うちの長女が1歳の時に、保育園の先生から
「発達障害が疑われます。一度受診をしてください。」
と言われてショックを受けたことがあります。
その時は、娘はとにかく周りの子を噛んで噛んで、保育園の先生も困っていたようです。
2歳になって担任の先生が変わると、まったく困ったということは聞かなくなりました。
当時の先生から見ると、うちの娘が困ってしょうがなかったんだろうなと思うのです。
どこからが障害といえるのでしょうか?
グレーゾーンという言葉も聞きますがなんでしょうか?
一緒に勉強していきましょう。
発達と個性の違い
例えば、乳幼児健診などで、言葉の遅れや落ち着きのなさが指摘されることもあります。
これって個性と捉えればよいのでしょうか?
それとも発達が遅い(障害がある)と捉えればよいのでしょうか。
白と黒を並べれば、その境目は明らかです。
ただ薄いグレーから、濃いグレーまでのグラデーションでは、その境目を明らかにするのは困難です。
発達についても同じことがいえます。
発達上の気になる点はあるけれども、今は、はっきりと診断がつかない状態をグレーゾーンといいます。
どこからが障害ですか?と聞かれてもその境目を言うのは難しく、プロの間でも意見が分かれるところです。
「個性」と「障害」を分けて考えると難しいです
そこで、すべて「個性」だけれども、環境との兼ね合いで不具合があり、支援が必要であれば「障害」とすると考えるのはどうでしょうか?
子どものうちは「障害」となっていても適切な支援を受けることで、だんだん障害が目立たなくなり、個性の枠に収まることはよくあることです。
よく、「中学校になったら落ち着いたね」っていう話も聞くと思います。
まさにそんな状態です。
逆に、子どもの時に支援を受けられなかったために、社会に飛び出てから適応できず「障害」になってしまうこともあります。
アメリカのDSM-5「精神疾患の診断・統計マニュアル(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders)」では、
「社会生活を営むうえで本人が生きづらさを感じる場合、障害がある(意訳)」
とすることになっています。
個性と障害の境界は、本人のが困難を感じるかがポイントになりそうです。
障害を指摘されると落ち込む
私の場合もそうでしたが、発達の遅れなどを指摘されると落ち込みますよね。
健診の場というのは、同年齢の子が集まり、毎回毎回同じ月齢の子を見続けているので、「この年齢の子はだいたいこんな感じ」という感覚を持っています。
そのようなプロの目でみて「なんとなく気になる子」をピックアップした上で、経過を追って必要な支援をしてくれる日本の検診制度は他でも類をみない素晴らしいシステムです。
また、保育園の先生たちも集団で子どもたちを見ていますから、発達の問題には気づきやすいです。
「療育をうけたらどうですか?」
「一度受診してみてはどうでしょう?」
という提案を受けた場合、突っぱねるのではなく、とりあえず支援を受けてみることをお勧めします。
私の娘の場合も、一度、発達障害関係の病院を受診しました。
この時は、
「1歳なので、まだ判断はできない。3歳になっても同じ困り感か続くようなら、再度受診してください。」
といわれました。
それを保育園の先生に伝え、保育園でどうすればいいか、一緒に考えていきました。
結果、全然困らなくなりました。
今では他の子のお世話を焼く、世話焼きな子になりました。
保育園の先生と支援の方法を検討し、いっしょにがんばったからこそ、娘も成長できたかなと感じます。
発達障害をまとめると
発達障害はアレルギーに例えることが多いです。
アレルギーは体質ですが、症状や重さは人それぞれです。
エビペンを持ち歩けなければならない症状が重い子もいれば、くしゃみが少々出る程度という子もいます。
年齢や体調によっても現れる症状も変わってきます。
しかしアレルギーは根治することはできません。
一生付き合っていかなければならないものです。
大切なのは自分の体質を正しく見極め、症状を上手にコントロールしていくことです。
発達障害もそれと同じで、脳の個性であり、どんな症状になるか、どのように発達していくかは一人一人違います。
その子の発達状況とそれに合わせた対応を、その子に関わる大人みんなで考え、支援をしていくことが大切なのです。
現在、療育を行ってくれる児童発達支援所も増えてきました。
もし気になることがあれば、地域の発達支援センター等に相談をしてみましょう。
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