夏休みに、学校では「ぜひお家でお手伝いをしましょう。」と声をかけます。
実際は大人でぱっぱとやった方が楽…なんてこともたくさんあります。
なぜお手伝いって大切なのでしょうか。
家庭ではどんなことを気をつけて、お手伝いをさせればよいのでしょうか。
今日は、そんなお話です。
「お手伝い」は何で大事なの?
お手伝いをする体験は、その子の自信や自尊心、思いやりの発達につながります。
家庭で手伝えることがあると、家族の一員として頑張っているぞ!という自信や自尊心、困っている人がいたら助けたいなという心につながってきます。
家庭での居場所ができるということは、学校や社会に出てからも、いろんなことにチャレンジできるようになります。
どうしてもしんどくなったら、家というセーフティネットあるから、子どもも頑張れるのです。
また、一人暮らしが始まったときに、家事が何もできないということにならないためにも、ちょっとずつできるように慣らしたい…というのも、本音ですね。
本当の自立に向けて、家事参加はとても大切です。
最近は家事することが期待されていない!?(2023.07.31追記)
現代の子どもは、小学校の高学年や中学生になると、部活をしたり、受験のために塾へ通ったり、習い事をしたりと忙しくなってきます、
学校での学習内容も増えて、家庭でも宿題に追われるようになります。
親は、「子供が家事に時間を費やすよりその分少しでも多く勉強をして、成績をあえてほしい」
と思いがちではないでしょうか。
子どもは子どもで、親の期待を読み取り、家事は親任せで自分は勉強だけに集中すればよいと思ってしまいます。
やってもらって当たり前、気に入らないと親に文句をいったりすることもあるでしょう。
家庭科が男女共修になったのはいつ?
ちなみに1990年代から、中学・高校の家庭科が男女とも共修になりました。
家庭科は子供の成長に合わせて衣食住に関する知識や技術を学び、生活の自立を目ざす教科です。
しかし、学校で学習をしても、家庭で実践できなければ身に付かないでしょう…。
成長すると…
年齢があがるほど、子どもの家事参加が少なるなるともいわれています。
中学生に、「お手伝いする?」と聞いても、「しないなぁ」という返事がよく返ってきます。
成長するにつれて、できることは増えるのですが、必ずしも、お手伝いをする機会が増えるとは限らないのです。
子どもの家事参加と親子関係の研究では、子どもの家事参加が多いほど、親子関係は良好で、積極的な会話が多く、信頼関係がうまれることを示しています。
また、自立が促され、生活技術も伝承されることや、自立度、道徳心、責任感、正義感、我慢強さも高い傾向が示されています。
興味深いのは、親子で一緒にレジャーを楽しむ、子どもの勉強の相談にのる、子どもと話をするなど、親子の共同行動が多いほど、子どもの家事参加が多いという調査結果です。
児童期・思春期になると、幼児期のように褒め言葉でその気にさせて手伝いをしてもらうことは難しくなってきます。
親は、子どもに家事をさせようとするだけでなく、親子で日ごろから会話し、共に活動を楽しみ、相談にのったりして、子どものために時間を費やすこと。
それによって、子どもは親をモデルとして自然に家事行動へ誘われ、次第に有能感や有用感を感じて、自ら家事を手伝ったり、分担したりしていくのかもしれません。
小さいうちから自ら家事参加してくれるように、ちょっとずつ声かけをしていきたいですね。
どんなふうに声掛けをしていけばよいのでしょうか。
子どもが自ら家事参加するようになるために
幼児期初期(1歳半~4歳前半くらい)
この時期は、生活のお世話をしてもらうのが当たり前になっています。
逆に親が何で困っているのか、どうすれば親が助かるのかというのが分かりません。
そこで、
「お願い、○○で困っているの。手伝ってくれない?手伝ってくれるとお父さん嬉しいな。」
と声をかけます。
「何を、なぜしてほしいのか」を言葉で伝えると、子どもも手伝ってくれます。
そして、
「○○やってくれたんだね。助かった!ありがとう!」
と声をかけます。
手伝ってもらった結果や、手伝ってもらうと、親が嬉しい気持ちになることを伝えるとよいです。
手伝ってもらった相手が嬉しくなるということを、子どもが理解するのが大切です。
幼児期後半(4歳後半~6歳)~児童期初期(6歳~8歳)
この頃になると、お片付けなど自分が何をすべきか分かっていても、しないことが出てきます。
自我がしっかりしてきて、自分のやりたいことを優先してしまう心が出てくるからです。
その場面で、親が「子どもは気まぐれだし、自分でやった方が早い。」と、よかれでやってしまいがちです。
そうなると子どもも、親に片付けをしてもらうのが当たり前になって、成長してから苦労します。
そこで、ポイントなのが、「完璧を求め過ぎず、簡単なことから」やっていくことです。
最初は、大きなおもちゃ箱(1か所)に片付けるから初めて、だんだん、「棚に分けて入れる」など細かくしていくとよいです。
そこでできたことを褒めていくことで、子どもに習慣づけていきます。
保育園や小学校の生活では、片付けや当番活動をしっかりする子どもでも、家庭ではやらないという子もいます。
学校でやっているなら…と思ってしまいますが(私もそうですが)、家庭でも、「お手つだい」という形で、家事参加していけるようにしたいですね。
それが、家族愛や帰属意識、信頼につながっていきます。
そして、真の自立へと繋がっていきます。
小学生になったら
褒めるときの伝え方や、メリットは、こちらの記事にもまとめてあります。ご覧ください。
まとめ
- お手伝いは、自尊心や自信、自立への第一歩
- 小さいとき(4歳くらいまで)は、「何に困っているか」を伝える
- 手伝いをしてくれたら、お礼とどんな気持ちになったか伝える
- 大きくなってきたら、ステップを踏みながら、できることを増やしていく
子どもといっしょにできることを少しずつ増やし、成長を喜べたら最高ですね。
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