二次関数の最大値・最小値の話です。
皆さんはどんな指導をしていますか?
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一次関数と二次関数の違い
一次関数と二次関数で違うのが、変域の始点と終点が最大値・最小値にならない場合があるということです。
子どもは無意識に、一次関数までの学習から、変域の始点と終点が最大値・最小値になっていると思っています。
始点と終点は子どもにとって特異な点です。
まさか変域の途中で最小値(最大値)を迎えるなんて思わないでしょう。
そこに子どもは引っかかり・つまづきを感じるのです。
最大値・最小値のイメージを確認する
私は、最大値・最小値の授業の際には、授業の序盤に今までの最大値・最小値イメージを確認しておきます。
子どもからは、
最大値
- yの値が一番大きいところ。
- 一番高いところ
- グラフの端っこ
最小値
- yの値が一番小さいところ
- グラフの一番低いところ
- グラフの端っこ
という意見が出てきます。ただ、2番目の高さに関する意見は出てこないかもしれません。
しかし、ここで教師が教えたり、子どもに言わせようと引っ張ったりしたら、それこそ二次関数の面白いところが見えてきません。
子どものイメージをそのままに受け取りましょう(あきらかに違うのは指摘してあげてください)
二次関数の最大値・最小値の問題を解いてみる
この時間では2つの問題を取り扱います。
例えば$y=2×2$に関して
- $x$の変域が$2≦x≦4$の場合
- $x$の変域が$−2≦x≦4$の場合の2つです。
ここに、教師として、子どもにどんなことを仕掛けているか分かりますか?
1は、変域内で原点を通っていないのに対して、2は、変域内で原点を通ります。
1の問題は、今までの知識で最大値最小値が求まりますが、2の問題は、ちゃんとグラフを書いてやらないと間違えてしまう問題です。
この2つをセットにして取り扱うことで、
「1は既習で解けるけれど、2は解けない。何が違うの。なんで違うの。」
と子どもは考えだします。
それがねらいなのです。
とにかく概形をかこう
2つの問題を解くと子どもの中に
「同じような問題なのに、解けないぞ」
「なんで2の問題は最小値が0になるんだ」
とグラフをかく必要感が出てきます。
そこで、グラフの概形のかきかたも指導をするのです。
そして、最大値・最小値のイメージをグラフの「一番高いところと低いところ」というイメージを伝えます。
書き方は下の図のように指導します。
どこが高いか、低いか一目瞭然ですね。
特に、xの変域は大胆に離して、どっちが原点から遠いかをはっきり書くと、より分かりやすいグラフになります。1時間目に二次関数の概形を予想させ、徹底的にかかせるのは、この時間に生かしたいからです。
きっちりとしたグラフはかかせる必要はありません。
高校になれば、さらにざっくりとしたグラフをかくことになりますし、タブレットだってあるのです。
最後の仕掛け 比例定数が負の値の場合
演習問題として、比例定数が負の値の場合も取り上げます。
特に今回の流れだったら、$a=−2$が良いでしょう。
子どもは同じ問題ではないかと思いながら解いていきます。
前時に、比例定数の絶対値が等しいなら、y軸で線対称になることを勉強しているからです。
みなさんもうお分かりでしょうが、最大値と最小値が変わってきますよね。
問題を解き終わった後、
「さっきの問題と何が違う?」
と発問すれば、比例定数の値の違いによって変わってくる見方を引き出すことができます。
そして、もう一度最大値とは何か、最小値か何かのイメージを聞いて、高い低いの感覚を身につけさせましょう。
まとめ
・二次関数で、原点を跨がない変域の問題と、原点を跨ぐ変域の問題を行い、何が違うか考えさせる
・比例定数が負の値の場合、どんなことが起こるか問題を解きながら考える
・概形は大胆にかかせると分かりやすい!
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