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【算数 数学 教育】算数・数学が得意な人はどうなっているの? 算数・数学で身につけたい社会で生きる力ー「学校では教えてもらえない超ディープな算数の教科書」(難波博之)を読んでー

算数・数学教育

国語は、読み書きを覚えるため。

英語は、英語の読み書きができるようになるため。

どちらも、(特に国語は豊かに)コミュニケーションが取れるように勉強をしていきます。

対して、算数・数学も重視されていますが、何で勉強するのでしょうか?

ぶっちゃけ国語よりも、日常生活で実際に使うことは少ないです(算数はともかく、数学は)。

もちろん、最先端の工学などを勉強するには数学が不可欠ですが、小学校レベルを履修すれば、中学校数学、さらには図形(合同・相似)は理系の進む生徒だけではいいのでは?と思うかもしれません。

それでも重要視されるのはなぜ何でしょうか?

そして、算数・数学を学ぶ中でどんな力をつけなければいけないのでしょうか?

今日は私見を述べようと思います。

数学は、数学的センスを磨くわけではない

さて、「算数・数学を学ぶ中でどんな力を身につければいいか?」と聞かれたらみなさんはどう答えますか?

数について理解を深める、計算できる。

というのは一つの答えです。

けれど、算数・数学では図形も学習します。

数や計算の領域だけにはとどまりません。

また、数学は、英語や社会のように単語を覚えれば力がすぐに伸びるというものでもありません。

さて、「算数・数学を学ぶ中でどんな力を身につければいいか?」という質問に答えを出すために、数学で取り扱う問題を見てみましょう。

数学で出される「問題」は、大きく3つに分けられる

数学のテストや入試、果ては数学オリンピックに出題される問題は、大きく分けて「努力で解ける問題」と「才能が必要な問題」の2つに分けられます。

さらに細かく分けると3種類に分けられます。

①典型的な問題

数学的な知識を問う、いわゆる頻出問題。数学の教科書の例題がまさに典型的な問題。パターンを覚えておけば、数値などを入れ替えることで解くことができる。

②「典型的な問題」の応用

典型的な問題で登場した知識を活用して、別のパターンの問題への対応力を問う問題。

③典型的ではない問題

「数学的発想力」が問われる問題。ひらめきがなければ、どんなの知識の量があっても解くことができない問題。

①は、まさの努力すれば解けるようになる問題です。

二次方程式の解の公式を覚えていれば、(とりあえずは)どんな二次方程式も解を出せますよね。

他にも、教科書の数値が入れ替わって、解き方は同じもの。グラフのかき方だったり、図形の合同の証明だったり・・・。

これは覚えていれば、解くことができるようになります。

②は、努力で、身につけた知識を 他の問題に応用できるように抽象化する力を身につければ問題を解けるようになります。

一般的な試験問題では、基本的には、①~②の問題を中心に出題される傾向にあります。

例えば、東京大学の数学の問題は「教科書を完璧に理解していれば解くことができる。」と豪語していた先生が私の高校にいました。

以下の記事で紹介しましたが、昔、東京大学では「(円周率)>3.05を証明せよ」と問題が出ました(初出は愛知教育大学だ!と言っていた方もいましたが・・・真相は闇の中)。

円周率が、3.14くらいということは小学校でも知っていることですし、どの教科書にも書いてあります。

そして、導出についても、小学校で簡単にはやっています。

それを粒度を上げて細かくしたのがこの問題です。

また、京都大学とか東京工業大学(現在の東京科学大学)は、大学に入ってからしか習わないような解法で解いても丸になるということも聞きますが、高校の知識を応用して、大学で習うような知識を取得し、入試問題に挑んでいると考えれば、問題もないわけです。

①のカテゴリーの問題というのは、図形とか、方程式とか、関数とか点で散りばめられた数学の知識を1つひとつ埋めていくことで解けるようになります。

②のカテゴリーは、中学で言えば、関数と連立方程式といったように、①の知識を応用したり、組み合わせたりして解いていくような問題のことです。

②のような問題は知識を抽象化して記憶する力が必要なのです。

よく数学は、「暗記教科である」「パターンを覚えれば誰でも解ける」という人がいます。

こういう人は、解法を丸暗記しているわけではないのです。

その裏にある数学の知識を以下に使うかを考え、その使い方を抽象化して記憶をしているのです。

③は「謎の発想」を閃かない限り、解けない問題です。基本的には、入試問題では出題されません。

数学オリンピックでは必要かもしれませんが・・・。

有名なのが、ラングレーの問題と呼ばれるものです。

角度を求める問題なのですが、補助線の引き方が、どの知識を使っているのか合理的・論理的に説明できるのかを私は話せません。

こうすれば、うまくいくという、プロ棋士のようなひらめきが必要になるのです。

最後に

よく「数学を解けるようになりたい!」「点数を取れるようになりたい!」という相談を生徒から受けます。

ただ、英語のように単語を覚えれば、長文の意味をなんとなく取れるようになる。

社会のように、語句を覚えれば、点数に直結するとは言えない教科なのはわかっていただけたと思います。

計算などのルールを覚え、ルールに則って計算できるようにするのが第一ステップ。(①の問題)

計算できるようになったら、その知識を活用して、他の分野に広げてみる(②の問題)

といくつもステップが必要な科目になります。

また、翻ってみれば、学校で数学を学習する意味は、「規則を見出し、それを抽象化し、活用できる、問題解決ができる能力」を育てることを狙っているということも言うことができます。

こういえば、数学は実社会で必要と見れそうですね。

今回は、数学で身につけた力はこんな力じゃないかなと考えてみました。

皆さんはどう考えますか?

是非コメント欄で教えて下さい。

スーさん
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参考文献・参考HP

参考文献

参考HP

ラングレーの問題 - Wikipedia

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