子どものころに、先生に言われた勉強テクニックが、「自分で問題を作ること」でした。
確かに自分で問題を作れれば、知識に対して本質がわかっていることなんだろうとはわかるのですが、それでいいのか?とずっと引っかかっていました。
理論的に問題を作ることで、学習が定着する理論と、勉強法について紹介します。
学習を定着させるには「想起」と「再言語化」
学習で大切なのは、「想起」と「再言語化」。
要は、覚えたことを「思い出すこと」と、「自分で説明し直すこと」です。
何度も脳の中で情報を出し入れすることで、さらに知識が定着するとともに、別で学んだ知識との結びつきができ、更に学習の効果が出てきます。
「クイズ化」で定着率アップ
そこで、テクニックとして一つ紹介したいのが「クイズ化」です。
覚えたい情報をクイズにして、自分の記憶度をテストしてみる方法のことです。
よくあるのが、単語カード、暗唱、模擬テスト、問題集を解く・・・。
これらのテクニックは、「クイズ化」の代表例です。
このブログでも何度も出ている「アウトプット」だと思いましょう。
本記事では、アウトプットの一つの方法として、「クイズ化」という言葉で説明することにします。
「意識して情報を思い出す」要素が含まれていれば、それはクイズ化になります。
心理学の世界では「検索練習」と呼ばれる手法で、過去の研究によれば、単なるテキストの再読と比べて、およそ50%~70%も記憶の定着率があがることがわかっています。
「教科書」・「テキスト」をクイズ化
英単語や、古文単語、数学の公式などを覚えるのにしか使えないんじゃないかと思うかもしれません。
数学や物理、化学のような論理的な分野では使えないのではと思う方も多いのではないでしょうか?
そこで、「すべての勉強をクイズにできないか?」という考え方です。
教科書・テキストを「クイズ化」
- テキストを1ページ読んだら、いったん本を閉じる
- 今読んだばかりのページに何が書いてあったかを思い出す
やってみると、結構読んでも、そのページに書いてあることの理解が曖昧だったということに気づくはずです。
自分の中で「何が書いてあったか」を振り返ることで、学習効率を上げていきます。
慣れてきたら、「1つの大見出しごとに思い出す」、「ワンセクション読むごとにに思い出す」といったアレンジを加えていきます。
きっと、通読するよりも確実に学習効率がアップします。
大事なのは、細かくクイズ化することです。
「想起」の回数が多いほど、記憶に残りやすくなるため、受験生なら、教科書。ビジネスパーソンなら、テキストなどの文献を1ページごとにクイズ化していくことで、大きな効果を発揮します。
ノートを取るときのクイズ化
「クイズ化」はノートを取るときにも使えます。
ノートを取るときの「クイズ化」
- テキストを読んで、「ここをまとめたい」と思ったら、いったん本を閉じる
- まとめたい内容を思い出しながらノートに書き出す
よく、勉強で教科書をまとめ直して来る生徒がいます。
教科書を見ながら、まとめ直る作業は、脳に知識が定着しません。
読み取った情報を、頭の中で思い出しつつ「その分野のポイント」を書き出していくのが大切です。
つまり、想起・再言語化ですね。
まとめたあとは、もう一度教科書を見て足りなかった情報をインプットし直すことで、自分の知識の定着度がわかります。
ノートを取るのが大変だったら、「声に出して、誰かに教える」だけでも効果があります。
書くこと、声に出すことなど口、耳、目といったいろんな器官を使って活動することで、脳への刺激が更に増えます(マルチモーダルといいます)。
テストは毎日行おう
「テスト」も代表的なクイズ化の例です。
テストがあれば「やばい」と勉強をし始めますよね。
勉強法という観点から見れば、「テスト」さえ準備すれば、勉強するのだから、これほど良いものはありません。
ただ、学校のテストは定期テストだと、範囲が広すぎてなかなかやる気が起きません。
本当に学習の成果を上げたいなら、「毎日テストをすべき」なのです。
範囲も短く、「本当に覚えているか?」と確認していくことで、力になっていくのです。
テストを日常化するには、問題集や過去問を解いて、次の日に間違えた問題を確認するのが一般的でしょう。
ここでおすすめしたいのが、私の教えてもらった「自分でテスト問題を作る」ことです。
自分でテスト問題を作る「クイズ化」
- 勉強中に覚えたい箇所があったら本を閉じ、その情報を思い出しながらクイズをつくる
- ノートの右ページ問題の答えを書いたら、ページを半分折って隠して、折り返した部分の問題を書いておく
例えば、「鎌倉幕府が、1185年に源頼朝によって作られた」ことが大切と思ったら、「1185年にできた幕府は?作った人物は?」というふうに問題を作ります。
「三平方の定理」を覚えたいなら、「斜辺以外の2つの辺が3cm,4cmだった場合、斜辺は?」、「三平方の定理はどうやって導き出せる」というふうに作ります。
問題を作るのが難しかったら、問題集の問題を真似て、より簡単な問題を作ってみましょう。
このように自分の頭で考えることで、自分なりに噛み砕いて理解をすることができるで、理解が深まります。
マインドマップを使ったテストの作り方
例えば「鎌倉幕府」について、教科書をみて、大事だと思ったことをマインドマップに以下のようにまとめます(ほんとはもっと情報量が多くなると思います。
今回は、「人物」と「地形」についてテーマを立てました。
さらに「人物」の枝分かれに「源頼朝」「源義経」「北条氏」と補足情報を書き足していきます。
この作業を繰り返すことで、「源頼朝の弟であり、とともに戦って鎌倉幕府を作ったのはだれ?」「北条氏は、源頼朝亡き後政治の実権を握った。その政治体制をなんという?」などのようにテストをたくさん作ることができます。
この方法は「マインドマップを作る」、「テストを作る」、「テストを解く」という3回アウトプットができるので、非常に定着率が高いです。
こちらの記事でも「関連付けて覚える」ことの効果について書いています。「ストーリー仕立て」で「スパイラルで覚える」ことを主張しました。合わせてご覧ください。
最後に
今回は「クイズ化」することで、学習定着率がアップすることをお伝えしました。
- 学習を定着させるには「想起」と「再言語化」
- 「教科書」・「テキスト」をクイズ化
- テストは毎日行おう
- マインドマップを使ったテストの作り方
とにかくどんな勉強でも、「自分ってわかってるかな?」と確認しながら、「想起」「最言語化」していくことです。
自分にピンとくる勉強法を見つけてくださいね。
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