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【教師 働き方 キャリア 20代 30代】教師になって10年。考えていること。

教育

最近この本を読みました。

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この本は、40歳から50歳の3人の先生が、30代を振り返って今の教壇に立つ先生たちに伝えたいことを書いています。

自分も33歳になりました。

教員という仕事に就いて11年目です。

この10年を振り返ってみたくなりました。

みんなも同じ悩みを抱えていないませんか、是非一緒に共有できたらと思います。

お付き合いください。

22歳(1年目)

非常勤で、自分は暗い顔で始まった1年目

教員採用試験が落ちて、非常勤講師からスタートしました。

実は大学のころ人間関係で上手くいかず、ちょっと暗い顔で大学の卒業をしました。

そのまま引きずって、4月。

教育実習でお世話になった中学校で勤務することになりました。

週4勤務、20時間。

授業はすべてT2ということで、教室の後ろで生徒をサポートするのが仕事でした。

有難かったのは1年生から3年生まで、全ての授業に入らせてもらったことです。

中学校3学年の授業を通しで見ることができました。

授業を見て、「その発問はどうしてしたんですか?」、「この授業のねらいを教えて下さい!」と教室から職員室に向かうときにどんどん質問していた記憶があります。

また、「こうするともっと生徒がピンと来た気がします。」と出しゃばったりしました。

それをそれぞれの先生が「うんうん。」と怒らず受け止めてくれました。

授業もしたことなく、出しゃばる自分。

今思えば恥ずかしいです。

私を受け止めてくれる先輩がいたからこそ、1年かけて学校現場に慣れることができました。

今思えば、テストとか、自習のときに私が入って、

「先生休んでください!」なんて気の利いたことを言えればよかったのですが、まだそんなことをすればよいなんて気づきませんでした。

新入生体験入学の授業

ただ、1回だけ授業をもたせてもらいました。

新入生体験入学で、来年入ってくる生徒に授業をしてほしいと教務の先生に依頼をされました。

教育実習以来のひとりでの授業。

数学が苦手な子でも考えたくなる問題を用意しようと、「折り紙で正三角形を作ろう」という授業をしました。

授業はつたないもので、問題を伝えて子どもが内容を理解したところで、「やってみよう。」というだけの授業でした。

いくつか正答に近いものがでるけれども、その意見を取り上げ、全体で共有することをせずに、最後何となく「解答」を言って、授業を終えました。

授業後、「どうすればよかったのかな」と悶々とした記憶があります。

ただ、その後、小学生の引率で来てくれた先生が、「スーさん先生、面白い授業やっとったよ。」と他の先生に伝えてくれて、回り回って自分にその言葉が届きました。

社交辞令だったのかもしれません。

それでも、自信がなかった私にとっては涙がでるくらい嬉しかった一言でした。

教員採用試験は夢と散る

非常勤を続けながら受けた教員採用試験。

小学校採用の倍率が低かったので、小学校で採用試験を受けました。

結果は不合格。

私の自治体は、面接でB(A~Eの5段階評価)がとれないとまず受からないと噂で聞いていました。

確かに、他の科目がどんなに良くても、面接Cで受かったという人は聞いたことがありません。

「どんな先生になりたいですか?」、「子どもとどんなふうに接していますか?」と聞かれたときに、すごく薄っぺらいことしか言えませんでした。

実は、勤務校の校長先生に「面接練習してやるで、校長室においでん」と言われたのですが、暗かった自分は、なんとなくそれをスルーして(今思えばすごく失礼ですね)いました。

実際に採用試験を受けて、面接の評価はC

当たり前だなと思いつつ、担任として経験を積んで、自分の軸をもちたいと強く感じました。

担任をもちたいと思って、次の年は担任を持てる常勤講師を希望しました。

小学校の常勤講師(23歳)

希望がかなって、小学校の常勤講師として働けるようになりました。

4年生の担任でした。

ただ、4月の着任式が終わってすぐ、祖父が亡くなりました。

前年度は非常勤だったので、祖父の介護をしつつ、勤務をしていました。

常勤講師で働けることを報告した時は、「がんばれよ」と言ってくれました。

そして4月、始業式が始まる前の怒涛の1週間を過ごしているときに祖父の訃報が届きました。

最初の始業式を忌引きでお休みして、3日遅れで出勤をしました。

担任する児童から

「あ、お休みしてた先生だ。やっと来てくれたね。」

と言われました。

子どもは心待ちにしてくれていたと思います。

少しホッとした自分がいます。

試された5月

5月。

事件が起きました。

宿題として配ろうと思っていた算数プリントがなくなっていました。

しかも2日連続です。

1日目は、自分が職員室に置いてきたのかな?と思って児童に謝ってその場は終わりました。

2日目は、確実に教室の自分の机の上にプリントを置いておいたのに、無くなっているのです。

これは「むむっ!」と思いました。

もしかしたら、子どもが隠しているのかな?

「プリント知らない?」と聞いたところ「知らない」と児童たちは答えます。

確実に持ってきた算数プリントがない。

しかも2日連続になる。

パニックになりそうになった自分は、「職員室を見てくるね」と教室を抜けて、職員室の教務の先生に相談をしに行きました。

「子供に試されているかも。」と言われました。

犯人もわからないいま、何を子どもに話そうか、すごく悩みました。

教室に帰って児童たちに伝えたことは、

「やっぱり、先生は教室に算数のプリントをもってきた。けれどない。本当にみんな知らない?」

と言ったところある児童が、

「先生の机の後ろの引き出しにA君が隠しているのを見た。」

というではありませんか。

探してみたら、引き出しに入っていました。

ただA君は隠してないと言いました。

この時、みなさんはA君や、クラスの児童にどんな声かけをしますか?

大きな声で怒鳴ることができなかった私。

「A君は違うと言っているから、私はA君のことを信じるよ。

でも引き出しに先生がプリントを入れた記憶がないのも事実。

プリントをA君が隠したと教えてくれたけれど、それが本当かも先生には分かりません。

僕ができるのは、このクラスの子はそんなことをしないっていうことを信じることだけです。

もしかしたらやっぱり僕の勘違いで引き出しにしまったのかもしれません。

そうしたらごめんなさい。

明日以降はプリントがなくならないように、確実に先生の机の上に置くように気を付けるね。」

そんなことを話した記憶があります。

真相はもちろん今でも分かりません。

けれど、これが教師として初めて行った生徒指導であり、生徒指導のスタンスになったと思います。

これ以降、宿題が消えるということはなくなりました。

先生ってやさしいね

友達と上手くいかないと癇癪を起こす子(B君)もいました。

その子は周りの友達から距離をとられていました。

ある日、ドッチボールをしていて、癇癪を起したので

「それじゃぁ、ちょっと、木陰で休んでおりん。」

と促して、Bをクールダウンさせました。

そのとき、別の子が寄ってきて

「何でBに怒らんの?Bが勝手に怒り出しやん。」

と言ってきました。

私は「まぁ、Bも怒りたいときあるよねー。ハハハ。」と言いました。

「先生って、こういうときも怒らんし、動じないね。」と言われました。

当時はクールダウンをさせるくらいしか思いつかなかったのですが、こうやってのんびり待つことがいいということを周りの子に伝えられたのかもしれません。

Bは中学になった時には友達を上手にまとめるクラスの中心になっていました。

これでもかとやった教採対策

教師になって2年目。

そろそろ教採に受かりたいという思いが強くなってきました。

そこで、校長先生に面接と小論文の指導を受けました。

自分の親も先生だったので、面接の基本的な質問に関しては回答集を作成して親に見てもらいました。

回答集を作ったのは、自信になりました。

面接を落ち着いて答えられるようになったのはもちろん、自分のしてきた1年の経験を言語化できたので、自分の先生としてのあり様を見直すきっかけになりました。

本番は面接で聞かれましたが、ニコニコと元気よく面接を終えることができたと思います。

結果は合格。

面接はB評価でした。

小論文は、なぜかD判定。

小論対策は一番練習したのですが、逆に上手くいかなかったです。(受かってよかった)

ついに正規採用!小学校勤務(3年目~6年目)

実はあまりこの4年間は記憶がありません。

初任となった1年目は、初任研でとにかく「しんどいしんどい」と思いながら過ごしていた記憶があります。

担任は2年生でした。

昨年は4年生担任だったので、子どもの年が2つ下になり、伝わると思ってだした指示も伝わらず、混乱していました。

学校も変わり、単学級しかない学校だったので、毎日手探りで仕事を進めました。

20時には学校を出るとだけ決めて、毎日仕事をしていました。

通勤は片道65分かかったので、21時までには家に帰りたい…という思いで、20時に学校を出ると決めて仕事をしていました。

2年目には、5年生担任で児童会の担当。

3年目は、児童会+体育主任+6年生担任

4年目は、児童会+3・4年生の複式担任

と、毎年違うポジションで目まぐるしく動いていました。

結婚したのもこの時期で、とにかくバタバタと仕事をしていました。

唯一楽しかった記憶があるのは、2年目、3年目の学芸会。

宮沢賢治の「水仙月の4日」を元にした劇をやりました。

水仙月の四日 - Wikipedia

とても抽象度の高い劇でしたが、子どもと少しずつ練り上げながら劇を作り上げました。

とても完成度が高く、評判が良かったです。

子どもとの相性も良かったのだと思います。

今でも、見てくれた方からその時の劇の話をしてもらえるので、この劇を選んで良かったなと感じています。

初の中学校勤務(7~8年目)

家庭とのバランスが難しい

子どもが生まれました。

奥さんが、育児がしんどいから手伝ってほしいと言われました。

仕事をできる限り早く終えて、帰るつもりでしたが、遅くなることも多かったです。

土日も部活動があり、迷惑をかけたことも多かったです。

家庭ががたがたになってしまいました。

そこで、校長の勧めもあり、「部分休業」をとらせてもらうことになりました。

仕事を1時間早めに切り上げさせてもらえるようにして、仕事も調整してもらいました。

周りに助けられた2年になりましたし、自分の仕事の仕方を考えさせられた1年でした。

このまま先生でいいのか・・・

実はこのあたりから、本当に先生続けられるかな…という不安に襲われるようになってきました。

先生って自分にあっているのか、なんて考える時期でした。

自分は何をしたいのか突き詰めたときに、授業の実践だけは休まず続けていました。

そこで、学会で自分の研究成果を発表することで、更に自分を高めたいと考えました。

ちょうどこのときコロナ禍で、すべての研修がオンラインになりました。

学会の研究会もオンラインになったので、子育てで家をあけられなかった自分は、参加できるようになりました。

何本も学会で研究発表をすることができました。

X(旧Twitter)で、共同で研究してくれる大学の先生も見つけて、査読論文も書いています。

新しい視点も加わり、学校での授業実践が豊かなものになりました。

もしよかったら、以下の記事が実践報告になっています。読んでください。

日本科学教育学会研究会研究報告
J-STAGE

転勤して、新しい中学校に(9年目から現在)

1週間で副担任から主担任に

部活がなかなかできないこと、2人目が生まれるので、育休をとらせてもらうことを伝えた結果、育休の取りやすい学校に転勤をさせてもらえました。(早めの相談って大切だなと感じました)

そこで、1年生の副担になり、ぼちぼち仕事するぞーって思ったら、主担任の先生が体調を崩してしまい、主担任として働くことになりました。

ここも周りの助けがあって、部活動は免除してもらいつつ、担任業務をばりばりやって家庭のこともバリバリやって…という感じで仕事をしました。

仕事は多いです。

けれども、いままでいろんな仕事をしてきたので、「どうすればうまくいくか」という目星がついて、労力を少なく仕事を進められるようになってきました。

また、パソコンを使って文字を速く打ったり、簡単に操作できる技も身に着けてきたので、一つ一つの仕事にかける時間がとても短くなりました。

今でも、定時退勤をすることが可能になってきています。

周りのフォロー、声かけをしながら仕事を回すように気を配るようになってきました。

生徒指導主事を引き受けました(現在)

生徒指導の長も回ってきました。

今年は、なかなか手のかかる子も多く、いろんな学年に入り込んで、先生の相談にのったり、実際他学年の生徒指導をしたりと忙しいです。

けれど、学校全体の様子が見えてくるようになりました。

いろんな先生の悩みを聞く中で、自分になかった生徒の見方が育ってきているなと感じます。

仕事は大変です。

ただ、自分の力を高めるきっかけは、やっぱり新しい仕事や環境に足をつっこんでみるということが大切だなと感じました。

最後に

今、33歳。

私たちが仕事を辞めるときは、定年は65歳でしょう。

まだ30年以上仕事をしなければなりません。

仕事は大変です。

働き方改革と叫ばれていますが、なかなか先生の帰る時間は早くなりません。

自分が変わるしかないのです。

これから自分はどうなりたいのか。

大学にもう一度戻りたいと感じている自分がいます。

青年海外協力隊や、日本人学校に行きたいと思っている自分がいます。

その夢を達成するためには、今何をすればいいかを常に自問自答しながら、自分を成長させていきたいなと思います。

やりたいことと、やらねばならないことの折り合いをつけることが大人になるってことかなと感じている最近です。

スーさん
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