秋ですね。
食欲の秋、読書の秋、いろんな秋があります。
図書館を彷徨いていたら、こんな本を見つけました。
秋刀魚は大好物なのですが、最近食べてれていません。
ここ最近は、スーパーに行っても、すごく痩せ細ったものばかりで、しかも一尾400円なんてするから、買えたもんじゃありません。
秋刀魚は庶民の魚だったはずなんですが。
ただ、今年(2025年)は潮目が変わったのか、そこそこ値段でスーパーに出回るようになりましたね。
今年は美味しく秋刀魚にありつけました。
社会の時事ネタになるかなとも思い読んでみたら、なぜ日本人は魚を食べなくなったかという問題提起から、水産業の労働問題まで、とてもわかりやすく書いてありました。
社会の時事ネタとしてはもちろん、教員不足・労働問題に至るまで、思うところがあったので、感想を残しておこうと思います。
日本人の魚の消費量は少なくなっている?

本書では、日本人の魚の消費量から、漁獲高まで様々な面で考察しています。
さて、日本は島国で、落語でも「目黒のさんま」という題材があるほど、魚を食べてきました。
けれど自分の食卓を振り返ってみると、魚は少ないです。
食べるのも、鯵(アジ)の開き、鮭(サケ)、鯖(サバ)、鰤(ぶり)・・・ぐらい。
娘が小さいので、小骨が多い魚はやめようとしていると、これくらいの魚になってしまうのです。
また、魚は肉と思うとボリュームや見栄えも少なく感じるというデータもあるそうです。
でも、実は、それだけではないと筆者は語っています。
大きな原因は、魚屋がなくなり、大型スーパーの隆盛にあると言っています。
皆さんなぜだと思いますか?
例えば、昔の魚屋さんなら、珍しい魚がおいてあります。
食べ方がわからなくても、魚屋さんが「こう食べるとうまいよ」なんて教えてくれます。
それを作ってみて美味しかったら、また魚屋さんに寄ります。
そしたら、また違った食べ方を教えてくれたり、おまけをしてくれたり・・・。
そんな循環があったのです。
ただ、スーパーを考えてみてください。
並んでいるのは、パックに入った、魚の切り身。
鰯(イワシ)や、メザシといった丸々一匹の魚がおいてあることってほとんどないですよね。
そして、魚もあまりおいしくない・・・。
これは、スーパーが原価を調整して、安定して供給される魚だけを仕入れるといったことをしているので、こんなふうになるのです。
大型スーパーなので、店員さんはバックヤードにいます。
魚を食べてみたいと思っても、聞くことができません。
そうやって、魚文化を破壊してきたのは、実はスーパーなのではないか?という指摘がなされています。
ただ、自分の近くのスーパーは、魚は、魚の卸の店が入って、昔ながらの魚屋さんのように販売をしています。
また、スーパーでも魚の食べ方を紹介するPOPを作ったりと今では努力をしているそうです。
教員不足と労働問題

他にも、漁師の労働問題という視点でも面白い考察をしていました。
教育現場では
近ごろ、ニュースやSNSで「教員不足」が話題になることが増えてきましたよね。しかも、ただの一時的な現象じゃなくて、ここ数年ずっと続いている深刻な問題なんです。
一番の理由は、やっぱり働き方のきつさ。授業をするだけじゃなくて、プリント作り、保護者対応、部活の指導、行事の準備…とにかくやることが多い。授業が終わっても夜遅くまで残って仕事、なんてことも珍しくありません。これじゃあ「先生になりたい」と思う若者が減ってしまうのも無理はないですよね。
それに、待遇の問題もあります。責任は重いのに、給料は他の業種と比べて特別高いわけではないし、休みも取りにくい。最近は民間企業でも働き方改革が進んでいるので、わざわざ厳しい環境を選ぶ人が減ってしまっているのです。
さらに、教育現場の課題が複雑化していることも見逃せません。不登校や特別支援、外国にルーツを持つ子どもたちへの対応など、先生が向き合うテーマがどんどん広がっています。けれど、その分のサポートや研修体制が十分じゃないから、現場の先生たちは常に手一杯。
そしてもう一つ、ベテランの退職ラッシュも大きいです。定年を迎える先生が増えているのに、若手の補充が追いつかない。結果として、若い先生たちに負担が集中して、早めに辞めてしまうという悪循環になっています。
これだけ問題があるというのに、なかなか労働環境は改善されません。
給料は増えない、残業代は出ない。
もちろん長時間労働は改善されない。だから若者が避けているのです。
地方自治体や、文科省はそこを知っていても、「調査」と「教師の魅力の発信」を主軸に、抜本的改善をしないのです。
もちろん、財源の問題が最後にはあるのでしょうが、これでは日本の教育現場は泥舟です。
漁師の現場でも同じ状況が
さて、翻って漁師の仕事も見てみましょう。
漁師も、遠洋漁業となると、数ヶ月〜1年単位で海の上で魚を取ることになります。
いわゆる3K(きつい、汚い、危険)というイメージがあります。
借金の方に、マグロ漁船に乗るというのは今でもドラマや漫画でも使われる常套句ですよね。
実際に、漁業従事者は高齢化が進んでいて、若者が定着しづらいという面があるそうです。
昔気質で、パワハラなどもあるようですね。
そんな中、「一般社団法人全国漁業就業者確保育成センター」は、パワハラ対策を講じて、若者が気持ちよく働けるように、活動を取り組んでいます。
また、「日本かつお・マグロ漁業協同組合」は、Youtubeを開設し、魅力発信はもちろん、しょく場環境をどう改善したか、労働協約がきちんとしているなど、きちんとした職場の情報を発信しています。
このように、安心して若者が働けられるように、職場のクリーンさを訴え、若者に魅力を発信しているそうです。
文科省や地方自治体も、単純に「教師に魅力」を発信するだけでなく、職場が劣悪ではなくなるように、環境を改善し、発信する。
この姿勢がないから、結局は教員不足が解消されないのであると自分は思います
とにかく、自分はまだ20年以上、働かなければなりません。
無理が続かないように、自分で働き方を見直し、身を守っている状態です。
ここ数年、自分の職場の先生も毎年一人は休職・離職してしまいます。
変わるといいなぁ。
最後に

今日は「美味しいサンマはなぜ消えたのか?」を読んで、授業や自分の労働について考えたことを書きました。
今まで読んだことないジャンルを読むと新しい発見があって面白いですね。
また、自分の興味も深堀りできるので楽しいです。
みなさんも、そんな読書をしてみませんか?

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参考文献・参考HP
参考文献
参考HP









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