PR 本ブログはアマゾンアソシエイトに参加しています。

【算数 四捨五入 小4】なぜ、四捨五入は、0〜4は切り”捨て”て、5〜9は切り上げ(入れる)のか?ー「学校では教えてもらえない超ディープな算数の教科書」(難波博之)を読んでー

算数・数学教育

四捨五入は、小学校4年生で習います。

確か「およその数」という単元名でやるのかな(遠い記憶ですみません)

ところで、「なぜ4までの数は捨てて、5以上の数は切り上げる(入れる)のでしょうか?

私もそろそろ35でアラフォーが見えてきました。

まだ、40代ではなく、心は少年のつもりですが・・・。

冗談はともかく、四捨五入について今回は考えてみましょう。

四捨五入とは

四捨五入は以下のように定義されています。

四捨五入とは

ある数の特定の桁が、0、1、2、3、4なら切り捨てて、5、6、7、8、9ならば切り上げる

というものです。

四捨五入は、大きな桁の数を概数(おおよその数)で把握したいときに使います。

例えば、東京都の人口は、14,263,372人(2025年9月1日現在)ですが、千の位(3)を四捨五入して、1426万人とあらわしたりします。

ざっくりとした数字を知れればいいときは、概数の方がわかりやすいですね。

でも、4までは切り捨てて、5からは切り上げるのはなぜなのでしょうか?

「5から切り上げるのは当然?」

0、1、2、3、4  5、6、7、8、9

10個の数字を並べると、4と5の間がちょうど真ん中になります。

だから5で切り上げるのかもしれないと思うかもしれません。

そんな説明をしている本もありました(と記憶しています)

けれど、実はこれでは説明が不十分な場合があるのです。

以下の例で考えてみましょう。

12000〜13000の間の整数を、100の位で四捨五入する場合を考えています。

そうなると、12000〜12499は、「約12000」と切り捨てて表します。

12500〜13000は「約13000」と切り上げて表します。

ただ、「一番近い1000の倍数は何か?」と考えてみると、おかしなことが見えてきます。

  • 12000〜12499に一番近い1000の倍数は、12000
  • 12501〜12999に一番近い1000の倍数は、13000

では、「12500に一番近い1000の倍数は幾つでしょうか?」

そうです、12000と13000のちょうど中間にあるのです。

だから、12500を切り上げるということは、先ほどの「10個の数を使った説明」では矛盾した話になります。

12500に限っては、切り捨てても、切り上げても良いわけです。

だから、近い数の方に概数を表すという説明では不十分なのです。

極論、5は切り捨てるというルールにしても問題はないのです。

「5から切り上げるルール」の理由は?

視点を変えて「5を切り上げると便利なことがあるのか?」を考えてみましょう。

5を切り上げる合理的な理由として「切り捨て・切り上げの計算が少し楽になる」ということが挙げられます。

1を素数に入れるか入れないかも長く議論されてきましたが、(しかも1を素数に入れても困ることは少ない)やっぱり、少し便利だから、1は素数から外されました。(詳しくは以下の記事をご覧ください)

今回も、5で切り上げた方が少し便利なんですね。ちょっとみてみましょう。

500で切り捨てるルールの場合

<判断方法>

  • 100の位以降の数が500以下なら切り捨てる
  • 100の位以降の数が501以上なら切り上げる

500を切り上げるルールの場合

<判断方法>

  • 100の位の数が0〜4なら切り捨てる
  • 100の位の数が5〜9なら切り上げる

このように、「500を切り捨てるルール」だと下3桁の500であるかどうかを十の位、一の位まで見ていかなければいけませんが、四捨五入なら、百の位の数だけを見れば判断ができるのです。

500を特別扱いしないことで、少し計算が楽になるんですね。

ただ、日常では四捨五入の概念はよく出てくるので、小学生のうちから出てくるわけです。

最後に

ちなみに、どの世界でも四捨五入を使われるわけではありません。

例えば、「チェーンソーを扱うときは、周りから1.4m以内に人を入れないでください」という場合、四捨五入をしたら、「1m以内に人を入れないでください。」となります。

これって安全でしょうか?

こういう場合は、安全を優先させて、「チェーンソーを扱うときは、周りから2m以内に人を入れないでください」と切り上げます(切り捨てたほうが安全なら切り捨てます)。

また、陸上競技の100mのタイム計測。手動(ストップウォッチ)で計測するときは、

「10秒12」でも必ず切り上げて「10秒2」となります。誤差や、曖昧さは必ず切り上げるのです。

算数・数学では、四捨五入ですが、それが全てではないことも押さえておくと、面白いですね。

また、中学校3年生では、さらに大きな数を表すために有効数字の勉強をします。

土星までの距離は$1.4×10^7$といった表し方ですね。

桁数がとてつもなく大きなものを表すときに使います。

有効数字を扱うときも、四捨五入は使いますね。

これも、ここ最近の学習指導要領で入ってきて、自分が中学のときは習いませんでした(ゆとり世代なので)

初めて会ったのは、高校の物理でした。

これもどうやって使われるようになったんでしょうか?

こちらも気になりますね。また調べてみます。

工事中

スーさん
スーさん

Xで最新情報を更新中!

ぜひ、フォローしてくださいね!

X:プロフィール

今回の話は整数論の話にもつながってきます。整数を扱った授業実践も記事にしています。合わせてご覧ください。

数学の歴史小話もいくつも書いています。合わせてご覧ください!

参考文献・参考HP

参考文献

参考HP

https://ja.wikipedia.org/wiki/端数処理

コメント

タイトルとURLをコピーしました