今回カレー沢薫先生の、「一億総SNS時代の戦略」を読みました。
SNSマーケティングの本かなと思って、読んでみたのですが、全然違いました(中身を見ればいいのに)
これは、SNSとどう付き合えばいいかの本です。
一日にSNSを70時間やっているというカレー沢先生。
SNSを駆使して、漫画家・エッセイストとして仕事を続けてらっしゃいます。
よく学校で企画される「スマホ教室」で飽きている中高生こそ、読んでほしいこの本。
5つ紹介します。
本文はもっと軽妙に書かれているので、ぜひ読んでみてください。
ぶっ刺さります。
ミュート・ブロックは使え!

よくSNSのフォロワーを、ブロックできない。ミュートできない。
リアルに知っている友達だったら、なおさらブロックできない。
こんなことを子どもたちが言います。
でも、よく考えてみましょう。
たとえSNS上でも嫌なことを言ってきて、平然としている人が、友達と言えるでしょうか?
SNSの良いところは、付き合わないでいい人と無理に付き合わなくていいことです。
自分の身を守るためにも、自分を攻撃してくるものは、どんどんミュート、ブロックをしていくのは必要なことだと思います。
リアルでの付き合いがある人はどうすればいいかもですが、それだったら、ネットまで関係性を続ける必要はないと思うのです。
もしブロックしたことに対して、友達が文句を言ってきたなら、なおのこと、「なぜブロックをしたか」を伝えればよいでしょう。
それで相手が怒ればそれまでなのです。
あ、もちろんSNSの行動については自分に非があるかを冷静に考えなければいけませんよ。
自分で律することができる人にしか、SNSを使う権利はないのです。
SNSに意味を求めるな!

よくSNSを見ていると、旅行行ったよ!とか、美味しいもの食べた!なんて投稿が載っていたりします。
それが「いいなぁ自分つまらないな」なんて思って、自分に自信がなくなるんだけれど、それは「投稿が自分に対して送られている」という感覚があるからです。
でもこの感覚は間違い。
相手も決して自分に自慢をしようなんて思って投稿をしていないのです。
カレー沢先生に言わせれば
今思いついた、マジでどうでも良いことをただの退屈しのぎに書き込んでいいのがSNS
ーP24
であろ、それを自分がなんとか拾おうとするから疲れるのである。
「SNSに意味はない」
ふ~んですまして、全然OKなのだ。
なぜ、他人の投稿を見ると自信がなくなるか、脳のメカニズムについては、こちらに詳しく書きました。合わせて読むと豆知識がつきます。
他人の投稿に対して感情的になりすぎない

この言葉を聞いて、真っ先に思い浮かんだのは、広陵高校である。(2025年8月執筆現在)
校内でのいじめ問題が発端で大会途中で出場を辞退することになった。
SNS上で、被害者が発信をし、そこからいろんな問題が更に浮上して、2週間たった今でも炎上している問題である。
この問題については、いろんな人が大変な思いをしているなということは理解する。
また、被害を受けた生徒も、出場辞退になった広陵高校の選手たちも、なんとか心の平穏を取り戻してくれればと思っている次第である。
私が気になったのは、SNSで広陵高校についてお祭り騒ぎをしていた人である。
その中で「揃いの正義の復縁を被って、ボコろう」なんて思って拡散した人はいないだろうか?
だいたいそういう気持ちになっているときは、自分はつかれているのである。
SNSの拡散ボタンを押すのではなくて、とりあえず、スマホの電源を切って寝ることをオススメする。
「正義の人」どころか「加害者」になってしまうおそれがある。
ネット上の騒ぎは関心事だが、自分が関係者でなければ静観するのが吉。
自分が「加害者」にならないように。
SNSも「1日1時間」

ファミコン名人高橋名人が「ゲームは1日1時間」という名言を残しているが、SNSの「1日1時間」がよいと思う。
一つ投稿すれば、いいねがつく。
リプライがもらえると嬉しい。
自分も一度バズったことがあるが、通知が鳴り止まないのは、うるさいのではなく、パチンコで確変が来たときくらいの中毒性がある。
このバズりになれると、もっとたくさんの「いいね」が欲しくなり、「いいね」が足りないと不安になったり禁断症状を起こし始め、嘘を書いたり、炎上商法をしたりと本当に、犯罪を犯してしまう恐れがある。
ここで、カレー沢先生はこんな方法を提案している。
より強い快感を得るための方法を「使用量を増やす」のではなく、「ちょっと我慢する」に変えれば良いのだ。
やったことはないのでわからないが、おそらく「ギリギリまで禁断症状に耐えたあとのシャブは最高」なのではないだろうか。
よって、1時間PCやスマホを触ったら15分だけ一切やらない我慢期間を設けてはどうだろうか。
そうすれば脳は休まり、我慢したあとのスマホがキマりにキマる、という良いことしかない状態になる。
ーP165
書きっぷりはさすがカレー沢先生だが、たしかにそうである。
更に、言えば、一日いつでもやれるのではなく「1時間だけ」やれるから、格段にその1時間が濃密になるのだ。
時間制限をいれることで、よりSNSとの付き合いが楽しくなる。
休息にもなるので、一石二鳥である。
どうせ呟くなら、得になりそうな独り言

インプを稼ぐために、有益なことを呟こうなんてことを書かれるが、そこまでの話ではない。
ただ、「眠い」と投稿をすれば、投稿を見た人は「寝れば」と何かしら思うものである。
だからこそ、どうせ呟くなら、得になりそうなことを呟くと良い。
「ご飯が美味しい」とか、「猫が好き」とかでもなんでもいい。
自分の何が好きかをつぶやき続けることで、回り回って好きが、自分のタイムラインで満たされるのである。
SNSでは「他人に聞かれても良い、更に自分に得がありそうな独り言」を意識して呟くことでSNSが華やぐのである。
自分が見てきた生徒から(終わりにかえて)

今まで自分の受け持った生徒の中にも、小学生低学年から、スマホをもっていたという子がいました。
それって悪いことなのかなと思っていたんですが、中学生のとかかわりを持つことで、リストカットやオーバードーズの知識を知ってしまいました。
ストレスがたまると、実際に切ったり、薬を大量に服用してしまったなんてことを小学校のうちからやり始めてしまいました。
中学校に入る頃には、心がボロボロ。
友達や先生、親でさえも信用できない。
といったメンタルになっていました。
家庭は、安定していて、親御さんもしっかりした方です。
そんな親御さんを信用できないというのはびっくりです。
きっと、ネットで知り合った友達の家庭状況などから、感化されてしまったんじゃないのかなと思います。
さらに、ネットとの距離の置き方がうまくできない小学生。
使い方やもたせ方は考えないと行けないなと思います。
そんな子に、色々声をかけるのですが、インターネットが怖いなんて真面目な話をしても、聞いてくれない事も考えられます。
そんな子には、この本をおすすめするのもありかなと思いました。
ふざけているけれど、筋はふざけていない「一億総SNS時代の戦略」
子どもたちに紹介してみると面白いなと思いました。

SNSについて、いろんな考察をしています。合わせてご覧ください!
参考文献・参考HP
参考文献
参考HP


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