成功した人の自叙伝がたくさん出版されています。
読んでみると、すごいなと思う反面、同じようにやっても、自分は同じ成果は得られないだろうなとも思うのです。
努力や才能があれば、みんな成功するのでしょうか?
私は否だと思います、絶対、成功には運も必要なのです。
今日は、成功と、運・才能・努力の関係について書いていきます。
成功は、才能や努力だけの賜物なのか?
大谷翔平を例に考えてみよう
大谷翔平は、日本出身のプロ野球選手として、いや、野球史史上、もっとも成功をしていると言ってよいプレーヤーであることは、誰もが認めるところではないでしょうか?
大谷翔平は2023年にドジャースと、10年総額 7億ドルという超大型契約を結んでいます。
野球だけでなく、プロスポーツ史上でも最も巨額な契約になったことは記憶に新しいですね。
さて、ここでみなさんに考えてほしいのは、大谷翔平の成功は、才能や努力によるものだけなのでしょうか?
運がなければここまで成功しなかったと私は思います。
例えば、彼は日本プロ野球(以下NPB)では日本ハムファイターズに所属しました。
そこで、栗山監督が二刀流をOKを出したからこそ、二刀流でプレーできたのです。
現に大谷が、NPBで二刀流をでプレーするとなった時は、多くのところから批判が上がっりました。
そレでも栗山監督が二刀流で使い続けたからこそメジャーの舞台でも二刀流でプレーすることに繋がったのです。
もちろん、投手または、野手だけでも成功をしたかもしれません。ただ、ここまでの大きな成功までにはならなかったでしょう。
織田信長と桶狭間の戦い
織田信長と桶狭間の戦いの例でも考えてみようと追います
桶狭間の戦いは、当時日本でもトップクラスだった大名の今川義元を、当時弱小だった織田信長が倒したという戦です。
織田信長が桶狭間の戦いで勝てたのは、綿密な情報収集と諜報活動、地元の利を生かした戦術をとったと言われています。
例えば、情報収集と諜報活動では、
- 沓掛の梁田氏という土豪を敵方探索のために組織化して使い、今川方の動きを察知していた。
- 柳田政綱という人物に褒美が与えられており、今川義元の動向に関する諜報活動を信長が高く評価していた。
地元の利を生かした戦術では、
- 地形や気象変化などについて今川方よりも詳しかった。
- 雨の音に紛れながら少数精鋭を率いて、隙を突く形で今川軍の本陣へ攻め入った。
ただ、ここに関して最後に勝てたのも運といえます。
夜襲をかけた時には、大雨が降っていました。
だからこそ、今川軍に知られずに本陣を急襲できたというふうに言われています。
もし雨が降っていなかったら、4000人の織田軍に対して、2万5000人の今川軍。織田軍は万に一つ勝ち目はなかったでしょう。
ご存知の通り、桶狭間の戦いを終えて、織田信長が天下統一の足掛かりをつか見ました。
織田信長には、頭脳と才能があったのは後年の偉業を見ても確かであると言えます。
ただ、今川義元と対峙した時は、兵を動員できる人数や、今川義元の持っている才能を比べると10回戦えば10回負けるぐらい実力は広がっていました。
大雨という幸運があったからこそ、勝つことができたと言えるでしょう。
努力が全く無駄というわけではない。運と才能と努力の考え方。
間違えないで聞いて欲しいのだけれど、努力をしても無駄ということを言いたいわけではない。
努力を積み上げた上で、幸運を掴むことで、より大きな成功に変えることができると言うことを伝えたいのです。
努力をしなければ、そもそも大谷選手のようにプロ野球選手になる力を持つことができないでしょう?
そもそも、運だけで手に入る利益は少ないのです。
努力をしてきた上で幸運が舞い込んでくるから、大きな成功になるのです。
望むものを手に入れるための一番確かな方法は、それに相応しい人になろうと努力することだ。
ーチャーリー・マンガー(バークシャーハサウェイ 副会長)
このように、努力を続けた人だけに舞い込んでくる幸運をセレンディピティといいます。詳しくは下の記事をご覧ください。
運とは何か。偶然の捉え方が大切
さて、ここまで運は大切。ただし、努力や才能を培った上に幸運が舞い込んで来ることで、大きな利益が得られることを書いてきました。
ただ、運とはどういうものなのだろうか。そもそも運というものをここまで定義していませんでした。
今回参考にした「成功する人は偶然を味方にする 運と成功の経済学」によると、
「運とは偶然」と言い切っていました。
著者はアメリカの経済学の権威です。
その学者さんが運について一冊の本を出すのだから、運って何かを解明したのではないか?と思ったのだが、そうではありませんでした。
例えば、著作の中では、こんな事例が挙げられていました。
「オムレツを作ろうとして、卵を手に持ったところ、インターホンが鳴った。卵を手に持ち、玄関に向かったところ、隣の家の人で、『卵が切れたから貸してほしい』と言われた。たまたま手に持っていた卵を渡したところ隣人も面食らった顔をして帰っていった。」
という話である。
もちろんアメリカでは著者のように卵を持って玄関に出る習慣があるわけではない。偶然卵を割ろうとしていたから、そのまま玄関に行きました。
相手も、食材を借りにいくことはよくあるのだが、卵ばかり借りにいくというわけではありません。
たまたま、タイミングが全て揃って、こんな思議な出来事が起きたのです。
ただ、みなさんも振り返ってほしい。人生100年。1回くらいはそんな偶然起こったことはないでしょうか?
それが、先ほど卵の事例のような当たり障りのない不思議な出来事になることがほとんどです。
けれど、その偶然が、桶狭間の戦いのように人生の別れ道になるような人もいるます。
私たちができるのは、偶然をいかに自分の良い経験としていくか、常に準備するのが大切なのです。
うまくいけば「実力や努力」のおかげといい、悪いことは「不運」のせいにする人間の性質
どうやら人間は、うまくいけばその人の「実力」「努力」という言葉を使い、うまくいかなかったときは「運がなかった」という生き物のようです。
統計学者のナシーム・タレブによると、投資家には共通してこの傾向が見られるそうです。
心理学者のL・Bアロイと、L・Yエイブラソンは、1979年に発表した「苦い経験から教訓を得る」という副題付きの論文で、この理論を支持しました。
彼らは、「うつ状態の人は世間や自分を現実以上に否定的に捉える傾向がある」と言う見方に異議を唱えました。
代わって提示したにが、うつ状態の人の自己評価は、実際のところ、普通とされている人の自己評価よりも正確だという「抑うつリアリズム」仮説を提唱しました。
簡単にいえば、抑うつ傾向にある人の自己評価と、一般的な人の自己評価を第3者の評価と比べた場合、抑うつ傾向にある人の方が、第3者の評価に近かった。と言うことである。
でも、人間の性格からすれば、成功は自分の努力や才能であるとした方が都合がよいし、周りもそのような話を聞きたがります。
失敗に関しては、不運と片付けた方が当事者も安心できるから、この考えになるのは当然だと思います。
運に感謝すると自分の評価が上がる
他者の功績を進んで認めると、つまり自分の成功が他者のおかげであると認めると、逆に自分の評価は上がるようです。
これも全く同意でしょう。
ある成功について、「全部自分が頑張ったからだ!」と声高々に言う人がいたらどう思いますか?
周りの人の助けもきっとあったからこその成功だろうに・・・。それを自分だけの成果とするのは高慢だと思うのではないでしょうか?
逆に、「周りの人のおかげです」と謙遜する方が、「すごい人だな」と素直に思えるのではないでしょうか?
これも、実際に実験をしている。
ある成功体験について、内容は一緒で、文末だけを、「自分の能力を誇張した書きっぷりにした文章」と、「幸運のおかげにした文章」を、様々な人に読ませた。
その中で高評価を得られたのは「幸運のおかげにした文章」なのである。
周りの助けの上に成功が成り立つことを知っておくことは大切である。
周りに感謝をすることで、さらに周りの助けを得られ、幸運というものが自分の懐に転がり込んで来やすくなると言えでしょう。
最後に
今回は「成功する人は偶然を味方にする 運と成功の経済学」から運について考えてみました。
- 運は偶然
- ただ、偶然を大きな成功に変えるには努力が必要
- 周りに感謝をすることで、周りの評価が上がり、幸運が舞い込みやすくなる
最後に、幸運についての名言を引用して終わります。
思いもよらないときに大きなチャンスと幸運が訪れた。だから私はみんなに言っているの。自分の仕事に情熱を持っていて、それを愛しているのなら、それをやるべきだと。でも、準備をしておくことが重要よ。いつチャンスが訪れるかなんてわからないんだから。
ージュリー・アンドリュース(イギリスの女優・歌手)
参考文献・参考HP
参考文献
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