自分の娘が今6歳と3歳になります。
特に下の子は、一度抱っこしたらなかなか、下に降りてくれません。
腰がいたい・・・。
ダイレクトに「お父さん好き」と言ってくれるのでかわいいです。
かと思うと、祖父には、ツーンとした態度をとっています。
まぁ、演技なのでいいのですが。
さて、先生をやっていると、娘のようにこちらを慕ってくれる生徒ばかりではありません。
どうしても合わない生徒というのも出てきます。
また、親子でも、関係性を築くのが難しい場合があります。
どんな風に過ごしていけばいいのでしょうか?
今日は岸見一郎先生の「数えないで生きる」から、ちょっと考えてみようと思います。
自分の思いと相手の思いが一致しないとしんどい

親子の関係について、以下のような引用がされていました。
男の子が、学校から駆け出し、母親に会いに行く
(1)彼は母親に駆け寄り、しっかり抱き着く。母親は彼を抱き返していう。
「お前はお母さんが好き?」
そして、彼は彼女をもう一度抱きしめる。
(2)彼は学校から駆け出す。母親は彼を抱きしめようと腕を開くが、少し離れて立っている。
「お前はお母さんが好きではないの?」
「うん」
「そう、いいわ、お家へ帰りましょう」
(3)彼は学校から駆け出す。母親は彼を抱きしめようと腕を開くが、近寄らない。彼女はいう。
「お前はお母さんが好きではないの?」
「うん」
母親は彼に平手打ちを一発食らわせていう。
「生意気いうんじゃないよ」
(4)彼は学校から駆け出す。母親は彼を抱きしめようと腕を開くが、少し離れて近寄らない。
「お前はお母さんが好きではないの?」
「うん」
「だけど、お母さんはお前がお母さんを好きなんだってことわかっているわ」
ーLaing R.D .「Self and Others」.1961
皆さんは(1)~(4)の親子の姿、どれがいけないと思いますか?
答え合わせ
(1)はもちろん素晴らしい状態です。
そして、(4)も親が、子どもに愛を与えているからよい。
(2)(3)の親子の姿が微妙と考える方が多いのではないでしょうか?
でも、本の中では、(2)、(3)の姿は(平手打ちは体罰だけれど)よい。
一番悪いのは、(4)だと言っています。
なぜだと思いますか?
ポイントは、親と子の認識です。
一番まずそうな、親が子どもに手を出している(3)ですが、親も子どもも、相手のことが嫌いという部分は一致しています。
だからお互い干渉しあわないという選択を取ることができます。
(2)では、子どもが嫌いということに対して、親は、「それでいい」と受容をしています。
だから、親と子の関係もほどほどの距離を取ることができるのです。
(4)は、子どもは嫌だと言っているにに対して、親は「好きだということをわかっている」と子どもの認知を曲げています。
これは、子どもの考えに介入しているのです。
これが危ういのです。
(4)の危うさ
子どもは親と距離を取ろうとしている。
でも、親は子どもに近づいてくる。
そうなると子どもはしんどくなります。
親が良かれと思ってやっている分、親を正しようがないのです。
これって、具体的に言うと、教育ママの話につながっていると思います。
子どもをいい学校に入学させたい。
そのために、子どもに勉強を小さいうちから強制させる。
自分の目の届くところに置いておきたいから、外に連れ出すことをしない。
そんな風に子どもを縛るのです。
もちろん一見しては、子どものことをよく見ているといえるでしょう。
けれど、子どものためにはなっておらず、そして子どもを苦しめていると思うのです。
学校教育の場でも

学校教育でも、気を付けなければなりません。
学級担任として、自分のクラスを責任もって1年間受け持っていきます。
その子は先生のことを嫌っているのに、良かれと思って、構いすぎる。そして、言うことを聞かせようとする。
大事なのは関係性です。
気持ちいい関係性を作るのが大事なのです。
特に中学校だと多感な時期です。
自分も中2の担任を持った時に、女子生徒とうまく関係を築けませんでした。
もちろん、私が何か悪いことをしたわけではありません。
思春期特有の、「男の人なんか嫌だ」だったわけです。
それならそれなりのかかわり方をすればよかったのですが、何とかしないとといろいろ手立てを講じた結果、泥沼にはまった。なんてこともありました。
相手の気持ちを尊重しつつ、どの程度の距離感でいればいいのかを考えていくのが大事だなと感じました。
最後に

こういう本を読んでいて、昔は失敗したなーと振り返ります。
けれど、今、そうやって学び直し・思い出しをしているからこそ、自分の子育てや、仕事に活かせると思うのです。
自分の経験を少しずつ言語していくことを続けていこうと思います。

岸見一郎先生の本を参考にした記事がいくつもあります。併せてごらんください。






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