中学校の教員をしています。
実は、一番担任したくないと思っているのが、中学校2年生です。
思春期に入り、ピリピリしています。
女子からは、男の先生だからってだけで、敬遠されたりします。
男女間の雰囲気もよくなくなるのもこの時期です。
自分もこんな時期があったんだろうなと思います。
そして、10年後は自分の娘がそうなるのかなと思っています。
その時に備えて、「思春期でイライラしている子どもの接し方」をテーマに書いてみようと思います。
思春期の子どもの姿
思春期は、だいたい小学校高学年から中高生になると、体も心も大きな変化が起こります。
その変化に追い付こうと様々な葛藤を抱えるようになります。
アイドルに夢中になって疑似恋愛をしたり、近くの友人に恋愛感情を抱いたりします。
上手くいかなくって、イライラを家族にぶつけることもあります。
一方で受験が近づくのもこの時期です。
親の期待や、志望校への距離、勉強に取り組めない自分自身にイライラします。
保護者に対しても、親というくくりだけでなく、社会人として立派かどうか。
親の言うことと、行動が違うこと指摘してきます。
「自分だって、言ってることとやってること違うじゃん!」
保護者もついイライラしてしまいますよね。
現実社会が見えていない面もあるので、理想像からついつい、自己中心的に、批判的に見てしまいます。
女の子の「クサい」「ウザい」の裏側
父親が、思春期の隣に座ると、
「パパ、クサい!」
と言われたり、
「洗濯物を一緒に洗わないで!」
と言われたりすることがあります。
これは、嫌なのは臭いそのものではなく、家族の距離の近さを拒む気持ちの表れです。
近づいてほしくない、けれど、完全に無視してほしくないという矛盾した感情が、
「近づいてこないで!」
という文句として出てくるのです。
思春期の子どもと親の関係は、友達親子のような仲良しの関係で過ぎる場合もあります。
しかし、多くの子供は、親とは違うアイデンティティの確立に向けて葛藤し、イライラしたり、無口になったりします。
こんな子どもに対して、親としてどう関わればよいのでしょうか。
大切なことは、
「思春期の子どもの一般的な心理(今まで書いてきたこと)を理解すること」
です。
理解することができれば、保護者も心に余裕ができます。
次に大切なのは、
「どんな状態であれ、子どもを理解しようとつとめ、温かく見守り続けること」
です。
対立したり、放任してコミュニケーションを断ち切ってしまうと、子どもは、見放されたと思い、逆効果になることが多いです。
思春期の子供のイライラなどの姿は、特定の原因によるというより、発達段階特有の葛藤や欲求不満から来ることが多いです。
子どものイライラなどに対して、保護者も不安や、イライラすると思います。
そこを少しこらえて
「びっくりした!うざいってなんかいやだな」と、気持ちを伝えたり、
話を変えて
「今日の学校どうだった?」
などと軽く受け流しましょう。
子どもとテレビを見て、何気ない会話をしてもよいと思います。
どうしても度が過ぎる場合は、学校での様子を聞いて情報交換すると良いと思います。
親を中心に子どもに関わる人は子どもの情報を共有し、協力していくことが大切です。
そして、その子の状態に応じたよりよいかかわりを考えていきましょう。
自分が思春期の生徒相手に上手くいかなかったなという記事も残してあります。
⇓ご覧ください⇓
最後に
「子育ては手間をかけた方がいい」
と聞いたことがあります。
思春期の子どもの相手、正直めんどくさいです。
親の方が嫌になってしまうこともあるでしょう。
けれども、そこを見放さずに、いつもよりもう1歩後ろに引いて、それでも温かく子どもを見守れるといいですね。
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