仕事はできるだけ早く終わらせて、家に帰りたい。
けれども、仕事がたくさんあってなかなか帰ることができない。
授業準備、部活動、生徒指導、校務分掌、学級事務。
本当に先生の仕事は多岐に渡り、大変です。
私は、まだ子どもも小さいので、家庭での時間をたくさん確保したいなと思って、毎日仕事をしています。
ありがたいことに、周りの協力もあり定時になると帰らせてもらっています。
定時退勤することについて、ネットではいろんな声があります。
自分が定時退勤できるようになったのは、こんなことを考えてやってきたからということを紹介したいと思います。
早く仕事をするには、たくさん「仕事の経験」が必要
仕事を早くできるようにするには、コテ先のテクニックもいろいろあるのですが、まずは「今までどれだけ様々な仕事をしてきたか」という「仕事の経験」が物をいうと思っています。
極論、残業して、死ぬほど仕事をした先に見えてくるのが定時退勤なのです。
教材研究しまくった、1年間
私の勤務している中学校は、1年から3年まで1クラスしかありません(中学校なのに、全校で3クラスしかないごく小規模校なのです。)
数学の先生も私1人しかおらず、1年から3年まで私1人で指導をします。
1年目は、教材研究をするだけで死にそうでした。
ただ、2年目、3年目になると去年の指導の経験、定期テストやプリントなどの資料もあるので、だんだん資料作成に時間をかけることは少なくなりました。
今日はどんな授業をすれば、生徒の「わかった!」を引き出せるかなと思索を巡らす時間が増えました。
それは学校にいる時間ではなく、通勤の車の中で考えるようにしてます。
PCの前や机に座って考えていることはありません。
PCの前に座ったら、もう作業するだけの状態にしたら、仕事の時間はとても少なくなりました。
同じ仕事は、スパイラルで改良していく
授業以外にも、毎年同じ仕事をすることは、以下のようなメリットがあります。
- 今まで使った資料を、今年も使うことできる
- 何度も同じ学年をやることで見通しを持って仕事ができて無駄がない
- 授業、生徒指導、学級経営についても昨年の経験をもとに進めることができる
ただ、そうなるためには、来年度以降も使える資料を用意しなければいけません。
毎年同じ資料を作り直している先生もいますが、それは、最初に作ったプリントが良い物ではないと言えるでしょう。
1年目に考え抜いて時間をかけて、仕事をしていくからこそ、2年目、3年目では、仕事の構想や、資料を1から作り直すのではなく、改善だけで済むので省力です。
トータルのコストは少なくなっていくのです。
もちろん、常に仕事を終えたら、反省をして、次年度に活かすという習慣を作る必要があります。
若いうちの苦労は買ってでもしろ
ここまで書いて、ぶっちゃけ、凄く真剣に仕事をしているじゃないかと思った方も多いと思います。
そうです。これだけ真剣に仕事に取り組んできたからこそ、今、定時退勤できるのです。
つまり若いうちに苦労をしたから、今、早く帰れるのです。
私も、教員6年目までは、毎日20時上がりでした。
7年目では、娘が生まれて、18時上がり。
9年目からは、2人目の娘も生まれたので、定時上がりをするようになりました。
6年目までに教科教育の研究はもちろん、生徒会(児童会)や小学校の体育主任、自治体の教科部会の仕事などなど山のようにやって来ました。(もちろん、今も生徒指導や自治体の教科部会の庶務もやっています)
教育書も100冊は購入して読んできました。
うまくいかないことが出たら、教育書を読みました。
教科指導から、学芸会や運動会、総合的な学習の本、生徒指導・・・一通り揃っています。
先輩の先生に教えを請うたことも数えきれません。
先輩に仕事を敢えて引き受けたこともあります。
たくさんの仕事をしているからこそ、それぞれの仕事とその全体像が見えているので、軽重をつけながら、素早く仕事ができるのです。
残業は良いものとはもちろん思っていません。
けれど、仕事をこなさない限り、クオリティーも、速度も上がるわけないのです。
どこかで、ハードワークをして、仕事力をつけなければならない時が必要だと思います。
話をずらしますが、最近「超実践的幸福論」というポッドキャストを聴いてはまっています。
この回でも、「仕事を楽しむには、どこかでハードワークするしかない」ということを言っています。(詳しくは概要欄もぜひ見てみてください)
結局は、最初から、仕事を早くやる、うまくやるなんていうのは難しいんです。
また、30代になったら仕事の質も量も上がってくるだろうという希望的観測をするのもナンセンスです。
仕事の質を上げるには、やっぱり仕事をするしかないのですから。
運動ができるようなるには、練習が必要なのと一緒なのです。
ただ、どこかの人生ステージで、どうしても仕事に全振りできなくなる日は絶対きます。
私も家族や子供ができてからは、仕事だけしようということはできなくなりました。
けれど、しっかり仕事をしてきたからこそ、今は仕事と家庭を両立しようと頑張れるのです。
仕事に没頭するというのは一つ人生において大切なことだと思います。
もちろん苦しくてしんどいこともあるでしょう。
仕事に没頭した期間があるからこそ、これからの職業観や働き方、生き方について見えてくるものがあるのではないでしょうか?
がむしゃらにやる中にも、忙殺されるのではなくて、自分を高めるにはどうすればいいかを常に考えるのが大切だと思います。
もちろん、早く質の高い仕事をするには、人間関係や、仕事への取り組み方を見直すことは大前提です。
今まで考えてきた自分の仕事法についてはこちらで紹介しています。ヒントになれば幸いです。
最後に
教師になって10年を迎えたので、こんな記事を書きました。
とにかく試行錯誤をした日々と、我を忘れたようになっている期間、うまくいかなかった期間を乗り越えて今があることを書きました。
順風満帆な教師人生を歩んでいるわけではありません。
転職をしたいなと思った時期もあります。
今も、教育に軸を片足置くものの、もう片足でほかの楽しいことができないか常に探っているところです。
そうするようになったのも、やっぱり10年仕事に真摯に向き合ってきたからかなと思います。
もし、今、学校の仕事がしんどいと思っている先生にこの話が届いたら嬉しいなと思います。
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