授業をエスケープする子、いますよね。
なんで、子どもって授業を抜け出してしまうのでしょうか?
どこに原因があるのでしょうか?
今回は、授業をエスケープする子への対応を考えます。
私の経験から
私が出会った子は、授業がつまらないと抜け出して、いつも図書室で本を読んでいました。
「なんで授業抜けるの?」と聞くと、「つまらないから、わからないから。」と言っていました。
その子は転校生で、前の学校では、ほとんど放置されていた状態でした。
授業で静かにしていれば、本を読んでいてもよいといった対応がされていたようです。
こちらの学校に来て、支援員さんがついて、「今はノート取るよ」「先生の話を聞きなさい。」と言われるので、「前の学校ではそんなこと言われなかったのに、うざい!」となっていました。
そこで、こんな対応を考えました。
対応策
授業に気持ちが向くように
その子は、最初の挨拶のときは教室にいました。
だいたい20分過ぎてきた頃に、嫌になって飛び出してしまうという感じです。
そこで、まずは、授業に気持ちが向くような声掛けをしようと思いました。
「今日の勉強では、〇〇をするよ。この勉強をすると、こんなことが分かるようになるよ。」と見通しの部分で、今日の授業の魅力を伝えるようにしました。
また、勉強に向かう場を作るのが大切と考え、ノートや教科書を一緒に準備するようにしました(もちろんクラスにも指導しましたが)。
授業のチャイムが鳴る前に、ノートと教科書、筆箱を机上に出すように一緒に行いました。
今から勉強をするという空気を教室に作ることが大切だと考えていたからです。
そして、授業が終わったら(途中で抜け出したとしても)、
「今日の授業で、なんか新しい発見はあった?」
「なにか、わからないと思ったことある?」
と子どもの心に変化が出てきたところを一緒に言語化していきます。
遠回りに感じるかもしれませんが、「授業に気持ちが向かうように」声かけや授業改善をしていくのが大切です。
他の先生とタッグを組んで「学校に来る意味」を考えた
その子に「学校ってなんのための来るの?」と聞いたところ、
「学校は遊ぶところじゃないの?」という答えが返ってきました。
そこで、学校に来る目的を再確認したほうがいいということを考えました。
担任のわたしだけではなく、生徒指導の先生や、校長先生から話をすることで、その子に学校で大切なことが伝わるのではないかと考え、校長先生に「学校に来る意味をその子に伝えてほしい」と依頼をしました。
ある日、校長室にその子を呼んでもらい、学校教育法を見せて学校の目的を伝えたり、学校目標を伝えて、学校は「勉強して、賢くなって、心を強くするところ。」ということを確認してもらいました。
子どもと「授業の受け方」を考えた
学校に来る目的を理解したうえで、今度は、その子どもと授業をエスケープしたくなったらどうすれな良いかを話し合って以下のことを確認しました。
- 授業の前にはノートと教科書、筆箱を準備すること
- 教室内では、勉強をすること
- どうしてもだめな場合は、校長室で勉強をすること
みんなの勉強のじゃまになることと、その子どもの心を切り替えるために、校長質で勉強できるよう校長先生にお願いをしました。
上記のことを保護者に伝えて了承を得たうえで、子どもに話をしました。
もし、もっと強く出たい場合は、「勉強できなくなったら、保護者に迎えにきてもらう」ことを保護者に承知してもらって、子どもに伝えるという手もあります。
毅然とした、断固たる態度を示せるかどうかが重要です。
もし、授業に戻ってきたら、その子が授業が面白いと感じられるようにしていかなければなりません。
それができないと、この子にとって苦痛な時間をただ過ごさせることになってしまうからです。
私の場合、ありがたいことに校長先生や教頭先生が、授業の最初の15分で、今までやってきた学習を復習し、教室に戻してくれる個別指導をしてくださいました。
授業も面白くなるように、本を買ったり、面白いと思った授業案をトレースしたりして授業力向上に努めました。
その子にとって、足りなかった学習を補強してもらって、授業に入っていけたので、勉強の集中力も増しました。
「トークンエコノミー法」
そのほかにも、トークンエコノミー法も検討しました。
例えば、1時間、座っていられたら1ポイント。
6時間全ての授業を抜け出さずに座っていることができたらボーナス3ポイント。
10ポイント貯まったらご褒美を渡す方法をとってもいいともいます。
その子が頑張るのと同時に先生も一生懸命授業を変えていくのです。
子どもが1分でも2分でも授業に入って行けるような事前の準備をして、子どもに価値をもたらしていきたいですね。
こちらの記事にもトークンエコノミー法の実践を載せたので、合わせて御覧ください。
まとめ
今回は授業を抜け出してしまう子どもへの対応を考えました。
- 授業に気持ちが向くように授業改善をしていくこと
- 「学校にくる意味」を一緒に考えた
- 「授業の受け方」を一緒に考えた
少しでも、子どもが授業を受けたいな、授業を受けたら成長できるなと感じられるように授業を変えていきましょう。
もちろん他にも原因があるかもしれません。
大切なのは、その子の困り感が何か仮説を立てて、対策を講じることです。
子どもの困り感の見方についてはこちらの記事を書きました。ご覧ください。
子どもが楽しいと感じられるような授業を一緒に作っていきましょう。
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