以前、映画や書籍で話題になった『ビリギャル』を読み、「世の中には色々な面白い勉強法があるんだなぁ」と感じた記憶があります。
そんな中、著者である坪田信貴先生の待望の続刊が発売されたということで、さっそく手に取ってみました。
本のタイトルは、『勝手な夢を押しつける親を憎む優等生と、東大は無理とバカにされた学年ビリが、現役合格した話』。
本書を読み進めていく中で強く印象に残ったのは、これからの「AI時代の学習法」というテーマです。「こんな勉強法があるのか!」と目から鱗が落ちると同時に、現代社会を生き抜くために本当に必要な力について、現役教師の視点からも深く考えさせられました。
今回は、本書をもとに実践した「生成AIを使った最新の英語学習法」と、これからの時代に求められる教育のあり方についてシェアします。
驚きの学習効果!生成AI(Gemini)を使った最新の英語勉強法

本書で紹介されていた勉強法は、生成AIを活用した自学自習スタイルです。 「本当に効果があるの?」と思い、実際に私自身も試してみました。
試しに、慶應義塾大学 理工学部(2024年度)の英語の入試問題をAI(Gemini)に読み込ませ、以下のようにプロンプト(指示文)を入力してみました。
【生成AIへの質問】 「今現役中学3年生です。この問題が解けるようにするための問題を、中学生レベルから段階的に作って」
すると、AIは一瞬にして以下のような素晴らしい学習カリキュラムとクイズを作成してくれたのです。

10問作ってくれ、中学卒業レベルから、入試レベルまで段階的に引き上げてくれ、レディネスできるようになっています。

さらに、自分の学習状況を踏まえ、こんな学習ガイドを作ってくれました。
慶應理工英語 突破のための学習ガイド
Subject: 慶應義塾大学 理工学部 英語対策(中3〜高校基礎・難関大発展)
Topics: * 状況判断と文脈からの語彙推測(抽象語・理系語彙)
- 動詞句(熟語)の正確な区別
- 仮定法未来における「Ifの省略」と「倒置」
- スコアアップのための重要イディオム・表現
概要 (Summary)
慶應義塾大学理工学部の英語入試は、高度な語彙力、科学的な論説文の読解力、そして文法の正確な理解が求められます。 本ガイドは、実施したクイズの結果(関係代名詞などの構造把握は良好である一方、「仮定法の倒置」「基本熟語の区別」「抽象的な文脈での語彙推測」に課題がある状態)を分析し、中3から高校・大学受験レベルへスムーズに橋渡しをするために設計されました。
主要概念 (Key Concepts)
1. 仮定法未来の「If省略」と「倒置」
英語では、条件を表す If が省略されると、主語と助動詞(または動詞)の順番が入れ替わる「倒置」が起こります。慶應理工の長文でも非常によく見られる構造です。
- 基本の形 (仮定法未来):
- If a fire should break out, please use this door.
- (万が一火災が発生した場合は、このドアを使用してください。)
- Ifを省略した形 (倒置):
- Should a fire break out, please use this door.
- ※
Ifが消えた代わりに、助動詞のShouldが文頭に飛び出します。後ろの動詞(break)は原形のままです。 - ※ 仮定法過去の
Were I you...(もし私があなたなら)や、仮定法過去完了のHad I known...(もし知っていたら)も同様の仕組みです。
2. 文脈からの「対比」と「推測」の技術
難関大の英語では、知らない単語に出会うことが前提となります。その際、文脈の「対比(逆接)」や「因果関係」から意味を推測する力が不可欠です。
- 対比のロジック:
- “He loves freedom (自由), so he often acts in opposition (反対・反発) to the strict rules.”
- 「自由を愛する」という前提があるため、学校の「厳しい規則」に対しては、同調(sympathy)するのではなく、反対・反発(opposition)する行動をとる、と推測できます。
- 因果関係のロジック:
- “Copper has low electrical resistance (電気抵抗), so it is widely used for making electric wires.”
- 「電線(electric wires)によく使われる」という結果(so以下)から、銅は「電気を通しやすい」=「電気の抵抗(resistance)が低い」という物理的性質を推測します。
3. 基本動詞+前置詞(群動詞)の整理
中学・高校で習う基本動詞(set, break, build, takeなど)は、後ろに続く前置詞・副詞(up, down, outなど)によって意味が大きく変わるため、確実に整理しておく必要があります。
- up と結びつく重要熟語:
set up/build up: (組織、会社、建物などを)創設する、徐々に作り上げるbreak up: (関係などが)終わる、解散するbring up: (子供を)育てる、(議題を)持ち出す
語彙リスト (Vocabulary List)
| 単語・表現 | 品詞 | 意味 | 例文・ワンポイント |
|---|---|---|---|
| estimate | 動詞 | 見積もる、推定する、予測する | It is difficult to estimate the cost.(費用を見積もるのは難しい) |
| obstacle | 名詞 | 障害、邪魔もの | Lack of money was the main obstacle.(資金不足が主な障害だった) |
| opposition | 名詞 | 反対、対抗、抵抗 | He expressed his opposition to the plan.(彼は計画への反対を表明した) |
| resistance | 名詞 | 抵抗、(電気の)抵抗値 | Air resistance slows down falling objects.(空気抵抗は落下する物体の速度を落とす) |
| rub someone the wrong way | イディオム | (人を)イライラさせる、不快にさせる | His arrogant attitude always rubs me the wrong way.(彼の傲慢な態度はいつも私をイライラさせる) |
| crawl | 動詞 | 這う、這って進む(ハイハイする) | The baby learned to crawl before walking.(赤ちゃんは歩く前に這うことを覚えた) |
確認テスト (Key Questions)
知識の定着を確認するために、以下の質問に答えてみましょう(アクティブリコール)。
- 【文法】
If you should change your mind, let me know.という英文を、Ifを使わずに倒置の形で書き換えなさい。 - 【語彙】 「科学者たちは、その新しい星の年齢を見積もろうとした」を英語にする際、空所に入る適切な動詞は何か。
Scientists tried to ( ) the age of the new star. - 【表現】 「彼の話し方はどうも私をイライラさせる(気に障る)」を、
rubを使った英語のイディオムで表現しなさい。 - 【読解推測】
In opposition toとIn sympathy withの決定的なニュアンスの違いを日本語で説明しなさい。
解答・解説
- Should you change your mind, let me know. (Ifが消えてShouldが主語の前に出ます)
- estimate (予測する、見積もる)
- rubs me the wrong way (主語がhis way of talkingなどの三人称単数なら rubs になります)
In opposition toは「〜に反対して、反発して」というマイナス・対立の方向。In sympathy withは「〜に同調して、共感して」というプラス・協力の方向。
もちろん英語だけでなく、数学や物理などの問題も解説してくれます。
覚えておかなければならないのが、「答えを教えて」と指示をしないことです。
回答を以て、わからないところを見つけ、質問して、深めていく。この作業で真の理解に辿り着くことができます。
【体験】24時間いつでも伴走してくれる「完璧な家庭教師」の誕生

AIを使った学習を体験して、率直に「すごい時代になった」と感動しました。
もう、答えを解説するだけの家庭教師は必要ないかもしれません。AIは、こちらの習熟度に合わせてどこまでも親身に解説を作ってくれます。参考書でわからないことがあれば、24時間365日、いつでも即座に回答を返してくれます。しかも、何度同じ質問を繰り返しても、嫌な顔ひとつせず付き合ってくれるのです。
これほど恵まれた学習環境が、かつてあったでしょうか。
複数AIの比較やハルシネーション対策には「TopAnswer」がおすすめ
一方で、生成AIには「文系が得意」「理系が得意」といったツールごとの特性や、時として間違った情報を出力する「ハルシネーション(幻覚)」という課題もあります。
これらを解決する学習サービスとして、本書でも推薦されている「TopAnswer(トップアンサー)」が非常に優秀です。

複数のAIを組み合わせ、利用者にとって「最もわかりやすく正確な回答」を提示してくれるため、安心して受験勉強の伴走者・解説者として一緒に走ることができます。
これからのAI時代に最も必要なのは「疑問や課題を作る力(問いを立てる力)」

生成AIが人間の代わりに様々な問題を解いてくれるようになった今、私たちが直面している本当の課題は何でしょうか。
それは、「人間がAIの答えを信頼しきってしまい、そこから思考を停止させてしまうこと」です。
例えば、AIに「2 + 5はいくつ?」と聞けば、当然「7」と答えてくれます。宿題を早く終わらせることはできますが、それでは人間の頭には何も残りません。 かつて電卓やパソコンが登場したときも同じことが言われました。では、なぜ私たちは今でも小学生の段階で足し算を学ぶのでしょうか?
それは、計算の答えを知るためではなく、「算数が持っている意味」を解き明かし、自分で疑問を持つ力を育てるためです。
- 「2 + 5 = 7」なら、「2 + 6」や「2 + 7」はどうなるだろう?
- 足す数が1ずつ増えていくと、答えはどう変化するのかな?
このように、隠れている原理や原則、法則性に自ら興味を持って考え出す力こそが本質です。
未解決問題を解くのは「人間の仮説」
最近、「AIが数学の未解決問題を解決した」というニュースが話題になりました。しかし、これもAIが勝手に解いたわけではありません。研究者が「問いや仮説」を立て、それに基づいてAIに情報を適切に入力し、問題を整理したからこそ、解決にたどり着くことができたのです。
ビジネスの世界でも全く同じです。 今後、AIの発達によって定型的な事務作業は自動化されていきます。だからこそ人間は、より本質的な「問いを作る・考える作業」にコミットし、成果を上げなくてはなりません。
最後に:AIネイティブ世代を迎える教育現場と教師の役割

昔は、予備校に通って講義を聴くスタイルが一般的であり、そこには時間や場所の制限がありました。しかし今や、パソコンやタブレット1台あれば、いつでもどこでも最高峰の学習が進められる時代です。
世の中には「生成AIの使い方」に関する本やセミナーが溢れています。しかし、これから社会に出てくるのは、生まれたときからAIが存在している「生成AIネイティブ世代」です。
私たち大人が考えなければならないのは、「AIの使い方」のその先――「AIを使いこなせる優秀な人材を、どのようにリードし、マネジメントしていくか」という視点ではないでしょうか。
教育現場においても、AIを排除するのではなく、AIと共存しながら「考える力・問いを作る力」が育つような授業を模索していくことが大切だと確信しています。
これからのAI社会、教育や働き方はどのように変わっていくと思いますか?
ぜひ、皆さんの意見をコメント欄で教えてください!

生成AIについても記事をいくつか書いています。合わせてご覧ください。




参考文献・参考HP
参考文献
参考HP





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