夏休みの大仕事といえば、学芸会の台本作りではないでしょうか。
私も毎年頭を悩ませているのですが、今年は担任するクラスの児童がたった3人。しかも低学年なので、セリフは短くまとめる必要があります。
「配役をどうしよう」「セリフをどう削ろう」と悩んでいたときにひらめいたのが、生成AIの活用でした。
自分でざっくり台本を作り、それを生成AI(Gemini)に直してもらう——そんな方法を試してみたので、実際のプロンプトや結果とあわせてご紹介します。
この記事でわかること
- 学芸会の台本を生成AIで直してもらう具体的な手順
- 実際に使ったプロンプトの中身
- 3人劇と20人劇、それぞれの生成AI活用結果
- 生成AIにハルシネーション(誤った出力)を起こさせないコツ
ステップ1:まずは人の手で台本のたたき台を作る(バージョン0)

最初から生成AIに丸投げするのではなく、まずは自分で物語形式の台本を書いてみました。児童の人数はいったん考えずに、話の流れを作ることを優先します。
このたたき台には、次のような課題がありました。
- 台本が7ページと長い(低学年の持ち時間は15分)
- 一つ一つのセリフが長い
- 3人しかいない役をどう割り振るか決まっていない
- 分かち書きを書くのが途中で面倒になり、漢字表記のまま止まっている
こうした「叩き台はあるけれど、仕上げが大変」という状態こそ、生成AIの出番です。
ステップ2:生成AIに読み込ませて修正してもらう(バージョン1)

バージョン0の台本を、以下のようなプロンプトとともにGeminiに読み込ませました。
あなたは、小学校の先生です。学校で学芸会で劇をします。出演は、1・2年生。3人の子供しかいません。劇の時間は15分です。今から、私が書いた台本の原案を読み込ませます。上記の条件を満たすように、台本を書き直してください。また、低学年が対象なので、すべて分かち書きで表記をしてください。
出てきた結果は、想像以上によくできていました。
- 登場人物をA・B・Cに整理し、うまくセリフを割り振ってくれた
- 分かち書きへの直しも自動でやってくれた
一点だけ気になったのは結末の表現です。原作(人魚姫)では「人魚が自分の胸をナイフで刺す」という描写ですが、AIは低学年への配慮からか「泡になって消える」という表現に変えていました。この部分は好みが分かれるところですが、私は原作準拠に戻して修正しました。
また、ところどころストーリーの展開が急ぎ足になっていた部分には、2〜3個セリフを足す形で調整しています。
普段なら丸1日かかっていたセリフ修正・分かち書き変換の作業が、生成AIの活用によって30分足らずで完了しました。作業時間を大幅に短縮できたのは、想像以上の収穫でした。
ステップ3:20人クラスの台本も作れる?(バージョン2)

せっかくなので、「20人の台本を作って」ともう一段階お願いしてみました。
- 執事やナレーターなど、新しい役を追加して人数調整
- ストーリーの流れは崩さず自然に拡張
2段組みのレイアウトまでは対応してくれなかったため、バージョン0の台本形式に貼り直す手間は必要でしたが、内容面では十分実用的でした。
生成AIをうまく使うための4つのポイント

今回、生成AIの活用がうまくいった理由は、次の4点だと感じています。
- 元になる台本(たたき台)を自分で用意したこと
- 添削・人数調整・時間調整だけを生成AIに依頼したこと
- 内容を「増やす」のではなく「削る」方向で依頼したこと
- 「人魚姫」というインターネット上に情報が豊富な有名作品を題材に選んだこと
生成AIは「一から作って」「内容を増やして」という指示だと、ハルシネーション(事実と異なる内容の生成)を起こしやすくなります。劇の台本であれば大きな実害はないとはいえ、話の筋が変わってしまう可能性はあります。
今回は、自分で用意した原稿と、青空文庫などで確認できる著名な文学作品を組み合わせたことで、精度の高い台本に仕上がったと考えています。
まとめ:台本作りが苦手な人におすすめの手順

台本作りに苦手意識がある方は、次の流れを試してみてください。
- 青空文庫などで原作をコピーし、生成AIに読み込ませる
- プロンプトで「人数」「上演時間」を指定し、台本を出力させる
- 最後に教師の目で添削・仕上げをする
過去に使った学芸会の台本データを読み込ませれば、今年のクラス人数や上演時間に合わせて再構成してくれる可能性も高いです。
生成AIは「0から1を作る」のは苦手ですが、「1をたたき台にして直す」作業は非常に得意です。学芸会の台本作りに限らず、ぜひこの使い方を試してみてください。

生成AIの活用法や問題点についてもいくつも記事を書いています。合わせてご覧ください。





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