コロナ禍の中、1人1台、端末が子どもに配られ、タブレットやパソコンを使わなきゃ!という機運が高まっています。
それから2年たち、授業で使ったという実践報告がまとめられることが増えてきました。
ただ実践報告を読んでいくと、使い方が紹介されているけど、タブレット使わなければいけないの?アナログでやった方がいいような…なんてことを考えてしまうことがよくあります。
これからのICT利用にはどんなことを考えなければいけないのでしょうか。
ある時、論文や文献を読んでいると、これからのICT利用においてとても重要な示唆が得られました。
今日は、少し古いですが町田彰一郎先生の「CAIの考え方 その実践の立場から」(日本科学教育学会年会論文集 10.pp569-pp572)論文と永田潤一郎先生の書籍から考えたことを今日は紹介したいと思います。
指導要領におけるICT利用
小学校学習指導要領解説 算数編には「コンピューターなどの活用」ということで以下の記述があります。
1-(1)小学校学習指導要領解説 算数編 pp.329-pp331
(2)コンピュータなどの活用(2)数量や図形についての感覚を豊かにしたり,表やグラフを用いて表現する力を高めたりするなどのため,必要な場面においてコンピュータなどを適切に活用すること。また,第1章総則の第3の1の(3)のイに掲げるプログラミングを体験しながら論理的思考力を身に付けるための学習活動を行う場合には,児童の負担に配慮しつつ,例えば第2の各学年の内容の〔第5学年〕の「B図形」の(1)における正多角形の作図を行う学習に関連して,正確な繰り返し作業を行う必要があり,更に一部を変えることでいろいろな正多角形を同様に考えることができる場面などで取り扱うこと。
と指導要領に記述があります。解説まで目を通すと、
算数科の指導においては,コンピュータや電卓などを用いて,データなどの情報を処理したり分類整理したり,表やグラフを用いて表現したり,図形を動的に変化させたり,数理的な実験をしたりするなど,それらがもつ機能を効果的に活用することによって,数量や図形についての感覚を豊かにしたり,表現する力を高めたりするような指導の工夫が考えられる。
特に,今回の改訂では,統計的な内容を各学年で充実させているが,データを表に整理した後,いろいろなグラフに表すことがコンピュータなどを用いると簡単にできる。目的に応じて適切にグラフの種類や表現を変えることで,結論や主張点がより明確になる。このようなコンピュータなどを用いてグラフを作成するよさに触れることも大切である。
また,身近なものにコンピュータが内蔵され,プログラミングの働きにより生活の便利さや豊かさがもたらされていることについて理解し,そうしたプログラミングを,自分の意図した活動に活用していけるようにすることもますます重要になっている。将来どのような職業に就くとしても,時代を超えて普遍的に求められる「プログラミング的思考」などを育むプログラミング教育の実施を,子供たちの生活や教科等の学習と関連付けつつ,発達の段階に応じて位置付けていくことが求められる。その際,小・中・高等学校を見通した学びの過程の中で,「主体的 ・ 対話的で深い学び」の実現に資するプログラミング教育とすることが重要である。小学校においては,教科等における学習上の必要性や学習内容と関連付けながらプログラミング教育を行う単元を位置付け,身近な生活でコンピュータが活用されていることや,問題の解決には必要な手順があることに気付くことを重視する。
算数科において,プログラミングを体験しながら論理的思考力を身に付けるための活動を行う場合には,算数科の目標を踏まえ,数学的な思考力・判断力・表現力等を身に付ける活動の中で行うものとする。
算数科においては,問題解決したのち,問題解決の仕方を振り返り,問題解決の方法をより簡潔・明瞭・的確なものに高めたり,それを手順としてまとめたりするという学習活動が多く行われる。例えば,整数などの計算の仕方を考えた後,計算の仕方を簡潔・明瞭・的確なものとしていく中で,筆算という形式で表し,計算の仕方を筆算の手順としてまとめていく。筆算として計算の仕方をまとめた後は,手順通りに間違いなく筆算を行うことが大切になる。これは技能である。
このように算数科の学習は,問題の解決には必要な手順があることに気付くことに資するものである。「プログラミング的思考」とは,自分が意図する一連の活動を実現するために,どのような動きの組み合わせが必要か,どのように改善していけばより意図した活動に近づくのかということを論理的に考えていく力の一つである。
算数科においては,「例えば第2の各学年の内容の〔第5学年〕の「B図形」の (1)における正多角形の作図を行う学習に関連して,正確な繰り返し作業を行う必要があり,更に一部を変えることでいろいろな正多角形を同様に考えることができる場面などで取り扱うこと。」と示されている。
正多角形の学習では「正多角形は円に内接すること」を基に定規とコンパスなどを用いてかくことを指導する。コンピュータを用いると,「正多角形は全ての辺の長さや角の大きさが等しいこと」を基に簡単にかつ正確にかくことができる。また,辺の長さや角の大きさを適切に変えれば,ほかの正多角形もすぐにかくことができる。辺の長さ分だけ線を引き,角の大きさ分向きを変え,これらのことを繰り返すことで正多角形がかける。正方形は 90 度向きを変えればよいが,正六角形は何度にすればいいのかを考えていく。線の動きを示す指示として「線を引く」「○度向きを変える」「繰り返す」などの最小限の指示を指定することで,正多角形をかくことができるのである。
算数科ではこのような活動を行うことで,問題の解決には必要な手順があることと,正確な繰り返しが必要な作業をする際にコンピュータを用いるとよいことに気付かせることができる。
…長いですね。
解説の部分で言われていることを要約すると、
算数科においては、PCや電卓を用いて、データの情報処理、分類整理、表やグラフを用いて表現、図形を動的に変化させたり、数理的な実験をして、数的感覚を豊かにできるよ。
統計分野が入ったから、積極的に使って、目的に応じてグラフを作って、活用しましょう。
プログラミング的思考は、これから生きていく上で大事だよ。ただし、プログラミングを体験しながら論理的思考力を身につける活動を行う場合には、算数科の目標を踏まえ、数学的な思考力・判断力・表現力等を身につける活動の中で行うものとしますよ。(正多角形の作図の例を取り上げとくね)
問題の解決には、必要な手順があること、正確な繰り返しが必要な作業をする際にはPCを用いると良いことに気づかせられるよ。
なんてことが書いてあります。
では中学校の学習指導要領解説ではどうでしょうか。
1-(2)中学校学習指導要領解説 数学編 pp.167-pp.169
(2) コンピュータ,情報通信ネットワークなどの情報手段の活用
(2) 各領域の指導に当たっては,必要に応じ,そろばんや電卓,コンピュータ,情報通信ネットワークなどの情報手段を適切に活用し,学習の効果を高めること
解説まで目を通すと、
中学校数学科におけるコンピュータや情報通信ネットワークなどの情報手段の活用については,大きく分けて,計算機器としての活用と,教具としての活用,情報通信ネットワークの活用が考えられる。すなわち,コンピュータや情報通信ネットワークなどの使用方法についての指導ではなく,生徒が数学をよりよく学ぶための道具としての活用である。各学年の「Dデータの活用」の(1)のアのイにおいては,その内容との関連を踏まえ,「コンピュータなどの情報手段を用いるなど」と記述しているが,他の内容においてもどのような指導にコンピュータなどの情報手段を用いることができるかを検討して,積極的な活用を図ることが必要である。
また,前述の「主体的・対話的で深い学び」の過程において,コンピュータなどを活用することも効果的である。例えば,一つの問題について複数の生徒の解答を大型画面で映して,どのような表現がよいかを考えたり,1時間の授業の終わりにその授業を振り返って大切だと思ったことや疑問に感じたことなどをタブレット型のコンピュータに整理して記録し,一定の内容のまとまりごとに更に振り返ってどのような学習が必要かを考えたり,数学の学びを振り返り「数学的な見方・考え方」を確かで豊かなものとして実感したりすることの指導を充実させることもできる。
なお,「適切に活用し」とは,特にインターネットなどの情報通信ネットワークの活用において,情報を収集したり,他者とのコミュニケーションを図ったりする際に,生徒が的確に判断し対処することができるよう,メディア・リテラシーの育成にも配慮する必要があることを意図したものである。① 計算機器としての活用
計算機器としてのそろばん,電卓,コンピュータなどの活用について,例えば電卓について考えると,基礎的な計算力を身に付けることは必要なことであるが,複雑な計算を伴うものについては,電卓を活用することにより,学習効果を一層高めることができる。特に,やや大きな数や小数が含まれている面積や体積を求めるなどの数値計算に関わる内容の指導,あるいは観察や操作,実験などの活動により得られた数量を処理する際に数値計算を伴う内容の指導などには,計算するために時間を多く費やすのではなく,電卓を積極的に活用し,考えたり説明したりする時間を確保することが望まれる。その際,簡単に計算結果が得られるが,結果をそのまま書き写すのではなく,求めようとしている数値のおおよその大きさと比較して確かめたり,どの程度まで詳しい数値であればよいのか考えて適切に判断したりできるよう指導する必要がある。
また,電卓の手軽さとコンピュータの簡易機能をもち合わせたグラフが表示できる電卓を活用することも考えられる。こうした電卓の機能を使うことによって,例えば,関数の学習で,表,式,グラフの関連を有機的に示したり,センサーを取り付けて動的な事象に対するデータの収集に利用したり,あるいは日常生活や社会に関わる問題解決において方程式の解を簡単に求めたりすることができる。② 教具としての活用
教具としてのコンピュータは,それを活用して教師の指導方法を工夫改善していく道具であると同時に,観察や操作,実験などの活動を通して生徒が学習を深めたり,数学的活動の楽しさを実感したりできるようにする道具である。「Dデータの活用」に関わる活用の例は,既に第3章で紹介したが,それ以外にも例えば,「A数と式」の指導においては,文字を用いた式の計算の確実な習得を図るために,個々の生徒に応じて補充,習熟といった学習に用いることができる。「B図形」の指導においては,三角形の2辺の中点を結んだ線分について,この「2辺の中点を結ぶ」という条件が当てはまる図形を,ディスプレイ上でいろいろな形に変形することにより,形は変わっても長さの比が一定であることに気付くなど,その中に含まれる図形の性質を見つけ,問題を設定することができる。「C関数」の指導においては,グラフの x の値を細かく取って,その形状をより正確に表示したり,x の値の変化に応じて座標上の点を動かし表示したりすることができる。また,一次関数 y=ax+b について,b の値を固定し a の値を変化させる,あるいは a の値を固定し b の値を変化させることによってグラフの変化の様子を考察するなど,条件設定を状況に応じて自在に変えながら考えを進めることができる。課題学習の指導においても,学習効果を高められると判断できるものについては,必要に応じてコンピュータなどを活用する。このように数学的な性質の発見という場面で生徒が思考するための道具としてコンピュータを活用することについても特に配慮する必要がある。
また,その活用の形態については,コンピュータ教室などで生徒一人が一台のコンピュータを用いて学習するだけでなく,普通教室にノートパソコンと液晶プロジェクタを持ち込んで提示器具として用いるなど,指導内容との関係で柔軟に対応できるようにすることも考えられる。
③ 情報通信ネットワークの活用
教具としての活用のうち,特にインターネットなどの情報通信ネットワークの活用については,その目的を明確にして積極的な活用を図る。例えば,三平方の定理の証明方法,江戸時代の和算や算額の問題など,数学に関する歴史的な事柄について調べたり,統計に関わるデータを集めたりして学習している内容の理解をより深めるためには,参考書や事典類ばかりでなく,情報通信ネットワークで検索することが有効である。また,電子メールや掲示板,動画通信などを用いて遠隔地にいる者の間で問題を出し合ったり,解き合ったりして相互に伝え合い,考えを共有するなど数学を楽しむことで数学を学ぶことに対する興味や関心を高めることも考えられる。この際,何のために活用するのか,目的を明確にした活動が求められるとともに,資料の収集や問題解決に当たってメディア・リテラシーなどにも配慮する必要がある。
ざっくり要約すると、
PCや情報通信機器には、計算機器としての活用と、教具としての活用、情報通信ネットワークの活用が考えられる。PCやネットの使い方指導ではなく、生徒が数学をよりよく学ぶための道具として活用しなさいよ。
大型電子黒板に、解答を写したり、振り返りをコンピューターに記録して、整理し、まとめを振り返ったりすると、「数学的な見方・考え方」が豊かになるよ。
基礎的計算技能の習得は大切だけど、電卓を使って、やや大きな数や小数などの計算の処理に時間をかけるのではなく、考えたり説明したりする方に時間をさけるようにしよう。ついでに表計算ソフトを使えれば、グラフも簡単にできるから、使うと便利だよ。
「データの活用」の分野では、めちゃくちゃ使えるよ。
ICTを使って図形を動的にみることで、いろんな法則を見つけられそうだよ。
関数は、例えば0から1までの間の点をたくさんプロットしていくことで、グラフの線というのは、点の集合なんだよと言うことが理解できる。
また、一次関数の傾きや切片の数値を変えるとどんな変化が起こるか、分かりやすいよ。
三平方の定理の証明などは、いろんな証明方法がある。
ネットで探して、生徒にまとめさせると力になるよ。ぜひ、見つけたことは、生徒間で共有させてね。
なんてことが書いてあります。
じゃあ、どう使えばいいの?
町田彰一郎先生が、1986年に「CAIの考え方 その実践の立場から」(日本科学教育学会年会論文集 10.pp569-pp572)の中に、算数・数学の学習の立場から、次のような可能性を示してくれています
- 思考過程のチェック
- 概念の直感的・統括的把握
- 思考実験の用具・シュミレータとして
- ドリル提出、採点、集計の簡略化
- データベース的利用
- 形成的評価の利用
これと、先に示した学習指導要領の内容を、繋げて考えていくと、だんだん見えてくるのではないでしょうか。
よく使われているアプリを、例に出しながら考えてみましょう
1 思考過程のチェックでは、「ロイロノート」などの思考ツールアプリを使うことで、把握がしやすくなります。
2 概念の直感的・統括的把握、3思考実験の用具・シュミレータとしては、電子教科書や、GeogebraやGCなどではないかなと思います。
動点Pの問題などは、電子教科書で、実際に動く様子を見られるようになり、問題文の把握が容易になりました。
GeogebraやGCを使って図形を容易に変形し、実験ができるようになりました。
Excelのランダム関数を使って擬似的に確率のシュミレーションもできますね。
4 ドリル提出、採点、集計の簡略化はGoogle for educationのアプリを使えばできるようになりましたね。
5 データベース的利用は子どもの振り返りの集積にあたるでしょうか。指導要領に示された三平方の定理などの証明をインターネットで検索というのもここに当たるかも知れません。
6 形成的評価の利用の方が振り返りの集積を教師側からの利点として捉えれば、ここに当たると思います。
30年前の予想が、タブレット端末1台で完結できる未来がついに来たのです。
そうはいっても現場はまだ手探り状態
日数教の全国大会や、地方の実践発表会に参加しました。
自治体事にフィルタリングや、仕様が違ったり、自由にアプリをインストールできなかったりという様々な制限がある中で、苦心して利用している状態です。
ただ、タブレットのアプリを使うということで、プログラミングなどの詳しい先生じゃなくとも、パッケージ化されたアプリを使えるようになったので、ICTの敷居も下がりました。
これは本当に有難いことです。
そして、現場はコロナ休校からしばらくたち、様々な実践が出揃ってきました。
これをさらにブラッシュアップして、今後の実践に繋げる必要が出てきていると思います。
これからのICT利活用の具体的な指針
先に紹介した町田先生は、数学教育におけるコンピュータ利用に関する研究の望ましい進展について、次の3つのステップを述べています。
1.コンピュータを使って何ができるか探る段階
2.1の中で、特にコンピュータを使わなくても実現できるものを選別し、コンピュータがその威力を本当に発揮するものを選び出す段階
3.最終的には、このような授業を実現したいという教育目標が先にあり、コンピュータを使わなければ、その目標を実現することが不可能であるがゆえに、コンピュータを利用する段階
現在注目される「プログラミング教育」についても同様のことが言えるのではないだろうか。
そして現在は1「プログラミングを使って何ができるかを探る段階」にあるように思う。
それが、2「プログラミングを有効に授業に用いること」について研究をすすめ、最終的には3「ある教育目標を達成するためにプログラミングが不可欠」といった位置づけでなければならない。
プログラミング教育に関して、そもそも「何を目的・何を目標しているのか」についての明確な議論とビジョンが求められるように思う。
とあります。これはプログラミングにおいての論ですが、ICT利用と読み替えてもそのまま通用すると思います。
1の実践はそろそろ貯まってきました。
ただ、2まで言及したものは少ないです。もちろん現場レベルでは中々難しいとも言えますが、少なくとも「こんな教師の思いがある」「こんな子供の姿を引き出したい」という意図を持って実践をしたいですね。
そのために、ICTの活用において、私は3つの分類で、ICTを使うべきか使わないべきか考えています。
- アナログでしかできない活動(例:話し合い活動)
- アナログ、ICTどちらでもできる活動(例:振り返り)
- ICTでなければできない活動(例:Cafoot!とか)
1や3は言わずもがな。
それぞれの良さを活かして活動していきたいです。
ただ、学校にあるシステムを使わなきゃって、頑張って使われている先生もいます。
1度使ってみるのは大切ですが、そのうえで効果を確認し、アナログに戻すところは戻したいですね。
2についてをもっともっとみんなで情報あげていきたいですね。
そして、その情報をみんなで集積して、1や3のどちらに当てはまるか、またはどんな場面だったら1や3になるかを検証していきたいですね。
そうなることで、町田先生のおっしゃっている最終目標
「授業を実現したいという教育目標が先にあり、コンピュータを使わなければ、その目標を実現することが不可能であるがゆえに、コンピュータを利用する段階」にたどり着けると思っています。
chatGPTくんに聞いてみた(2023.09.19追記)
教育一般におけるICT活用のメリット・デメリット
情報通信技術(ICT)を学習に導入することには、多くのメリットとデメリットがあります。以下に、それぞれの側面について説明します。
メリット:
- アクセス可能性の向上: ICTを導入することにより、学習資料やリソースへのアクセスが容易になります。インターネットを利用すれば、世界中の情報や教材にアクセスできます。これは学習者にとって非常に有益です。
- 対話的な学習: コンピュータやタブレットを使った学習プラットフォームを活用することで、対話的な学習体験を提供できます。インタラクティブなコンテンツや学習ゲームを通じて、学習者は情報をより楽しく効果的に吸収できます。
- 個別指導: ICTを使用すれば、学習者の進捗をトラッキングし、個別にカスタマイズされた指導を提供することができます。学習者のニーズに合ったカリキュラムや演習問題を提供することができます。
- 柔軟性と適応性: ICTを活用することで、場所や時間に制約を受けずに学習できるようになります。オンライン講座や遠隔教育は、忙しい学生や働く人々にとって特に便利です。
- リソースの節約: 電子教材やオンラインコースは、印刷物や教室の使用料を削減でき、環境にも優しい選択肢となります。
デメリット:
- テクノロジーへのアクセス制限: すべての学習者が適切なテクノロジーにアクセスできるわけではありません。特に発展途上国や経済的に困難な状況にある学生にとって、ICTを利用できない可能性があります。
- デジタルディバイド: ICTを活用する際、デジタルディバイド(情報格差)が問題となることがあります。一部の学習者が高速インターネット接続や最新のデバイスを持っている一方、他の学習者はそれらにアクセスできない可能性があります。
- 情報過多: インターネット上の情報は膨大で、信頼性の低い情報も含まれています。学習者が信頼性のある情報を選別するスキルが必要です。
- 人間との対話の不足: ICTを過度に依存すると、学習者同士や教師との対話が不足する可能性があり、社交性やコミュニケーションスキルが不足することが懸念されます。
- セキュリティリスク: オンライン学習やデジタルデータの取り扱いにはセキュリティリスクが伴います。プライバシー侵害やデータ漏洩の問題が発生する可能性があります。
ICTを学習に導入する際には、これらのメリットとデメリットをバランスさせる必要があります。適切な教育戦略やサポートを提供し、可能な限り多くの学習者にアクセスを提供するために工夫することが重要です。
数学教育におけるICT活用のメリット・デメリット
数学教育においても、ICTの導入にはいくつかのメリットとデメリットがあります。
メリット:
- インタラクティブな学習体験: 数学の概念を視覚的に示すことができる数学ソフトウェアやアプリケーションを使用することで、抽象的な概念を具体的に理解できます。例えば、幾何学の描画ツールや数式エディタを使って、学習者は数学をより直感的に理解できます。
- 演習問題の提供: オンラインプラットフォームや数学の学習アプリは、多くの演習問題を提供し、学習者が自分のペースで練習することができます。問題の解説やフィードバックも即座に提供できます。
- 適応学習: ICTを用いることで、学習者のレベルや進捗に合わせて適切な学習コンテンツを提供できます。難易度の調整やカスタマイズされた学習経路を提供することができます。
- データの分析: 学習者の進捗や理解度をデータとして収集し、分析することで、教師は個々の学習者のニーズを把握し、適切なサポートを提供できます。
- コラボレーション: オンラインツールやプラットフォームを使って、学習者同士がコラボレーションし、グループでのプロジェクトやディスカッションを行うことができます。
デメリット:
- 依存心のリスク: 適切な指導や解説なしに、ICTだけに頼って学習すると、学習者が依存心を持ってしまう可能性があります。基礎的な概念を理解する重要性は依然として大きいです。
- テクノロジーの故障: テクノロジーが故障したり、接続が不安定な場合、学習が中断されるリスクがあります。
- セキュリティとプライバシー: オンラインプラットフォームを利用する際には、学習者のプライバシーやセキュリティに対する配慮が必要です。
- デジタルディバイド: ICTへのアクセスが制限されている場合、一部の学習者が不利益を被る可能性があります。
- 教師の役割の変化: 教師はICTを適切に活用するスキルを持っている必要があり、指導の方法やアプローチを調整する必要があります。
数学教育においても、ICTの導入は適切に行うことが重要です。教師が学習者のニーズに合わせて効果的に活用し、基礎的な理解を確かなものにするための補完的なツールとして活用することが重要です。
ChatGPT君による意見の要約
抽象的概念を具体的に理解できるというのが一番だと思います。
例えば、グラフの平行移動を連続的に表示したり、多面体をタブレット上に表示をさせたりと、いままで大変だったものを簡単に用意できます。
視覚的にも分かりやすいです。
電卓・計算機以上の活用を考える必要が出てきています。
ICTを活用すべき場面を見つけ出すポイント(2023.07.11追記)
ここからは、永田潤一郎先生の『365日の全授業 DX Digital Transformation 中学校数学』を参考にICTを活用すべき場面を見つけ出すポイント考えてみましょう。
どの教科でもできることか、数学科だからこそできることかを考えよう
一つ目の視点として、そのICT活用は、どの教科でもできることか、数学科だからこそできるかということです。
ついつい数学科だからこそのICTの使い方はないかと我々は探しがちです。
でも、他の教科を見ると、例えばgoogle formやgoogleクラスルームを使って、授業の振り返りを集約したり、ノートをタブレットで写して、電子黒板に投影したりしています。
他の教科でも、自分の授業でICTが使えないかと探すと、案外いろんなところでICTを活用する場面が見えてきます。
それをアレンジして各教科で使いやすいようにしていき、情報共有をすれば加速度的に校内のICT活用は進んでいきます。
年間通して使えるアプリと、各指導内容で使えるアプリの定番を探す
例えば、先ほど述べたgoogle classroomといった情報共有ツールは、年間を通して、振り返りの管理や小テストなどにつかえるでしょう。
Google Classroom
Google LLC無料posted withアプリーチ
関数の指導ならGeogebraというアプリをよく使っています。
GeoGebra 関数グラフ
International GeoGebra Institute (IGI)無料posted withアプリーチ
データの活用領域で、多くのデータを整理させて、度数分布表やヒストグラムにするなら、エクセルや、スプレッドシートでテンプレートを作成して、子どもに配付することも考えます。
Microsoft Excel
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Google スプレッドシート
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そうやって試行錯誤をしていくことで、様々な場面でICTを駆使して学習をすすめることができるようになるでしょう。
誰が中心になって使うのか
一人一台端末が実現したから散って、一人一人がそれぞれタブレットを操作することがいつでも効果的とは限りません。
場面によっては、時間がかかって授業が進まなくなるということもありえます。
例えば、中学校1年生の「空間図形」の回転体の学習について考えてみましょう。
回転体の様子の動画を示すのに、一人一人の端末を使う先生はきっといないでしょう。
教室前面にある大型モニターで、クラスのみんなが一斉にみられるように提示をするはずです。
教師が一斉に子供たちに教材を見せる方が手っ取り早く、理解が深まるという場面もきっと多いはずです。
先ほども書きましたが、ICTを利用することが目的ではありません。
授業の目標をより達成に近づけるためにICTを使うのです。
そこで、教師が一括操作して教材を見せた方がよいのか、子ども一人一人に操作させて考えさせた方がいいのか、これを見極めるのが大切になってきます。
どこから使うのか、どこまで使うのか
子どもの机の上にタブレットが常にある状態になりました。
だからといって常にタブレットを使わなければいけないと言わけではありません。
どこで、子どもがタブレットを手に取り、使わせるのか。
そこを見極めなければなりません。
これまでの授業でも、電卓やコンパス、定規などを使わせることもあったでしょうが、常に使わせることはなかったはずです。
タブレットやICTも同様で、いつ使うか、どこで使うかを見極めることが大切になってきます。
みんなにもっとICTを使ってもらいたい(2022.10.30追記)
昨日、こんな質問を頂きました。
「理想は分かるけど、もっと気軽に誰でもICTを使って欲しい。上のようにすると使う人が減ってしまうのではないか?」
僕の書き方が悪かったと思いました。
僕も含め、ICTはまだまだ手探りなところが多いです。
鉛筆とノートよりも、ちょっとした不具合で使えなくなります。
失敗も沢山してきました。
それでいいと思います。そうしてうまく使えるようになると思うからです。
ただ、最近、実践発表で、ICTを(電子トラブルで上手く使えなかったにも関わらず)結論としては、ICTは効果的だったと論じる実践を見ました。
それって違うよなと思うんです。
トラブルはトラブル。
上手くいかなかったなら上手くいかなかったで、次はどうするべきかを書けば良いのです。
それなしに、なんでも成果に繋げる風潮が、これからの実践者のためにも良くないなと思うのです。
だからこそ、ICTの良さを、整頓しながら、研究をみんなでしていきたいですね。
熊本市教育センターが、とても便利なデジタル教材を公開してくれています。
参考にしていただければと思います。
日本教育情報化振興会からも、「ICT教育環境整備ハンドブック2023」も出ています。
参考になるかもしれません。
日本文教出版からも、でていますよ!
まとめ
この記事で皆さんに伝えたいことは
・実践した上でアナログがいいならアナログに戻す勇気を持とう
・そして、アナログ、ICTそれぞれのよさを踏まえ、みんなでどちらが良いか学校で情報を集積しよう
いかがだったでしょうか。当たり前といえば当たり前ですが、ちょっと確認をしておきたいところではありますね。
自分も色々実践をやっていますが、もっともっと知りたいです。
ぜひ教えてください。
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