた選択肢を5つ、教員目線で解説します。
教師のセカンドキャリア候補5選

1. 学童・児童クラブの支援員
まず思いつくのが学童保育の支援員です。教員免許や保育士免許を持っていると優遇されやすく、実際に転職先として選ぶ人も多い仕事です。
給料は時給ベースになるため教員時代より下がりますが、「先生のように『できるようにさせなければ』というプレッシャーが少なく、子どもを安全に見守ることが中心」という声もあります。子どもと関わり続けたい人には向いている選択肢です。
2. 学習支援員
学童とは違い、こちらは学校の中で働く仕事です。「通常学級の中で気になる子が、授業に集中できるようサポートする」役割で、あくまで支援に徹するのが仕事の性質上、先生のように学習指導を行うことはできません。
ここで注意したいのは、元教員が学習支援員になると苦労しやすいという点です。ついつい前に出て指導してしまい、授業担当の先生とうまくいかなくなるケースがあるそうです。自分の性格を客観的に理解しておくことが大切な仕事といえます。
3. 占い師
意外に思うかもしれませんが、教師の仕事の半分は「人の悩みを聞くこと」でもあります。さまざまな家庭環境の子どもや保護者と関わってきた経験は、実は占い師という仕事にも活かせるそうです。
占いというとハードルが高く感じますが、自治体のカルチャースクールなどで気軽に学べる環境も増えています。占いの本質は「依頼者の話を受け止め、少しのアドバイスで心を軽くすること」。教員としての傾聴経験がある人には、意外と相性のいい選択肢かもしれません。(守秘義務は忘れずに。)
4. 交通誘導員
工事現場などで車両を誘導する仕事です。2〜3日程度の講習で資格を取得でき、体力は必要ですが仕事内容自体はシンプル。「教員とは全く違う仕事に挑戦したい」という人には選びやすい道です。
5. 趣味・特技を活かして稼ぐ
メルカリなどのフリマアプリの普及で、ハンドメイド作品などの趣味を仕事にしやすい時代になりました。「コスパ・タイパ」が重視される今だからこそ、手間をかけて作られたものには逆に価値が生まれています。
学校の先生には、もともと手先が器用で「自分で作るのが好き」というタイプも多いもの。特に技術科の先生は何でも自作してしまうイメージがありますよね。趣味を実益に変える働き方も、選択肢のひとつです。
まとめ:武器になるのは「経験」そのもの

教員は、仕事を続ける中で教員免許以外の資格を新たに取る機会が少ない職業です。だからこそ、定年後のキャリアで一番の武器になるのは、これまで積み重ねてきた経験そのものだと本書は教えてくれます。
- 何を自分の価値として打ち出せるか
- どんな働き方なら自分の体力・性格に合っているか
この2点を早いうちから考えておくことが、60代以降の働き方を選ぶ余裕につながりそうです。
みなさんなら、先生を退職したあと、どんな仕事を選びますか?

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