日常の些細なことでも、自分で決められない子がいます。
アイスを食べたときには、
「アイスの袋をどうしたらいい?」と聞いてきたり…。
「そんなのゴミ箱に捨てるにきまってるでしょ!」とイラっとしてしまうことがります。
また、「どれにする?」と聞いても、「みんなと同じでいいや。」という子もいます。
なぜ、自分で決められないのかと心配になることもあるでしょう。
そんな子の心の中はどうなっているのしょうか、どんな声掛けが有効なのでしょうか?
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子どもの心をのぞいてみると
もちろん子どもの性格にもよるのでしょうが、そもそもわが子はなぜ、そんなふうにいちいち人に聞いたり、合わせてしまったりするようになってしまったか、心配になる方も多いと思います。
たぶん、そんな姿をみせる子どもはとても繊細で優しいのだと思います。
「間違ったことをすると、(親や先生、友達が)困るかもしれない」
「違うことを言うと、みんなに迷惑をかけるかもしれない」
「自分だけ違うものを選ぶと恥ずかしい」
など、いろいろな気持ちが渦巻いているのかもしれません。
頭ごなしに怒らず、まずはそんな子どもの気持ちを受け止めてみましょう。
子どもに問いかけ、選択する場面をつくる
そもそも、なぜ自分で決められないのか?
ある本を読んでいると、北欧の方では、
「お菓子は、どっちのお菓子がいい?」
と小さなころから、子どもが選択する場面を作る子育てをすると読みました。
プレスクールなどでも、「今日はどんな遊びをする?」「室内と園庭、どちらで遊ぶ?」と聞く様子もあるそうです。
日本でも子ども主体での保育や学校でのアクティブラーニング、個別最適化の学びなどを取り入れているところも少しずつ増えてきています。
しかし幼稚園や保育園、小学校でもまだまだ一斉教育が主流です。
そんな中で、子ども一人一人が選択する場面は少ないのが現実です。
そこで、家庭で小さい頃から「どうしたい?」と聞いて、自己決定を促し、意思表示できることにつなげていくのはどうでしょうか。
日々の関わりの中で「○○しなさい。」と子どもに聞かずに指示をしてしまっていることが多くないか振り返ってみましょう。
例えば、冒頭の「アイスを食べたらゴミ箱に捨てなさい」という感じで伝えていないでしょうか。
常に様々なことを指示されていると、指示されていないことをするときに「間違っていないか?」と不安になってしまいます。
そのために何でも聞いてしまうということになるでしょう。
指示ではなく、どうしたいか聞いてみよう
まずは子どもに聞いてみること
「○○くんはどうしたらいいと思う?」
と一度子どもに返してみるとよいです。
「ゴミ箱に捨てる。」と言ったら、
「そうだね、それがいいね」と認める声かけをしましょう。
本当に分からないようだったら、もちろん教えてあげてください。
知っているのに聞いているのか、知らないのに聞いているかはよく見極める必要があります。
「みんなと同じでいいや。」という場合は、
「Aはこんなところがいいけど、Bはこんな素敵な所があるね。どっちがいい?」
と少し具体的な情報を加えつつ聞いてみるといいでしょう。
そんなやりとりを繰り返していく中で、子どもも「自分で考える」「自分で決める」ということが意識的にできるようになってきます。
最後に
「幸福感と自己決定―日本における実証研究」 神戸大学 西村先生の論文によると、
学歴や年収が高い人よりも、自己決定できる人の方が高いという結果が出ています。
「自分で決めてもどうせ否定される」と思うと、子どもは自分で決めなくなり、親の指示通り動くようになってしまうこともあるでしょう。
子どもの気持ちを確認し、自己決定を応援していきましょう。
- 子どもの意見や考えを聞けるように声かけをしていこう
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