さて、中学校になっても+やーよりも、×、÷を先に計算することを忘れてしまっている子は結構います。
小学校の教科書にも「四則演算では、×や÷を先に計算する」ということが明記されています。
けれどなんでそうしないといけないかの説明は省かれています。
これってなんでなんでしょうか?
今日はこれを考えていきたいと思います。
「×や÷を先に計算する」のはルールだから

結論を先に書いてしまうと、「×や÷を先に計算する」ことをルールとしようと決めたからです。
現行のルールでは
$1+2×3=1+6=7$
ですが、「左から順に計算する」とルールを変えることを宣言して、みんなに了解を得られれば、
$1+2×3=3×3=9$
としても問題はないわけです。
ただ、学校では、「×、÷を先に計算する」ことをルールとして決めて学習していったほうが都合がよく、また数学の世界でも一般的にこのルールが採用されているので、「×や÷を先に計算する」のです。
もちろん、それ以降の算数や数学を積み上げていく上でも都合が良いことがたくさんあります。
なぜそんなルールを作ったのかは、いくつか想像してみましょう。
理由1「具体例で考えよう」
「100円のジュース5本と、200円の弁当4つ」を購入したら代金はいくら?
「かけ算と割り算は優先して計算する」というルールなら、次のような式になります。
$100×5+200×4=1300$になります。
これを「左から計算する」というルールにすると、
$100×5+200×4=500+200×4=700×4=2800$となります。
もちろん答えが違ってきますね。
「左から計算する」というルールでいくとなると、以下のように式を立てる必要が出てきます。
$100×5=500$
$200×4=800$
$500+800=1300$
3つ式を立てる必要がありますね。
または、「()の中を優先して計算する」というルールを使えば、
$(100×5)+(200×4)=1300$
とすればひとつの式で書くことができます。
じゃぁ()を使えばいいと思うかもしれないですが、10個の弁当を式に表すような煩雑な計算をする場合を考えると、()がない式の方がすっきりしますね。
だから、「かけ算と割り算は優先して計算する」ルールができたと考えられます。
これは、文字式の表し方にもつながってきますね。(以下の記事で触れています)
最後に

今回の話は、合理性や利便性があるので採用されているルールです。
だからこそ、教科書にも「掛け算、割り算を優先して計算します」としか書いてありません。
世界的に広く受け入れられているため、このまま進めることが多いです。
子どもが「なんで?」と疑問に持ったら大いに褒めましょう。
今回の記事のように計算式を一緒に書いていくことで、「掛け算、割り算を優先する」利便性が掴めると思います。
数学の中には、「便利だから」「都合が良いから」という理由で作られたルールがたくさんあります。
ルールと、証明できることを教師側がしっかり分けて考え、指導することで、子どもたちも混乱せずに済むかなと思います。
みなさんはこの部分で子どもたちから質問を受けたり、一緒に考えたことはありますか?
是非コメントで教えてください!

このような話をいくつも記事にしています。合わせてご覧ください。
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